2010年5月9日(日)「しんぶん赤旗」

21世紀の日米関係のあるべき未来

全米法律家協会の集い

ワシントン 志位委員長が講演


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(写真)講演する志位和夫委員長=7日、ワシントン(林行博撮影)

 【ワシントン=西村央】訪米中の志位和夫委員長は7日夕、「21世紀の日米関係のあるべき未来」と題してワシントン市内で講演しました。巨大な米軍駐留の矛盾が集中している沖縄の現状に触れながら、その根源にある日米安保条約の存続の是非を問う時代になっていると指摘。日米間の真の友情は対等・平等の関係のもとでのみ可能になる、と述べました。

 「全米法律家協会」の弁護士などを中心に準備されたこの講演会で、志位氏は「この(安保)条約が無期限の未来まで続くと考えることはできない」とのジョージ・パッカード米日財団理事長の先月の米議会公聴会での証言を紹介。パッカード氏がその理由として、カリフォルニア州より小さな日本に85カ所の米軍基地を置き、その75%が沖縄に集中し、環境破壊や騒音、米兵による犯罪、事故をもたらしていることなどを指摘し、「日本の新しい世代が外国軍の基地を我慢しなければならないのか疑問を深めるのは当然」と述べていることを挙げました。

 志位氏は、「日米関係が、戦後65年たって、『平等なパートナー』とはほど遠い現状に置かれているという事実を直視することから、未来を考えなければならない」と指摘しました。

 志位氏は「日米関係の矛盾の集中点」となっている沖縄の現状を、宜野湾市の作成した普天間基地の現状を明らかにした資料を示しながら、「米国の法律では許されない危険な基地が、日本ならば許されるという道理がどこにあるだろうか」と指摘。自らも参加し9万人が集まった沖縄の県民大会の様子を紹介するとともに、この怒りの根源にあるのは、戦後65年間の基地の重圧、悲劇の累積だと述べ、いま日米関係を揺るがす問題になっている普天間基地の問題の「唯一の解決法は『移設条件なしの無条件の撤去』に踏み切るしかない」と訴えました。

 そして、1969年の日米両政府による沖縄の施政権返還での合意は、本土復帰を求める沖縄のたたかいと、それに連帯する本土のたたかいの高揚に直面した日米両国政府による、サンフランシスコ条約第3条の壁を越える政治判断だったことを指摘。「いま日米関係は、同じような歴史的決断が求められる歴史的岐路に立っている」との認識を明らかにしました。

 志位氏は「イギリスの植民地支配からの解放を求め、革命によって独立を勝ち取った合衆国建国の精神は、いま、米国からの真の独立を実現し、対等・平等・友好の日本をめざす日本共産党の立場と、深く響きあうものがあるというのが、私たちの確信」だと表明。「こうした方向にこそ、21世紀の日米関係のあるべき未来があると私たちは信じている」と結びました。