2012年5月18日(金)

リニア新幹線計画に反対する

東海道新幹線の地震・津波対策、大震災の鉄道復旧こそ

志位委員長会見


 日本共産党の志位和夫委員長は17日、遊説先の山梨県南アルプス市で記者会見し、JR東海が東京―大阪間で開業を目指しているリニア新幹線について党の見解(全文)を発表、「建設に反対し、計画の撤回を求める」と述べました。

 会見のなかで志位氏は、建設反対の理由について、次の5点をあげました。

 ―「輸送需要」「時間短縮」などに国民的な要望も経済的社会的な要請もなく、建設には“大義”がない

 ―事業失敗の「穴埋め」で国民への多大な負担と犠牲の押し付けが起きる危険性がある

 ―リニア建設でなく、東海道新幹線の地震・津波対策や東日本大震災からの鉄道網の復旧を行うべきである

 ―リニアは使用電力が新幹線の3倍以上で、エネルギー浪費型の社会、交通体系を導入することには道理がない

 ―運転手が乗車せず遠隔操縦で運行するなど、安全確保への大きな不安を“置き去り”にする建設になっている

 以上を指摘した志位氏は「リニア建設はやめるべきで、東海道新幹線の防災、東日本大震災の鉄道復旧に力を注ぐことが最優先されるべきです」と語りました。そのうえで、「リニアに『まちづくり』の将来をかけていいのか考えるべき大きな問題です」と提起しました。

 志位氏が言及したのは、リニアを口実に大型開発を推進しようという動きが始まっているということです。また、「空港や高速道路などを契機に失敗した大型開発は山のようにあります」とも指摘し、中間駅の建設予定地は過疎や高齢化に悩む地域も多く、道路や鉄道整備が地元自治体の負担になれば、財政力の弱い自治体を圧迫すると述べました。

 志位氏は「まちづくりの将来をリニアにかけていいのか。現に山梨でいまがんばっている農業や地場産業、中小企業を支援し応援していくべきです。リニアに頼るのは自治体にとってきわめて危険な道となります」と重ねて強調しました。