2000年11月25日(土)「しんぶん赤旗」

決議案と中央委員会報告について志位書記局長が結語


 党大会決議案と中央委員会報告についての討論の結語にたった志位和夫書記局長は、三日間の討論が「どれも水準の高い、充実した感動的なもので、すべてが大会議案にかみあい、議案を深めるものだった」とのべました。

 「基本的に決議案に賛成の立場から、その一部にたいして異論をのべた同志がいた」ことにふれ、「異論があれば、党のルールにそって表明するのはたいへんよいこと。真剣な議論をつうじてこそ、党全体の認識も発展し、活力も、団結も高まる。決定されればわだかまりなくみんなで実行する。ここに民主集中制の党のすばらしさがある」と強調すると、会場から共感の拍手が起こりました。

 志位氏は、「政治情勢の激動と同時並行でおこなわれた大会だったが、まったく対照的な二つの流れがうきぼりになった」として、一方で政権党の滅びゆく“世紀末”的な姿が天下にさらされたとのべました。

 野党の提出した内閣不信任案をめぐって政権党が大混乱し、「不信任案の否決は首相の信任を決定したものではない」という自民党・野中広務幹事長の発言が波紋を広げています。

 これについて志位氏は、「政権党の陥っている深刻な矛盾があらわれている」と指摘。「自分たちで不信任を否決したわけだから、首相を辞めさせるわけにはいかない。かといって森首相で選挙をたたかうことは、恐ろしくてしかたがない。まさに政権党の滅びゆく“世紀末”的な姿が現れている」と批判しました。

 その一方で、「二十一世紀の希望ある日本改革の展望を自由かっ達に論じたのが日本共産党の第二十二回党大会」であり、「滅びゆく流れと、未来ある流れ、なんと鮮やかな対照をなしていることだろうか」とのべると、代議員は大きくうなずき、さらに「自民党の“世紀末”的状況は、日本共産党大会成功の引き立て役になってくれた」とのべると、会場は大きな拍手に包まれました。

 中央委員会の報告について志位氏は、「全党討論で出された意見や疑問にかみあった解明をおこなったことに、大きな歓迎がよせられた」として、おもな意見や疑問を章ごとに示し、CS通信をみた全国の同志からの一千通に近い感想の一部を紹介しました。

 そして大会の討論について、宗教者の同志の発言に励まされて「悟りを開いてがんばる」と発言したり、青年党員がベテラン党員に「あなたたちこそ宝」といえば、中年党員が「宝にくわえてほしい」とのべたことなど、討論の一端を紹介し、「代議員どうしの討論が楽しく、豊かで、たがいに勇気と激励を与えるものだった」として、三つに絞って特徴点をあげました。

 第一は、新しい党員をむかえる運動が全国で前進をはじめ、党に“新たな前進の息吹”がわきおこっていることを反映するものだったことです。

 志位氏が「『二〇〇五年までに五十万の党をつくろう』という大会の提起が、奮闘いかんでは実現可能な目標であることが、討論をつうじて裏付けられたのではないか」と強調すると、会場から力強い拍手が起こりました。

 第二は、若者が輝いた大会だったことです。志位氏は、「青年支部、学生支部が、若い世代の切実な要求にこたえ、大きな党をつくろうという意欲的なとりくみに立ちあがっている姿は、どれも胸をうつすばらしいものだった」とのべました。

 第三は、外国来賓が、地に足をつけた草の根からのとりくみに注目をよせてくれたことです。志位氏は外国来賓から寄せられた感想のいくつかを紹介。このなかで「代議員が、リュックを背負って会場まで長い坂を登って歩いているのをみると、彼らが信念をもっているのがわかる」という感想には代議員の間から思わず笑い声と拍手が起こり、志位氏が「毎日大変だったが、けっして無駄ではなかった」とのべると、さらに会場がわきました。そして外国来賓に心からの感謝をのべると、代議員から大きな拍手が長く続きました。

 つづいて志位氏は、全党討論、中央委員会報告、大会での討論をふまえて、修正・補強した決議案を提案しました。

 そのうち、第三章第九項「憲法と自衛隊問題」について、「報告を聞いた全国の同志の感想はきわめて積極的」で、大会の討論でも歓迎する発言が出されたことを指摘し、「全党の圧倒的多数の共通の認識となったといっていいと思う」と強調しました。

 また、必要にせまられた場合の自衛隊の活用について、「『そのようなことはありえない』と回答すべきだ」という意見には、「自衛隊解消の国民的合意の成熟は、民主的政権のもとでの国民の体験をつうじて、形成されていくというのが私たちの展望であり、国民多数が『そのようなことはありえない』と考えるようになるには、一定の政治的体験が必要だ」と解明しました。

 そしてこの問題についての決議案の補強として、(1)自衛隊の段階的解消という方針と憲法との関係についての解明を明記した、(2)「必要にせまられた場合」を「急迫不正の主権侵害、大規模災害など」と具体的にのべた、(3)原案では「活用することは当然である」となっていたが、「憲法が立脚している原理をまもるために、可能なあらゆる手段を用いる」ことが政治に「当然の責務」として要請されるという意味で「当然」という言葉を用いていることを明りょうにした――ことを解明。「全党の討論をつうじて、この個所も、多くの人々にとってより説得力をもつ、より充実した内容となったと確信する」と強調しました。

 最後に志位氏は、大会決議案が「全党の英知を結集して、豊かに練り上げられた」として、「全党みんながつくった“二十一世紀への宣言”ともいうべきこの歴史的文書を身につけ、これを縦横に活用して、きたるべき国政選挙での前進と、強大な党建設、そして民主的政権への道を切り開こうではないか」とよびかけ、結語を結びました。




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