2012年1月25日(水)

国民に説明の姿勢ない

施政方針演説 志位委員長が批判


 日本共産党の志位和夫委員長は24日、野田佳彦首相の施政方針演説について国会内で記者団の質問に次のように答えました。

 ―全体的な印象は。

 志位 消費税の大増税、TPP(環太平洋連携協定)、(沖縄・米軍普天間基地の)辺野古「移設」の三つの大問題で野田内閣は暴走しており、国民がたくさんの批判・怒り・疑問を寄せている。にもかかわらず、それらに対して真剣に応え、説明していこうという姿勢も中身も全くなかった。ただ「決断する政治」の一言で、すべてをごり押ししていく危険な姿勢を示しただけだった。

 ―自民党政権の福田首相や麻生首相の演説を引用するという異例の場面があったが。

 志位 演説の最初と最後が自民党の総理大臣の言葉の引用だったが、それを引き継いでいるのが民主党だから一緒にやろうということになると、「政権交代」の意味はいったいどこにあったのかということになる。首相が引用した福田さんにしても麻生さんにしても、そういう(自公)政治に国民がノーの審判を下したのが「政権交代」だったはずだ。それを引き継ぐんだということになると、「政権交代」に託した「自民党政治を変えてほしい」という国民の願いを根底から裏切ることになる。自民党政治を引き継ぐのは私たちだと自分で告白する演説を平気でするところまで、野田政権の政治的堕落はひどいということだ。

 ―一方で「身を切る改革」と称して議員定数削減の法案を通常国会に出したいということだが。

 志位 比例定数の削減には断固反対だ。この間、選挙制度にかかわる各党協議会で一番重要な到達点は、自民党を含めて民主党以外のすべての党が、小選挙区制は大政党有利に民意をゆがめるという認識で一致していることだ。民意を反映する比例を削れば、ますます小選挙区制の害悪が極端になる。政治の特権にメスを入れるというなら320億円の政党助成金にこそメスを入れるべきだということを強くいいたい。

 ―「税と社会保障の一体改革」協議について改めて呼びかけたが。

 志位 この問題での与野党協議というのは、結局は消費税の増税法案を野党を巻き込んで一緒になって“増税談合”でつくりましょうという話だ。そういう密室での“増税談合”は、それ自体やるべきではない。国会で徹底的に問題点を糾明していく。