2012年2月24日(金)

公務員賃下げ法案 「廃案へ力尽くす」

志位委員長が会見


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(写真)記者会見する志位和夫委員長=23日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は23日、国会内で会見し、国家公務員の給与を平均7・8%も大幅に引き下げる法案が衆院本会議で可決されたことについて、三つの問題点を指摘し、「どこからみても道理のない暴挙であり、強く抗議するとともに、廃案のために全力でたたかいぬく」と表明しました。

 第一は、国民全体の所得低下、内需の縮小、不況の悪循環を加速する引き金を引くという問題です。

 志位氏は、国家公務員の給与は、地方公務員や独立行政法人の職員など約600万人の給与に波及し、民間賃金にも影響を及ぼすものになっていると指摘。「公務と民間の賃下げ競争をもたらし、内需をさらに縮小させ、デフレの悪化を招く。経済を悪化させ、財政破たんもひどくする道だ」と述べました。

 さらに志位氏は、給与の引き下げが消費税増税の“地ならし”と位置づけられていることは非常に重大だと指摘。「労働者全体の賃下げを進めた上に、消費税大増税で実質所得を奪えば、暮らしも経済もめちゃくちゃにする」と批判しました。

 第二は、二重の意味で憲法に違反しているということです。

 志位氏は、国家公務員の労働基本権が憲法の定めに反して制約されていること、そのもとで代償措置としてつくられた人事院勧告制度さえ無視したものだと批判。「二重の意味で憲法に違反しており、労働者の人権が幾重にも蹂躙(じゅうりん)されることは、許しがたい。いま国会がなすべきは、全面的な労働基本権の回復にこそある」と主張しました。

 第三は、この法案が、民主、自民、公明の「密室談合」による「議員立法」として持ち出され、総務委員会でのまともな審議もなく強行されたという問題です。

 志位氏は、「政府提出の法律を、ともかくも労働者の意見も聞いた上で通したというものでもなく、3党だけで『議員立法』という形で突然国会に持ち込み、労働組合の代表の意見もまったく聞かず、まともな審議もなく強行した。内容だけでなく、形式のうえでも、絶対に許せない民主主義破壊の暴挙だ」と強く批判しました。

 「暮らしと経済を破壊し、憲法に背き、手続き上も民主主義を壊す――幾重にも道理のない暴挙だ。院外のたたかいとも連携して、参議院で廃案に追い込むために力をつくす」と表明しました。