2010年6月8日(火)「しんぶん赤旗」

“基地県内”反対の総意示そう

イジュ氏勝利へ総決起大会

志位委員長が訴え

沖縄参院選挙区


 「米軍普天間基地の無条件撤去、県内移設反対」を貫く候補を参院沖縄選挙区(定数1)から国会に送り出そうと7日、日本共産党の志位和夫委員長を迎えて沖縄・那覇市内で総決起大会が開かれました。


糸数参院議員あいさつ

3市長がメッセージ

写真

(写真)志位和夫委員長を迎えて開かれたイジュ必勝総決起大会=7日、那覇市

 県民共同予定候補のイジュ唯行氏(58)=医師、沖縄医療生協前理事長=を推す「基地のない平和で豊かな沖縄をめざす県民の会」の主催。

 会場入り口で、かりゆし姿のイジュさんが、参加者一人ひとりを握手で迎えた決起大会では、沖縄社会大衆党副委員長の糸数慶子参院議員が「イジュ先生が勇気をもって決断していただいたことに心から敬意を表し、みなさまと勝利をめざしてたたかっていきたい」とあいさつ。1、2階席とも埋まり、立ったままの聴衆も目立つ会場の那覇市民会館大ホールは、立場の違いを超えた広範な県民の熱気に包まれました。

 稲嶺進・名護、伊波洋一・宜野湾、東門美津子・沖縄3市長から応援・連帯メッセージが寄せられました。

 大きな拍手に迎えられたイジュ氏は「今度の参院選は、誰が見ても、沖縄に基地はいらないのだと明確に示す候補者が勝利しなければなりません。私の勝利こそ、沖縄県民の選択を明確に示し、日米両政府に目にものをみせることになるのです」と必勝の決意を語りました。

 志位氏は鳩山首相の退陣にふれて、名護市辺野古に新基地を押し付ける日米合意を結んだことを沖縄県民は絶対に認めない、と強調。「本土と沖縄と連帯して、日米合意を白紙撤回させよう」と力強く呼びかけました。

 普天間基地問題をどうすれば解決できるのか―志位氏は「『県民の会』とイジュ氏が示す『三つの政治的立場』にこそ展望が示されています」と述べました。

 第一は、普天間基地無条件撤去、「県内移設反対」を貫くという立場です。

 志位氏は、普天間問題で移設条件付き撤去では14年間動かなかったとして、「無条件撤去にこそ解決の道があります」と強調。「日本のどこにも『地元合意』を得られる場所はなく、このやり方の破たんした結果が、最悪の日米合意になりました」と指摘し、こう力を込めました。

 「もともと占領時に無法に強奪してその上に造った基地です。返してほしいというのに、こちらから『移設先』を探すいわれはありません。無条件で米国に持って帰ってもらう、どこに置くかは米国に決めてもらう、撤去のお金も米国に払ってもらう。無条件撤去こそが唯一の解決の道です」

 第二は、「県内移設」の立場に立つ政権・政党にくみしないという立場です。

 志位氏は、現政権は現実に「県内移設」を押し付けようとし、野党のなかにも、もともとは「県内移設」を進めた政党がある、と指摘。「そういう政権や政党には、どんな形であれ、くみしないという立場を貫いてこそ、『県内移設反対』という県民の総意を実現する先頭にたって頑張れます」と述べました。

 第三は、将来的には安保条約をなくし、基地のない平和で豊かな沖縄を真剣にめざすという立場です。

 志位氏は、「県内移設」を押し付ける勢力は「海兵隊は抑止力」「日米安保は重要」の一点ばりだとして、「このごまかしをはね返すことが大切です」と強調しました。

 海兵隊はイラクやアフガニスタンに展開し、普天間基地の海兵隊は1年の半分は中東に出撃していることにふれて、「これが日本を守る『抑止力』か、戦争のための『侵略力』ではありませんか」と告発。

 「ごまかしの議論を打ち破るためにも、将来的には安保条約をなくす、『基地のない沖縄』となることが日本と沖縄の当たり前の進路だという立場に堂々と立つことが大切です」と力説しました。

 志位氏は、琉球新報と毎日新聞が5月31日に発表した県民世論調査で、「辺野古」反対が84%で、その理由として「無条件の基地撤去」が38%、「国外に移すべき」が36・4%にのぼったことなどにふれて、県民世論は「三つの政治的立場」こそ、多数派だということをはっきり示している、と指摘しました。これまでの政治的立場、政党支持の違いを超えて、「三つの政治的立場」に立つイジュ氏への支持を広げに広げ、必ず勝利を勝ち取ろう、と呼びかけると会場は大きな拍手で応えました。

 また「基地のない沖縄」をめざす沖縄県民の声を米国政府に伝えるなどした訪米活動の成果を詳しく報告しました。

 参院選について、「歴史的なたたかいです」と述べた志位氏は、本土復帰運動で「即時無条件全面返還」を掲げた革新共闘統一候補が主席になり、当時の米国務省日本担当者は「返還問題で引き返し不能の地点(ポイント・オブ・ノー・リターン)にまできてしまった」との報告書を書いたことを紹介。「『無条件撤去』を掲げるイジュさんを勝利させるならば、再び米国に『ポイント・オブ・ノー・リターン』といわしめる状況になるのは間違いありません。何としても勝利をおさめよう」と呼びかけました。

 イジュ氏について「沖縄の戦後の苦難のなかに成長され、平和と命、暮らしを守るために献身してきた素晴らしい人です。医師としても信頼と尊敬を集めてこられた」と推薦の言葉を述べました。そして、「日本共産党も『県民の会』の一員として勝利のために最後まで、ありとあらゆる奮闘をすることをお約束したい」と表明し、大きな拍手に包まれました。

 イジュ氏が心血を注いできた医療・保育の現場から、上原昌義医師と川上忠正・県保育推進協議会副会長が決意表明。日本共産党の仁比そうへい参院議員も紹介されました。