2010年8月8日(日)「しんぶん赤旗」

原水爆禁止2010年世界大会への連帯あいさつ

世界諸国民の世論と運動こそ
「核兵器のない世界」への最大の推進力

日本共産党幹部会委員長 志位 和夫


 日本共産党の志位和夫委員長は6日、広島市で開かれた原水爆禁止2010年世界大会・広島の閉会総会で連帯あいさつしました。その内容を紹介します。


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(写真)あいさつする志位和夫委員長=6日、広島市

 原水爆禁止2010年世界大会に内外から参加された友人のみなさん、こんにちは。今年の世界大会は、国際政治において、「核兵器のない世界」をめざす新たなうねりが広がるもとで開催されています。私は、世界大会に参加された内外のすべてのみなさんに、心からの敬意をこめて、熱い連帯のあいさつを送ります。

草の根の反核運動が国際政治を動かしている

 私は、今年5月に開催された核不拡散条約(NPT)再検討会議に出席し、被爆国の政党として会議成功のための働きかけをおこないましたが、ニューヨークの活動で私たちが実感したのは、世界諸国民の世論と運動こそが、「核兵器のない世界」への流れを前にすすめる最大の推進力だということです。

 日本から多くの被爆者の方々が、高齢をおし、病をおして、ニューヨークにまで足を運び、「核兵器のない世界を」と訴えられていた姿は、ここにこそ世界の反核運動の原点があると深く心を揺さぶられるものでした。

 私は、日本原水協代表団のみなさんとともに、ニューヨーク・マンハッタンでの反核大パレードに参加し、NGO主催の国際平和集会に参加し、リバーサイド教会での公開シンポジウムでは、日本の仲間たちを前にあいさつする機会があたえられましたが、日本と世界の草の根の反核運動が国際政治を動かしていることを、自らの肌身を通じて実感できたことは、私の大きな喜びでした。

核廃絶のための国際交渉開始――具体化と実行を求める

 NPT再検討会議が全会一致で採択した最終文書は、2000年の核兵器完全廃絶への「核保有国の明確な約束」を再確認するとともに、「すべての国が、核兵器のない世界を達成し維持するために必要な枠組みを確立するための特別な取り組みをおこなう必要について確認する」と明記しています。これらの確認は、「核兵器のない世界」にむけての重要な一歩前進だと考えるものです。

 最終文書で、国際社会が、「核兵器のない世界」の達成のために、「必要な枠組みを確立する」ための「特別な取り組み」をおこなうことを確認した以上、今後は、その具体化と実行が迫られます。

 私たちは、日本と世界の反核平和運動と共同し、「核兵器のない世界」にむけ、核兵器廃絶のための国際交渉をすみやかに開始することを、ひきつづき強く求めて奮闘する決意です。

各国政府、自治体、NGOの共同が新たな段階に発展

 私は、NPT再検討会議に出席し、また本日、原水爆禁止世界大会に参加するなかで、国連・各国政府、自治体、世界の反核NGO、市民の共同が、新たな段階に発展しつつあることを実感し、ここにこのとりくみの大きな未来をみる思いです。

 国連・潘基文(パン・ギムン)事務総長が、日本原水協に、原水爆禁止2010年世界大会の成功を願うメッセージを寄せ、「核廃絶の努力への称賛」を送ったことは、私たちにとってもうれしく、誇らしいことです。草の根から反核平和を求めるみなさんの運動は、国際政治の場で、「核兵器のない世界」を真剣に追求している人々にとって、もっとも力強い激励となっているのです。

 このことに深い確信をもち、ともに手を携え、「核兵器のない世界」をこの目でみるために、たたかいを前進させようではありませんか。