2001年5月2日(水)「しんぶん赤旗」

21世紀、国民の声が生きる新しい日本を

第72回中央メーデー

志位委員長のあいさつ(大要)

 一日、日本共産党の志位和夫委員長が東京・代々木公園の中央メーデーでおこなったあいさつの大要は次のとおりです。


小泉政権―「改革」掲げながら、古い政治を強引に     

 第七十二回メーデー中央集会にお集まりの全国の仲間のみなさん。私は日本共産党を代表して、熱い連帯のあいさつをおくるものであります。(拍手)

 この間、小泉内閣が発足し、世論調査では高い支持率も報じられています。これは、小泉氏が「いまの自民党ではだめだ。政治を変える」と叫んだことに、国民がある期待を寄せていることのあらわれだと思います。

 しかし、みなさん、小泉首相は、自分で「だめ」といった自民党の、その政治を変える中身、方策、展望をもっているでしょうか。何一つもっていない。それどころか、「改革」の看板を掲げながら、国民生活に犠牲をおしつけ、日本の平和に危険をもたらす自民党の古い政治をいっそう強引なやりかたですすめる――これが小泉内閣の実態ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

たたかえば道が開ける、政治を変えれば新しい展望が開かれる

 たとえば、小泉首相が叫ぶ「構造改革」とは何でしょう。

 これまで「財政構造改革」の名でやられてきたことは、消費税の増税、社会保障の切り捨てなどの血も涙もない政治でした。「経済構造改革」の名でおこなわれてきたことは、大企業のリストラ競争を国があげて応援し、失業と倒産を最悪にすることでした。

 いま「不良債権の最終早期処理」という掛け声でやられようとしていることも、百三十万人にのぼる新たな失業者をだすという指摘がされるなど、労働者と中小企業に多大の犠牲をしいるものにほかなりません。

 こんな道をすすめば、不況はいっそう深刻な泥沼に陥り、日本経済のゆがみと荒廃はいっそうひどくなることは明りょうではないでしょうか。

 いまもとめられているのは、大銀行・ゼネコン応援から、国民の家計をあたためる政治にかじをきりかえることではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 第一に、消費税を三%に下げる五兆円減税を実行すること。第二に、社会保障の負担増計画を凍結し、国民が将来に安心のもてるしくみをつくること。第三に、リストラをおさえ、政府が雇用拡大に本気でのりだすこと。これこそ国民の多数が願っている本当の景気対策ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 この間、国政を一歩動かす変化もかちとりました。厚生労働省は四月にサービス残業(ただ働き)への対策として、「使用者に労働時間管理を適正に把握することを義務づける」通達をだしました。労働者のたたかいと、私たち日本共産党の国会でのたたかいの共同の成果としてご報告できると思います(拍手)。これを手がかりに、職場からこの無法を一掃する運動をおおいに広げようではありませんか。(拍手)

 みなさん、たたかえば道は開かれます。政治を変えれば新しい展望が開かれます。くらしと権利をまもるため、力をあわせ、がんばりぬこうではございませんか。(「よし」の声、拍手

憲法9条擁護の一点での広大な国民の共同と団結を

 小泉首相の、むきだしのタカ派路線も重大であります。

 小泉氏は「自衛隊が憲法違反といわれないような憲法を」といって、憲法九条改悪を公然と主張しています。しかし、みなさん、自衛隊が憲法違反だといわれるのがいやならば、世界に誇る憲法九条の完全実施にむけて、憲法違反の自衛隊の現実を一歩一歩変えていくことこそ、政治のつとめではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 集団的自衛権の行使にふみこむ小泉首相の発言が、熱い焦点となっています。これは、米軍が海外での介入戦争を始めたときに、日本が「後方支援」にとどまらず、前線の戦闘活動まで共同しておこなおうという、危険きわまりないくわだてです。

 その背景には、アメリカの強い要求があります。ブッシュ政権のもとで国務副長官になったアーミテージ氏が中心になって、昨年十月にまとめた報告書で、「日本は集団的自衛権の採用を」という要求がなされました。

 新しく自民党の幹事長になった山崎拓氏、防衛庁長官になった中谷元氏は、ことし一月に訪米してそのアーミテージ氏と会談し、集団的自衛権の採用を事実上約束して日本に帰ってきています。アメリカじこみのタカ派路線をきっぱり拒否しようではありませんか。(拍手)

 私は、憲法改悪、集団的自衛権の名による集団的軍事介入の道にきびしく反対し、憲法九条擁護の一点での広大な国民の共同と団結を心からよびかけるものであります。(拍手)

 みなさん、いよいよ都議選、参議院選挙という審判の機会が迫ってきております。二十一世紀に日米安保条約を廃棄し、憲法が生きる独立・平和の日本、国民のくらしと権利が大切にされる民主主義日本――国民の声が生きる新しい日本をご一緒に築くために、力をあわせようではありませんか。(拍手)

 第七十二回メーデー万歳(拍手)。ともにがんばりましょう。(拍手)




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