2011年11月7日付「しんぶん赤旗」に掲載

宮城県議選 共産党の躍進を

志位委員長の訴え


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(写真)街頭演説する志位和夫委員長=6日、宮城県石巻市

 大震災から8カ月、被災者の苦しみに寄り添って生活と生業(なりわい)の再建に力を尽くす日本共産党を、宮城県議選(13日投票)で必ず躍進させてほしい―。志位和夫委員長は6日、各地で聴衆の輪に飛び込んで握手をして回り、現有2議席から5議席以上に増やして議案提案権を獲得できるよう支援を呼びかけました。

TPPと消費税の暴走ストップ

 志位氏がまず告発したのは、国民のくらしを踏みつぶす野田内閣の姿勢です。消費税では10%への増税法案の年度内提出を「国際公約」し、TPP(環太平洋連携協定)では“10日にも交渉参加を表明する”との意向を示すという暴走ぶり。

 志位氏は日本を丸ごとアメリカに売り渡すTPPの問題点を詳しく告発。代表質問(1日)でただしたところ野田首相は答弁できず、TPP推進の根拠が総崩れになったと語り、「TPPへの暴走ストップ、消費税増税への暴走ストップの願いを日本共産党に託してください」と訴えると、聴衆は盛んな拍手で応えました。

被災者の生活再建か大企業のもうけ優先か

 続いて志位氏は、復興をどう進めるかという県議選の最大の争点について語りました。被災者の生活と生業の再建を最優先に復興を進めるのか、被災者そっちのけで大企業のもうけ口を増やすことに熱中するのか、という二つの道の対決です。

 国会でも県議会でも被災者に寄り添って力を尽くしているのが、日本共産党です。

 国政では、「二重ローン」解消を繰り返し求めて重要課題に押し上げました。事業再開をめざす全事業者を対象とする枠組みづくりが始動しています。住宅再建への支援額・対象の拡大、店舗・工場・宅地復旧への直接支援の創設を強く求めています。志位氏は、これらの支援策を実現させようと訴えました。

 県政では、党県議団が躍進して議案提案権をえれば、「一部損壊・宅地被害への支援条例」案を提出できると述べ、「ぜひ実らせましょう」と呼びかけました。

「水産特区」、復興事業の大企業への“丸投げ”は許せない

 他方、復興に逆行する二つの大問題があらわになっているのが、村井嘉浩知事と「オール与党」(民主・自民・公明)の政治です。

 大問題の一つは、漁協を押しのけて大企業が自由勝手に沿岸漁業に参入できるようにする「水産特区」の押しつけです。日本経団連の発案に村井知事がとびついたものです。水産関係者がこぞって反対しているのに、「オール与党」は水産特区の「創設検討」を盛り込んだ県の復興計画に賛成。民主・自民・公明議員は県漁協の「撤回を求める請願」に反対して不採択にしました。

 志位氏は、政治がやるべきことは漁船・養殖施設の回復や生産・加工・流通一体での水産業再建であり、「やるべきことをやらず、大企業に浜を売り渡すことは断じて許せません」と述べました。

 もう一つは復興事業を県外の大企業に“丸投げ”していることです。

 福島県も岩手県も仮設住宅を可能な限り地元企業に発注。地元に仕事と雇用を確保し、地元産材を活用しています。ところが宮城県は2万戸を超す仮設住宅の98%を大企業(プレハブ協会)に一括発注。地元に仕事が回らないばかりか、冬の寒さ対策の欠落が大問題になっています。

 厚労省の調査では宮城県だけが窓の二重ガラス化も断熱材の追加もゼロ%。地元紙に「被災地が寒冷地であることを忘れ、地元の技術を軽視した」(河北新報、10月23日付)ときびしく批判されています。

 石巻地区のがれき処理事業(2千億円)も大手ゼネコン鹿島建設に“丸投げ”しています。

 「『大企業優遇病』極まれり」だと批判した志位氏。大企業への丸投げに反対したのは日本共産党だけだと語り、「選挙後の県議会に提案される復興住宅1万2千戸(2千億円)の事業まで、大企業の食い物にするわけにはいきません。日本共産党を伸ばし、地元発注を実現しましょう」と呼びかけると、「いいぞ!」の声と大きな拍手が起こりました。

女川原発の再稼働阻止、「原発ゼロの日本」へ

 志位氏はもう一つの大問題に原発対応をあげ、福島原発事故で広がった放射能汚染を国の責任で徹底して除染させ、子どもたちの命を守ろうと語りました。

 さらに、女川原発をどうするかが大問題だと提起しました。同原発は大震災で外部電源5系統のうち4系統を失うなど大事故まで「紙一重」でした。ところが「オール与党」は再稼働中止を求める意見書に反対しました。

 志位氏は「地震による損傷も隠したまま、再稼働など絶対に認められません。日本共産党を伸ばして再稼働をストップさせ、女川原発は廃炉にする。そして『原発ゼロの日本』を実現しましょう」と力をこめました。

復興財源でいちばん責任ある方針示す党

 最後に志位氏は、復興財源をめぐる対決を語りました。政府・与党は庶民増税中心に15年で11・2兆円の増税を押しつける一方、12兆円もの法人税減税を行う方針。復興財源は1円も出ません。

 志位氏は、(1)震災からの復興財源は、米軍への「思いやり予算」や政党助成金などのムダ削減と大企業・大資産家減税の中止で確保し、(2)原発災害対策の財源は電力会社の「原発埋蔵金」と原発メーカーや大銀行など「原発利益共同体」の拠出で生み出す―という日本共産党の提案を紹介。「財源でも一番責任ある方針を打ち出している党です。どうぞ安心して伸ばしてください」と訴えると、「よし!」の声と大きな拍手に包まれました。