2001年8月10日(金)「しんぶん赤旗」

志位委員長が会見

靖国参拝 首相は中止決断を

“日にち変更”は姑息な対応

国民負担増の危険が現実に


 日本共産党の志位和夫委員長は九日、国会内で記者会見し、小泉首相の靖国神社参拝をめぐる問題について、「『熟慮、熟慮』というが、中止の決断を首相は内外に言明すべきだ」と述べました。

 志位氏は、首相の靖国参拝への批判が内外に広がり、与党内にも矛盾が生まれていると指摘するとともに、与党の一部幹部から「日にちを変えて参拝すれば問題ない」との議論が出されていることについて、「姑息(こそく)なごまかし以外の何物でもない」と批判。侵略戦争推進の精神的シンボルだった靖国神社に参拝することの是非がいま問われており、「日付を変えることで何ら問題は解決しない」と強調しました。

 さらに、小泉首相が“参拝後に韓国、中国に理解を求める”との立場をとっていることに、シンガポール紙が“相手をけってから仲良くしようという横暴な対応”と批判していることを紹介。「これもおよそ通用しない問題外の対応だ」と批判しました。

国民負担増の危険が現実に

 志位氏は、十日に正式決定される来年度予算の概算要求基準について、「私たちが危ぐした通りの展開になっている」と指摘。とりわけ「社会保障にかなり厳しいしわ寄せがいく展開になっている」ことを指摘しました。

 志位氏は、社会保障関係費が一兆円の自然増が見込まれているのに、増加分を三千億円から五千億円削り込もうと報道されていることを紹介。「数千億円の単位で削り込みをやれば、医療分野で多額の負担増のしわ寄せがくる危険が現実のものになる」と警告し、命を守り、社会保障を守る大運動をすすめる決意を述べました。

 また公共事業を国費ベースで10%程度削減すると報道されていることについて、「無駄を思い切って削る見地がない」と批判。削減の内容が、単価の圧縮、PFI(民間資金活用事業)の活用、道路特定財源の見直しの手法で、事業量全体は確保することになると指摘しました。

 とくに、「重点七事業」のなかで「都市再生」があげられ、新たな公共事業につながるものが盛り込まれようとしていると述べ、「無駄な公共事業、巨大開発に思い切ってメスを入れる改革にはいまのところなっていかない。これでは結局、社会保障に痛みが押しつけられる形になる」と批判しました。




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