2013年6月28日(金)

参議院選挙必勝・全国決起集会

志位委員長の報告


 日本共産党の志位和夫委員長が27日、参議院選挙必勝・全国決起集会でおこなった報告は以下の通りです。


 お集まりのみなさん、インターネット中継をご覧の全国の同志のみなさん、こんばんは。みなさんの日夜をわかたぬ奮闘に心からの敬意を申し上げるとともに、熱い連帯のあいさつを送ります。

 私は、全国決起集会への報告をおこないます。

都議選での躍進は、日本共産党への見方を大きく変えつつある

写真

(写真)報告する志位和夫委員長=27日、党本部

 6月23日に投開票された東京都議会議員選挙で、日本共産党は、目標としていた「現有8議席を確保し、議案提案権をもつ11議席以上」を大きく超えて、改選議席の2倍を上回る17議席を獲得し、民主党を追い抜き、自民党、公明党につづく第3党へと躍進しました。都議選での躍進は、1997年以来、16年ぶりの重要な成果であります。

 都議選での躍進は、東京はもとより全国で大きな喜びをもって迎えられています。また有権者の党への見方を大きく変えつつあります。たとえば、全国各地の有権者の反応として、「これまでは『なぜ共産党は伸びないの』という疑問が寄せられたが、都議選の結果を受けて、『なぜ共産党はこんなに伸びたの』と疑問の中身が一変している」などの報告が、多数寄せられています。

 私はまず、ご支持いただいた都民のみなさん、大奮闘してくださった東京と全国の支持者、後援会員、党員のみなさんに心からの感謝を申し上げます。

 参議院選挙の公示まで7日、投票日まで24日となりました。選挙戦の方針は、すでに7中総決定で明らかにされています。報告では、都議選のたたかいから次の三つの教訓を全党のものとし、それを生かして参院選での躍進に挑むことを訴えたいと思います。

政治論戦――「自民と対決、抜本的対案示す」という姿勢を貫く

「自共対決」を貫いたことが都民から評価され、躍進につながった

 第一の教訓は、政治論戦の問題であります。

 7中総決定は、安倍政権について「暴走と破たん」と特徴づけるとともに、「抜本的対案をしめし正面から対決してたたかう」ことを提起しました。そして、「自民党対共産党の対決」――“自共対決”こそ真の対決軸であること、この政党対決の構図を押し出しながら、勝利をつかむことを訴えました。

 都議選で、私たちは、7中総決定を全面的に生かした論戦を展開しました。政党対決の構図が、国政では「自共対決」、都政では「『オール与党』対日本共産党」となっていることを端的にしめしつつ、都民要求の実現という土台にたって、暮らしと景気、都政の「逆立ち」をただす、原発ゼロの日本、憲法を守り生かすなどの具体的な論戦を展開しました。この政治論戦は、全体として的確なものだったと思います。

 メディアの報道でも、東京新聞が、「(共産党は)主要な政策テーマで自民党との対決色を鮮明に打ち出した結果、大幅に議席を積み増した」と報じるなど、ここに注目が集まっています。朝日新聞は、出口調査で、首相の経済政策を「全く評価しない」と答えた人の52%が共産党に投票した結果を示し、「政権批判票、共産へ」と報じました。政界からも、菅官房長官が「日本共産党がアベノミクス批判の受け皿になった」、小泉自民党青年局長が「いつも立場が一貫している共産党がわかりやすい」とのべるなどの反応が出ています。

 安倍政権の各分野での暴走に対して、国民のなかに不安感、危機感が広がりつつあるなかで、わが党が「自共対決」というキッパリとした政治的対決姿勢を貫いたことが、都民から評価され、躍進につながった。これは参院選に生かすべき重要な教訓であります。

 私たちは、この10年来、「自民か、民主か」という「二大政党による政権選択」作戦、それに続く「第三極」作戦という、二つの日本共産党排除作戦に直面し、選挙戦でも苦しいたたかいを強いられてきました。しかし、「二大政党」作戦は、政権についた民主党が、国民への数々の裏切りをした結果、いまではすっかり廃れました。「第三極」作戦も、その担い手たちが、自民党の補完勢力であることが明らかになり、廃れつつあります。これらの根底には、古い自民党政治の深刻な行きづまりがあります。同時に、全党の同志のみなさんが、これらの反共作戦に対して不屈にたたかってきたことが、第一歩ではありますが、都議選での躍進という結果に実った。同志のみなさん。ここに大きな確信をもって、参議院選挙のたたかいにのぞもうではありませんか。

参議院選挙――都議選の教訓を生かし、三つの点に留意してたたかう

 参議院選挙では、都議選のこの教訓を生かし、「自民党と対決、抜本的対案を示す」という政治姿勢を貫き、さらに発展させてたたかいます。都議選の結果によって、「自共対決」という訴えが、いっそう現実的裏付けをもって語れるようになったことは重要であります。そのさい、次の三つの点に留意して、政治論戦をすすめていきましょう。

自民との対決姿勢とともに、責任ある抜本的対案を語ろう

 第一は、自民党との対決姿勢を鮮明にするとともに、わが党の責任ある抜本的対案を、あらゆる分野で、丁寧に語ることであります。

 すでに発表した「参議院選挙政策」では、暮らしと経済、原発問題、外交問題、憲法問題、歴史問題の五つの大争点で、安倍自公政権を厳しく批判するとともに、日本共産党としての抜本的対案を責任をもって示しています。そのなかで、たとえば、暮らしと経済をめぐっては、「アベノミクス」を正面から批判するとともに、「賃上げと安定した雇用で、国民の所得をふやし、景気をたてなおす」「大企業の内部留保260兆円の1%をうごかして、月1万円の賃上げを」など、党としての抜本的対案がのべられています。

 同志のみなさん。日本共産党が、安倍政権の暴走に不安感や危機感をもつ方々にとって最も頼りになる“批判者の党”であるとともに、政治の閉塞(へいそく)の打開の道を模索する方々にとってあらゆる分野で抜本的対案を示す“建設者の党”であることを、大いに語っていこうではありませんか。

日本共産党を伸ばすことの国民的意味を、大いに語ろう

 第二は、日本共産党を伸ばすことの国民的意味を、大いに語っていくことであります。

 都議選の訴えでは、「日本共産党が伸びれば都政は変わります」ということを、認可保育所の増設をはじめ、党都議団のはたしてきた役割を押し出すなかで語りましたが、この訴えには大きな積極的反応が寄せられました。この教訓を、参議院選挙に発展的に生かしていくことが大切であります。

 たとえば国政の分野でも、日本共産党国会議員団の奮闘と国民運動の力によって、国政の重要問題で、国民世論に前向きの変化をつくってきていることは重要であります。

 暮らしと経済の問題では、わが党が提起した「賃上げこそデフレ不況打開のカギ」「内部留保の活用を」などの主張が、国民的世論となり、政府もこの主張を否定できなくなり、不十分であっても経済界に賃上げの要請をおこなうという出来事が起こりました。

 憲法問題では、改憲勢力が96条改定を9条改定の突破口として位置づけてきたことに対して、党国会議員団と連携して「しんぶん赤旗」が、96条改定に反対する小林節慶応大学教授や自民党古賀誠元幹事長のインタビューを掲載するなど、先駆的論陣を張ってきたことが、国民世論を変え、この作戦が思惑通りすすまない状況をつくりだしています。

 日本共産党を伸ばすことは、国民世論の前向きの変化をさらに促し、悪政推進勢力を包囲し、国民要求実現にとって大きな力になることは間違いありません。「日本共産党を伸ばせば日本の政治は必ず変わります」ということを、大いに語っていこうではありませんか。

「こんどは共産党かな? でも……」という疑問にかみあって党の全体像を語ろう

 第三は、「こんどは共産党かな? でも……」というさまざまな疑問に対して、日本共産党の路線・理念・歴史の全体像を伝えることが、都議選の結果をうけて、いよいよ重要になっていることであります。

 都議選の結果を見て、「共産党はぶれない政党だ」「言っていることは正論だと思う」という評価を寄せてくれる方が広がっています。同時に、「けれども……」というさまざまな疑問もあります。私は、都議選後に、いくつかのメディアの取材を受けましたが、質問で寄せられたのは、「日本共産党が政権をとったらどうなるか」、「中国をどう見ているのか」など、党の路線と理念にかかわる問題が中心でした。

 「しんぶん赤旗」6・7月号外では、片面を「『こんどは共産党かな? でも…』というみなさんへ」という見出しで、「力がないのでは」、「大企業はどうする」、「旧ソ連、中国と同じでは」、「党名を変えないわけは」などの国民の疑問に答えて、端的ですが党の立場を語っています。「中国をどうみる」という疑問に対しても、「私たちは、いまの中国を“社会主義に到達した国”とは見ていません」とのべ、節々で、節度を持ちながら、中国に対して、言うべきことを言ってきたことを紹介しています。

 同志のみなさん。広い有権者がわが党に注目を寄せているもとで、この号外も活用しながら、国民の疑問にかみ合わせて、党の全体像を大いに語ろうではありませんか。

「全国は一つ」で勝ち取った都議選の成果――参院選でさらに発展させよう

東京の奮闘と全国の奮闘が一体になって――数々の感動的ドラマが

 第二の教訓は、「全国は一つ」で都議選をたたかいぬいたことであります。

 今回の結果が、東京の党と後援会の大奮闘のたまものであることはいうまでもありません。同時に、全国の党組織と後援会が、7中総決定にもとづき、都議選と参院選での勝利を「二つの任務」としてとりくみ、大奮闘したことは、都議選に勝利する大きな力となり、参院選をたたかううえでも重要な教訓をつくりだしました。

 「マイ名簿」を活用しての対話による5万4000の支持拡大と数えきれない紹介カード、10万のテレデータにもとづく電話作戦が、全国各地から東京に集中しました。中央の提起にこたえ、全国から派遣された180人のオルグ、特別宣伝隊、ボランティアが、献身的な奮闘をおこないました。

 まさに、今回の都議選でのわが党の躍進は、全国の党組織と後援会の一体となった力が、東京の頑張りと合わさって勝ちえた成果であります。多くの感動的なドラマがたたかいのなかで生まれました。そのいくつかを紹介したいと思います。

 世田谷地区委員会からは次のような報告が寄せられています。

 「紹介カードが、北海道から九州まで、全国から約1000枚寄せられました。多い支部では20〜30枚、少ない支部でも7〜8枚、寄せられたカードにあたると、どこでも反応が良く、みんな感動していました。全国の支援なしには勝利できませんでした。福島県からオルグ2人が1カ月以上、ビラ作りから支部おこしまで大奮闘してくれました。神奈川県からもオルグやビラ配布の支援を受けました。最終盤には、車2台、10人が、朝6時に福島を出発し、雨の中、1万枚のビラを配布してくれました。県議会議員が4人、議会日程の合間をぬって、世田谷に来てくれました。街頭演説で、すごい迫力で、原発事故の被災の状況、党の頑張りについて訴えてくれました。有権者の足が止まり、話を聞いた党員や後援会員は、目に涙を浮かべ、『福島に負けずに自分たちが頑張らなくては』と激励されました」

 熊本県からのオルグとして品川地区委員会で活動した嘉松健三さんは、熊本県の同志たちにあてて、つぎのような手紙を書きました。

 「16日午前5時、品川の宿舎で手紙を書いています。突然の東京オルグの要請ですが、いったんは断りました。しかし、参議院選挙の前哨戦としての大きな意義を考えました。中央・県委員長の要請を断ったとなっては今後の指導に影響するし、私の党員人生に傷がつく思いで、2週間のオルグを受け入れました。オルグ活動は、想像を絶する激務です。東京の党組織は、議席確保のために必死でたたかっています。いろいろな感動があり、胸を打つことがいっぱいです。顔も名前もまだよく覚えていない同志たちですが志は一つです。要請をうけて、よかったと思っています。接戦区がたくさんあります。急がなくてはなりません。具体的な取り組みが必要です。各地区から30人から50人、名前をあげて『東京電話入れ支援隊』を組織してください。品川区だけでも、10人以上の全国支援オルグが入って頑張っています。毎日、宿舎で寝るのは11時すぎです。1日1万歩以上、階段の上り下りで足もがくがくですが、命がけでがんばります。熊本県から毎日100件以上の電話入れができたら必ず勝利します。以上、お願いです」

 全国各地から、「マイ名簿」を生かし、結びつきを生かした対話と支持拡大がとりくまれました。さいたま市緑区の高橋健三さんは、元特定郵便局長で、入党して1年、間もなく88歳になります。6月に入り、東京にいる兄弟姉妹、親戚、知人など十数人に手紙を書きました。手紙には、戦後、憲法9条に感動した思い出、それが生活苦のなかに埋もれていたと書かれ、続けて、こうつづられています。

 「しかし、後期高齢者をはるかに超えた今、私は老いらくの恋の相手を見つけたのです。結党91年、一貫して戦争に反対、働く者、貧しい人びとに手をさしのべる日本共産党が私の恋の相手でした。都議選が間近になりました。日本共産党の政策のご理解をいただくため、赤旗のコピーの一文を差し上げる次第です」

都議選でつちかった全国的連帯の精神を、全国的規模で発揮し、勝利をつかもう

 このような全国的連帯での奮闘は、他党にはまねのできない、綱領を基礎に同じ志で結ばれている日本共産党ならではのものであります。その成果を、参議院選挙に発展的に生かすことを、私は、心から訴えるものであります。

 全国からオルグに入った同志も、特別宣伝隊やボランティアに参加した同志も、「マイ名簿」やテレデータでの対話・支持拡大に取り組んだ同志も、今回の結果に強い喜びの気持ちを持っているはずです。“やればやれる”という確信をもっているはずです。たくさんの活動上の生きた教訓もえているはずです。その喜びと確信と教訓を全党のものとし、参議院選挙のたたかいに生かそうではありませんか。

 全国一区の比例代表選挙が選挙戦の軸となる参議院選挙においては、「全国は一つ」という立場は、いよいよ大切になってきます。都議選では全党の同志たちが東京にもっているつながりを生かした選挙戦を展開しましたが、参院選では全党の同志たちが全国にもっているつながりをすべて生かした選挙戦を、壮大な規模で展開しようではありませんか。同志のみなさん。都議選でつちかった全国的連帯の精神を、文字通り全国的規模で発揮し、勝利をつかもうではありませんか。

宣伝・組織戦の規模をいかにして広げるか――都議選の教訓をふまえて

国民多数の思いと日本共産党の立場が合致――そういう人々に声をどう届けるか

 第三の教訓は、宣伝・組織戦の運動の規模をいかにして広げるかという問題であります。この問題でも、都議選の教訓を参院選に生かす取り組みをはかりたいと思います。

 メディアの世論調査を見ても、今回の都議選で投票した無党派層の2割近くが日本共産党に投票しています。投票にいたらなくても、わが党にたいして新たな注目や期待を寄せている人々が、これまでになく広がっていることは間違いありません。

 世論調査を見ても、アベノミクスの現状と前途に不安と批判が強まっています。憲法問題では国民の過半数は憲法9条、96条改定に反対という結果が出ています。原発再稼働と輸出にたいしても国民の6割前後は反対という結果が出ています。

 国民多数の思いと、日本共産党の立場が合致しているのです。そうした広大な人々に、日本共産党の声をどうやって届けていくかは、新しい重要な課題であります。

都議選のたたかいの教訓を、参院選に発展的に生かす――三つの強化方向

 この点で、宣伝・組織戦の運動の規模を広げるといううえでも、都議選のたたかいは重要な教訓をつくりました。それを参院選に発展的に生かしていくことを訴えたい。とくに三つの点を強調したいと思います。

創意をこらし、宣伝戦を思い切って強化しよう

 第一は、創意をこらした宣伝戦を思い切って強化することであります。

 都議選では、広範な有権者に元気な党の姿を届けるため、さまざまな工夫をこらした宣伝戦が取り組まれました。

 駅頭宣伝は、各党入り乱れた激しい宣伝戦になりましたが、ノボリ、プラスター、横断幕などで要求スローガンを押し出した目立つ工夫をおこない、早朝からのロングラン宣伝、お帰りなさい宣伝が取り組まれ、多くの駅頭で他党派を圧倒しました。

 ビラを配布することができないオートロック・マンション住民を対象に、通勤労働者が集中する駅頭での毎日の早朝宣伝、保育所前宣伝、商業新聞などへの折り込み宣伝など、さまざまな創意的取り組みがおこなわれました。

 各地で取り組まれた路地裏メガホン宣伝は、「声が優しく、心に響く」と大きな威力を発揮しました。

 これらの教訓を、参院選に大いに生かしましょう。ポスターを急いで、1枚残らず張り出しましょう。「しんぶん赤旗」6・7月号外を一気にまききりましょう。都議選の教訓を生かして、党の元気な姿を有権者に伝える創意をこらした宣伝戦を全国で展開しようではありませんか。

「マイ名簿」の取り組みを軸にしつつ、テレデータを使った対話を広げよう

 第二に、対話と支持拡大の飛躍をはかるためには、「マイ名簿」にもとづく結びつきを生かした活動を軸にすえて発展させるとともに、テレデータを使った電話による対話を思い切って広げることが大切であります。この活動は、国民のなかでわが党にたいする新たな関心や注目が広がるもとで重要になっており、都議選ですでにその威力は試されずみのものともなりました。

 都議選では、「声の全戸訪問」として、テレデータにもとづく電話作戦が展開され、「ビラをお読みいただけましたか」「投票先はお決めですか」などと対話し、党への支持をよびかけました。全体として、驚くような反応の良さ、待っていましたというような反応の良さで、対話できた人のうち、支持を約束する人が2〜3割に達するなどの状況も生まれました。全国各地で取り組んだ同志からも、「すごい反応。ほんとうにテレデータなのですか」という問い合わせが相次ぎました。反応の良さに励まされ、元気になり、働きかければ働きかけただけ支持が広がる状況となりました。

 参議院選挙では、「マイ名簿」にもとづく取り組みをさらに発展させるとともに、テレデータを使った「声の全戸訪問」を重視して位置付け、空前の規模に対話・支持拡大の運動を発展させようではありませんか。

選挙ハガキを活用し、担い手を広げる取り組みに力をそそごう

 第三は、後援会員、「しんぶん赤旗」読者、支持者などに思い切って協力を依頼し、担い手を広げることの重要性であります。

 都議選では、1選挙区あたり8000人の選挙ハガキを送った人に、「折り入ってお願いがあります」「大激戦です。支持を広げてください」とお願いする、「折り入って作戦」が取り組まれました。働きかけてみると、5人、10人と支持を広げてくれる経験が、たくさん生まれました。

 この経験も、参議院選挙に発展的に生かしましょう。参院選では、比例代表で255万枚、選挙区で223万枚の選挙ハガキが活用できます。選挙ハガキを1枚残らず活用するとともに、ハガキを送った人に電話で、訪問で、「支持を広げてください」と大胆にお願いする運動を、選挙戦の太い柱に位置付けて取り組み、担い手を広げに広げながら勝利をつかみとろうではありませんか。

ネット選挙――草の根の力を発揮して大いに挑戦を

 参議院選挙では、都議選でできなかったインターネットを使った選挙活動が解禁になります。ネット選挙に本格的に挑戦するために、この間、中央として、全国ネット担当者会議、SNS活用全国交流会などを開催し、党員・支持者のネット活用を促進してきました。参議院選挙候補者は全員がネット活用を開始し、地方党機関、支部でもネット活用の取り組みが広がっています。

 参議院選挙では、中央として、インターネットで活用できる、あらゆる発信を強化するために全力をあげます。毎日の「しんぶん赤旗」のネット配信を充実させます。動画の配信にも力をそそぎます。フェイスブック、ツイッターなどの発信も強化します。これらも活用して、草の根の力を大いにこの分野でも発揮し、ネット選挙という新たな分野に意欲的に挑戦しようではありませんか。

宣伝、組織戦の飛躍のなかで、党勢拡大を目的意識的にすすめよう

 宣伝、組織戦を飛躍させるなかで、党勢拡大を目的意識的にすすめることを強く訴えたいと思います。

 都議選を振り返っても、東京の党組織が、4月、5月と連続して、「しんぶん赤旗」の読者を、日刊紙も日曜版も増やすなかで都議選にのぞんだことは、党が新たな活力をもって選挙にのぞむうえで大きな力となりました。これは重要な教訓であります。

 参院選躍進にむけて、党員と「しんぶん赤旗」拡大の独自の努力をはかりましょう。とくにこの6月度に、「しんぶん赤旗」の読者を全都道府県、全地区委員会、全支部で増やして、党勢拡大の高揚のなかで選挙戦にのぞむことを心から訴えるものです。

参議院選挙にのぞむ基本姿勢――やるべきことをやりぬいたもののみに躍進は訪れる

 最後に都議選の結果と参議院選挙との関係、参議院選挙にのぞむ基本姿勢についてのべておきたいと思います。

 都議選での日本共産党の躍進が、国民のわが党への見方を変え、参議院選挙の躍進に連動しうる条件をつくりだしたことは間違いありません。同時に、都議選で躍進したからといって、自動的に参院選で躍進することは決してありません。参議院選挙での躍進に連動させるためには、都議選と参院選の性格の違いもよく念頭において、勝利に必要なことをやりぬくことが絶対不可欠であります。

 都議選の日本共産党の結果をみるさいに、次の二つの見地が重要であります。

 第一に、昨年の総選挙の比例票と比べると、日本共産党は東京都での得票を48万から62万に、得票率を7・41%から13・61%に大きく伸ばしています。これは東京と全国の奮闘のたまものであり、これがあったからこそ、17議席への倍増も可能になりました。この結果は、昨年の総選挙での政党間の力関係は固定的なものでは決してなく、短期間のうちに変えられることを示しています。そういう変化は東京だけでなく全国どこでもつくりうる、つくろうという立場で、参議院選挙にのぞむことを訴えるものです。

 第二に、4年前の都議選の結果とくらべると、日本共産党は、低投票率のもとで得票を71万から62万へと減らしています。同時に得票率を12・56%から13・61%に、1・05ポイント伸ばしています。そして、日本共産党は、得票率では前回比1・05ポイント増ですが、議席は倍増となりました。すなわち都議選での躍進は、選挙区ごとの他党の立候補状況、政党の組み合わせ、民主党の共倒れなど、さまざまな要因もあることをリアルにみる必要があります。

 参議院の比例代表選挙では、こういった要因は基本的に作用しません。それは、「全国は一つ」で、政党の“生の力”がそのまま反映するたたかいとなります。都議選の躍進を確信にしつつ、同時に、参議院選挙にあたっては、「勝って兜(かぶと)の緒を締めよ」という立場で、気を引き締めてのぞみ、少しも緩みや甘さがあってはならないということを、強調しなければなりません。

 同志のみなさん。参議院選挙の躍進は、650万票以上という得票目標、それを達成するための宣伝・組織活動の目標など、勝利のためにやるべきことをやりぬいたもののみに訪れるということを銘記して、つぎのたたかいにのぞもうではありませんか。

 参議院選挙は、「比例を軸」に、5人の比例候補の全員当選を全党の力を総結集してやりぬくことを揺るがずに堅持してたたかいます。同時に、都議選の結果も受けて、どの選挙区でも「自共対決」を正面から押し出して、勝利にむけて堂々と力をつくします。とりわけ、現実に議席を争いうる状況がうまれているいくつかの選挙区では、比例代表の躍進の大波をつくりだしつつ、選挙区でも積極的に議席獲得をかちとるために力をそそぎます。

 都議選の躍進を確信とし、そのたたかいの教訓を生かし、参議院選挙で連続躍進をかちとるために、全党が心一つに、残る期間、「日本共産党ここにあり」という大奮闘をすることを心から訴え、中央委員会が先頭にたって奮闘する決意をのべ、報告を終わります。みなさん、ともにがんばりましょう。