2012年10月25日(木)

ラジオ番組

志位さん、まるごと共産党を語る


 日本共産党の志位和夫委員長は24日早朝に放送されたラジオ日本「岩瀬恵子のスマートNEWS」に生出演しました。党の自己紹介から始まり、尖閣問題や復興予算の流用問題をめぐって、司会の岩瀬さん、政治ジャーナリストの角谷浩一氏となごやかに語り合いました。ポイントを紹介します。


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(写真)ラジオ局内で語り合う(左から)角谷浩一氏、志位和夫委員長、岩瀬恵子さん=24日、東京都内

自己紹介――どの分野も改革ビジョン

 「共産党というと『お堅いかな』なんていうイメージがあるんですが、リスナーのみなさんに、日本共産党についてアピールしていただけますか」

 岩瀬さんに促され、志位氏は「間違った政治には断固反対を貫きますが、国民のみなさんが解決を望んでいる問題について、どの分野でも改革ビジョンを出しているんですよ」と話しました。

 志位氏があげたのは、▽消費税に頼らずに社会保障を充実し、財政危機を打開する「経済提言」▽日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるかを明らかにした「外交ビジョン」▽日本のエネルギー、電力料金、経済をどうするかまで明らかにした「即時原発ゼロ提言」▽外交交渉による解決の方策を示した尖閣問題での「提言」―です。

 岩瀬さんは「テレビだと反対しているだけで時間がなくなって、提言まで行き着かないことも多いかなと思いますが、実は全部ちゃんと出しているんですね」と語りました。

 志位氏が「閉塞(へいそく)感が広がるいま、『こうやれば打開できる』という展望を示すことが大事だと思います」と述べると、岩瀬さんは「疲れきって、政治に対して怒ることにも飽きちゃっている方が多いんじゃないかな」。

 志位氏は「そういう中で、国民のみなさんのたたかいも、こんなに高揚していることはないと思うんです」と応じ、原発の再稼働や米軍機オスプレイの配備、環太平洋連携協定(TPP)の推進に反対するたたかいの広がりをあげました。「閉塞状況の中で、みずから声をあげて打開しようという動きが広がっていると思います」

尖閣問題――「正攻法ですね」(司会者)

 「尖閣はどこの国の所属だと思いますか」。リスナーの質問を読み上げた岩瀬さんに、志位氏は「安心してください。日本の領土です。歴史的にも国際法上も日本の領有は正当だという見解です」と答えました。

 志位氏が日本の領有の正当性を詳しく明らかにし、「日本政府は中国政府に対して、このことを正面からいったことが一度もないんです」と指摘すると、「そうなんですか」と驚く岩瀬さん。

 志位氏は「領土問題は存在しない」という日本政府の対応について「一見『強い』ように見えるが、日本の領有の正当性を主張することも中国の非難に反論することもできず、自縄自縛に陥って日本の外交を弱くしています」と強調。「領土に関する紛争問題の存在を正面から認めて、冷静な外交交渉をおこない、日本の領有の正当性を理を尽くして説くことが、唯一の解決の道だと思います」と語りました。

 「ある意味、正攻法ですね」と述べた岩瀬さんに、志位氏は「『外交不在』から『外交攻勢』に転じようという提案なんです」と話しました。

 これを受けて角谷氏が「竹島の問題は、韓国に『(領土問題は)存在しない』といわれて、全くテーブルに着かせてもらっていない。だったらテーブルに着いたほうがいいだろうということなんですね」と発言。

 志位氏は「日本は、尖閣問題は『交渉しない』、竹島問題は『交渉してくれ』というダブルスタンダード(二重基準)なんです。どちらも外交交渉で解決するという立場に立つと、竹島問題にもプラスになるんです」と応じました。

 岩瀬さんは「日本政府がきちっと正当に外交交渉するという立場をとっていく。外交政策の転機になるかもしれないから、大事だということですね」と話しました。

復興予算――流用のしくみただせ

 東日本大震災の復興予算が被災地以外の大企業にばらまかれている問題で、志位氏は「被災地の中小企業が支援を求めてもなかなかおりない。本当に流用は許されないと思います」と語りました。

 岩瀬さんが「国民はみんな怒っていると思うんです。早くただして、一円たりともムダ遣いしてほしくない」と話したのに対し、志位氏は民自公3党の賛成で流用の道筋がつくられた経過を説明。「なんで自民、公明は(いまごろ)あんなに怒っているんですか」(角谷氏)、「自民、公明が『けしからん』とやると、民主党の閣僚に『一緒にやったんじゃないですか』といわれるんです」(志位氏)、「志位さんからご覧になると、ものすごく茶番ですね」(岩瀬さん)と話が弾みました。

 志位氏は「(流用のもとになった)復興基本方針から改めて、復興予算は全額、被災地の住宅、工場、商店、病院、漁港などの再建に使わなければいけません。『個人財産の形成になってはいけない』という口実で公的支援をしないという立場を転換し、生活再建、住宅再建への公的支援をおこなうべきです」と強調。岩瀬さんは「基本的な生活ができない方がまだいらっしゃるわけですものね」と語りました。

原発問題――「原発即ゼロ」は可能

 志位氏が党の「即時原発ゼロ提言」を紹介すると、岩瀬さんは「一応民主党も『2030年代には原発ゼロ』(エネルギー・環境「戦略」)といいつつも、再稼働したり、おかしいぞってことがあるわけです」と発言。角谷氏も「(「戦略」の)閣議決定もやめて、うやむやになっちゃった」と話しました。

 志位氏は「結局、(野田政権は)原発推進だという実態がはっきりしました」と批判し、原発を即時ゼロにしても電力は足りていること、再生可能エネルギーの潜在量は原発の発電量の40倍もあり、コストも下がってきていることを力説しました。

「国民の怒りの代弁者として」(司会者)

 最後に志位氏が臨時国会に向け、「日本の政治の行き詰まりの根っこにある『アメリカいいなり、財界中心』という『二つの病気』を根本からただす論戦をやりたいです」と意気込みを語ると、岩瀬さんは「国民の怒りの代弁者としてがんばっていただきたいと思います」と話しました。