2015年12月18日付「しんぶん赤旗」に掲載
産経前ソウル支局長無罪
韓国大統領への名誉毀損
【ソウル=時事】韓国のソウル中央地裁は17日午後、朴槿恵大統領らへの名誉毀損(きそん)で在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)に対し、無罪判決を言い渡しました。
李東根裁判長は「誹謗(ひぼう)の目的があったと判断するのは難しい」と述べました。また「公職者への批判は保障されなければならない」と強調。「(記事は)言論の自由の保護の領域内に含まれる」と結論付けました。
韓国外務省は、判決言い渡しに先立ち、検察を通じて裁判所に対し「日本側から『日韓関係を考慮し善処してほしい』と求められている。真剣に考慮してほしい」と要請していました。
加藤前支局長は2014年8月、産経新聞のウェブサイトに掲載されたコラムで、同年4月16日の客船「セウォル号」沈没事故当日、朴大統領の動静が一時不明だった問題を取り上げました。この中で韓国紙や証券筋の話を引用し、男性に会っていたのではないかといううわさを伝えました。
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産経新聞前ソウル支局長が在宅起訴された直後の記者会見(14年10月9日)で見解を問われた日本共産党の志位和夫委員長は「言論と報道の自由は守られなければなりません。言論による体制批判には言論で応えるというのが民主主義社会のあるべき姿です」と指摘。「そういう点に照らして、今回の事態には懸念と憂慮を持っています」と述べていました。
また、志位委員長は10月にソウルを訪問した際にも、韓日議員連盟の幹部との会談でこの立場を伝えました。