2013年5月17日(金)

96条改定で矛盾と動揺

改憲勢力 志位委員長が指摘


 日本共産党の志位和夫委員長は16日の記者会見で、閣僚などから憲法改定の手続きを定めた憲法96条の先行改定にこだわらないとする発言が出始めていることについて見解を問われ、「大きな矛盾にぶつかって、動揺が起こっています」とのべました。

 志位氏はこのなかで、96条は、国民主権の立場にたって国家権力を縛るという憲法のあり方にかかわる重大な条項で、9条改憲派からも改定すれば「憲法が憲法でなくなる」という批判が示されていることを指摘し、「とんだ見込み違いの道に進み、動揺が始まっています」と語りました。

 他方で、「安倍首相自身は、96条改定論を『取り消す』とは言っていません。追撃し、96条改定から突破するという改憲派の出ばなを破たんに追い込むことに力を尽くしたい」と強調しました。

 志位氏はまた、憲法改定に対する立場を問われ、「現憲法の全条項を厳格に順守します。とりわけ、平和的・民主条項の完全実施が基本的な立場です」と表明しました。

 「『環境権』など新しい人権も、憲法13条の幸福追求権で包摂される懐の深い人権条項を持っているのが、憲法です」とのべたうえで、「憲法の高い理想にそくして現実を変えるのが大事であって、現実の悪い方向にあわせて(憲法を)変えることはいま求められていることではありません」と語りました。