2002年2月23日(土)「しんぶん赤旗」

府民と日本共産党との共同を広げ
くらし守る民主府政をとりもどそう

京都府民大集会12000人こす

府立体育館 志位委員長が訴え


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1万2000人を超す府民が集まった京都府民大集会=22日、京都府立体育館

森川候補が決意表明

 三月二十一日告示・四月七日投票の京都府知事選で、森川明知事を実現し二十四年間続いた自民党府政の転換をめざす「府民本位の新しい民主府政をつくる会」は二十二日、京都市北区の府立体育館で、日本共産党の志位和夫委員長を迎えた府民大集会を開き、会場の通路や階段、第二会場も埋めた約一万二千人をこえる府民が参加。府政の流れをかえる熱気があふれました。

 拍手と声援のなか登壇した森川候補は、府政を転換する政策を示し、「みなさんが行動をおこせば世の中は必ず変わります。京都を愛するすべての府民が立ち上がることを心から訴えます」と力強くよびかけ、聴衆は大きな拍手でこたえました。


志位委員長の訴え

 志位氏は最初に、今度の京都府知事選挙は、荒巻自民党府政の「継承」を公言する官僚候補と、「民主府政の会」森川明さんの一騎打ちの大激戦、みんなの力で勝利に向けた大きな流れをつくりだしましょうと呼びかけました。

 鈴木宗男衆院議員と外務省による「北方四島」支援事業にかかわる不正事件など「小泉政権の正体見えた」の大激動の事態を解明した後、小泉政権が腐った利権政治をかばう一方、「改革の手綱は緩めない」と「不良債権の早期処理の促進」「医療大改悪」の二つに熱中していることを批判しました。

 京都の企業倒産が最悪の水準であることや、「歳をとったら死ねと言うことか」という府民の悲痛な声を紹介しながら、「こういうときこそほんとうの知事の出番だ」と強調。「痛みに立ち向かい国に堂々とものを言う」という森川さんこそ知事にふさわしい、国いいなりの府政を継承する人物に絶対に負けられないと訴えました。

 志位氏は「そもそも地方自治は何のためにあるか」が問われる選挙だとして、京都府民は、自治体が自治体として輝いた素晴らしい伝統を持っていると強調。二十八年つづいた民主府政・蜷川虎三知事の「地方自治体は暮らしを守ることが根本」との言葉を引き、「この言葉は、府民の暮らしを痛めつける荒波が襲っているとき、新鮮に心に響く言葉だと思いました。この根本に照らせば、どちらが知事にふさわしいかは、はっきりします」とのべ、三つの分野でそれを明らかにしました。

 第一は福祉の問題です。自民党府政の二つの特徴を(1)蜷川民主府政で築いたすぐれた成果を崩すこと(2)府独自の新しい仕事はやらないこと――だと解明。京都民主府政が全国で初めて作ったお年寄りの医療費助成制度で、助成を受けられるお年寄りの比率が自民党府政のもとでどんどん下がっていること、介護保険の減免を府が拒んでいるため、府民が必要な介護サービスを受けられず、初年度で府が十二億円も予算を使い残した実態を明らかにし、森川さんで府政の転換を、と呼びかけました。

 第二は、中小企業の問題です。蜷川府政は「悪い景気から中小業者を守る」という立場にたって、“引き舟”方式として学識経験者、業界、行政の三者が協力して知恵を出し、振興計画をつくって実行したと紹介。京都から全国に広がった無担保無保証人の融資制度が自民党府政のもとで利用が激減している実態を示し、制度の充実を強調。大不況の際、「われわれの仲間の一人も自殺者を出してはならない。府に相談にきてください。死ぬのは思いとどまれるくらいの世話はできる」とのべた蜷川知事の言葉を引き、「森川さんで、こういう府政を復活しましょう」と訴えると会場からかけ声と大きな拍手が起きました。

 第三は、京都の町並み、景観を守る問題です。自民党府政になって巨大ビル開発などが進行、景観を壊し、町並みを支えてきた地元商店街を壊したと指摘。高速道路を京都市内に引き入れる計画が進んでいることをとりあげ、「歴史都市の京都の都心に高速道を引き入れるのは、歴史に逆行する愚行」と批判。「森川さんで中止してもらいましょう」と訴えました。

 京都の選挙になると必ず相手は蜷川府政攻撃、共産党攻撃をやるとのべ、蜷川府政が終わって二十四年、いまだに攻撃するのは、逆に、民主府政の業績がいかに大きく今に生きる力をもっているかを示していると強調。蜷川知事が最後に組んだ予算にすべての党派が賛成、自民党府議だった野中広務氏は「福祉の後退をさせず景気浮揚策を積極的に行う予算」「偉大なる政治家」と賛成討論したと指摘。「暗黒政治」「一党独裁」などという悪口は、あとからつくった根も葉もないことだとのべました。

 蜷川府政攻撃と一体に共産党攻撃が行われるのは、京都で蜷川民主府政の誇るべき伝統を現代に引き継ぐ政党が共産党だけだからだと強調。府民もそのことを評価し、七五年に百四十九人だった地方議員が、自民党府政になっても増え続け、いまでは百七十五人で第一党だと指摘。「反蜷川、反共攻撃は府民のくらしにかけられた攻撃。みんなの力でうちやぶってください」と訴えると、拍手がわきおこりました。

 志位氏は最後に、「暮らしを守る民主府政をとりもどそう」の旗を高く掲げ「多くの府民のみなさんと日本共産党との共同で、森川知事実現に全力をあげます」と決意をのべ、大きな拍手に包まれました。

 府民大集会の冒頭では、うたごえや青年、宗教者、伝統工芸の「調べ緒」作家、新社会党京都府本部の森山康弘委員長らが、京都の再生を訴え、「ビデオレター」として随筆家の岡部伊都子さん、哲学者の鶴見俊輔さん、作家の井上ひさしさんらが、エールを寄せました。

 初めて森川候補の話を聞いたという男性(19)=大学一回生=は、「環境問題に積極的に取り組む府政という話に共感した。高速道路は本当にいらないと思います」と語りました。女性(25)=京都市左京区=は「志位さんの話にあったように、蜷川府政みたいな府民にやさしい府政を森川さんで実現してほしい」と話しました。