2001年7月2日(月)「しんぶん赤旗」

「自共対決」参院選

景気回復策しめす日本共産党か“景気悪化策”しかない自民党か

大阪梅田阪神前2万人 神戸三宮駅前6千人

志位委員長が躍進訴え


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志位和夫委員長の訴えに2万人が足を止めた日本共産党街頭演説=1日、大阪市の梅田阪神前
 
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訴える志位和夫委員長と山下よしき大阪選挙区候補、小林みえこ比例候補

 「ぎょうさんきとるなあ。前が見えんで」――参院選公示まで十一日と迫った一日、日本共産党の志位和夫委員長を迎えた街頭演説が大阪・梅田阪神前と神戸・三宮駅前で開かれ、それぞれ二万人、六千人の聴衆でうまりました。「自民党政治を変える真の改革の党、日本共産党を大きく躍進させてください」と力を込めた志位氏の訴えに、盛んな拍手と歓声が起こり、比例代表選挙での躍進と選挙区での山下よしき(大阪)、平松順子(兵庫)両候補必勝の熱気に包まれました。

 商都で、真剣に聞き入る聴衆に訴えた志位委員長は、「参院選で国民が一番願っているのは『この不景気を何とかしてほしい』ということだと思います。これが参院選の最大の争点です」と切り出し、政府すら「景気は悪化」と認め、関西・近畿圏で不況が一段とひどくなっているのに、小泉内閣が打ち出した経済の「基本方針(骨太方針)」には、景気対策が一言もなく、あるのは「構造改革」の連呼で、「痛みを恐れず」というだけだ、と批判。

 倒産と失業増、社会保障の切り捨て、増税という“三つの痛み”が国民に押しつけられようとしていることを告発し、「これらはどれも耐えうる限界をはるかに超えた痛みではありませんか。そして痛みに耐えても明日の展望はない。家計を直撃して、景気悪化の悪循環を引き起こすことになる」と述べ、「小泉『改革』には景気悪化策はあっても景気回復策はなし」と訴えると、「そうだ」の声と拍手がいっせいにおきました。

 志位氏は、日本共産党が家計を応援して景気の回復をはかるために、(1)消費税を三%に引き下げる五兆円減税(2)医療、年金、介護の負担増・給付カットを凍結し、将来不安のない社会保障体系をつくる(3)雇用の拡大のためリストラをおさえ、中小企業への支援を抜本的に強める提案をしていることを詳しくのべ、「まとまった景気回復の提案をしている唯一の党が日本共産党です。日本共産党のかかげる改革の方向にこそ日本の未来はあります」と気迫を込めて訴え、参院選挙での躍進をよびかけました。

 阪神梅田前で聞いていた学生の男性(22)は「小泉さんの『改革』の中身がよくわかった。“不良債権”といわれるが全国七割の雇用を支える中小企業への融資を切るということでしょ。小泉『改革』の名前におどらされてはだめですね」と話していました。

憲法9条こそ日本の羅針盤に

アメリカの地球規模の軍事計画への参加を告発

 志位委員長は、大阪、神戸両市内での街頭演説で、「小泉内閣は『聖域なき改革』というが、『聖域中の聖域』にしている分野がある。なかでもアメリカいいなり外交は指一本手をつけようとしていない」と小泉内閣の外交姿勢を批判しました。小泉首相がのぞんだ日米首脳会談で、「憲法を壊し、アメリカの地球的規模での軍事計画に日本を組み込む二つの重大な動きがおこった」と告発しました。

 一つは、日米の海外での軍事協力体制の強化です。小泉首相は「集団的自衛権の研究」を繰り返していますが、志位氏は、党首討論で首相が、「後方地域」の定義見直しに言及したことを指摘。その狙いは、日本の米軍支援は「後方地域」でしかできないというこれまでのガイドライン法(戦争法)の制約をとりはずし、戦闘地域・前線地域まで出ていって米軍と一緒に戦争をやることであり、「この研究は『憲法の枠内の研究』どころか、『憲法破壊の研究』であることはあまりにも明らかだ」と訴えました。

 もう一つは、ブッシュ政権がすすめる「ミサイル防衛」を「理解」し「参加」する動きです。これは相手のミサイルをミサイルで撃ち落とす戦略。「相手の核兵器を無力化したら、アメリカは核兵器を自由に使えるようになる」と指摘した志位氏は、中国、ロシア、フランス、ドイツなどが核軍拡競争に警戒と批判を強めているのに、小泉首相が「理解」を示し、アメリカと共同研究までしようとしていると告発。「アメリカに核戦争の自由を与える構想に日本が協力するなど、憲法じゅうりんもはなはだしいではないか。唯一の被爆国の日本がやるべきことは、すみやかに地球的規模での核兵器廃絶のための条約を結ぶべきだと堂々と全世界を説得し、核兵器をなくすイニシアチブを発揮することだ」と訴えると、「そうだ」の声援と、大きな拍手がおこりました。

 志位氏は、こうした動きのなかで、「二十一世紀の日本の羅針盤として、日米軍事同盟を選ぶのか、憲法九条を選ぶのかが問われている」と強調。創立七十九年になる日本共産党が戦前、侵略戦争に命がけで反対を貫いた党として「憲法九条こそ日本の羅針盤とすべき、世界に誇るべき宝」と考えていることを語り、「憲法九条を守る国民の大同団結をはかろう。日米安保条約をなくして、二十一世紀には米軍基地のない、ほんとうに独立国といえる日本をつくろうではありませんか」とよびかけました。




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