2010年3月22日付「しんぶん赤旗」に掲載

国民との共同で政治を前に

福井 志位委員長訴えに大きな共感


 「業界は不況の真っただ中。子ども2人で生活は大変。政権交代に期待もあったけど政治が変わるにはほど遠い。共産党の話も聞いてみたい」と足を運んだ福井市の建設業の男性(36)。敦賀市の男性(22)も、「政権交代して期待したけど、消費税引き上げの議論を聞き、ガッカリした」と初めて参加しました。

 屋内では福井県で初めてとなる、日本共産党の志位和夫委員長を迎えた21日の福井市での演説会。まだ底冷えがするなか、開会1時間前から次つぎと席が埋まりました。JA福井県中央会の山田俊臣会長から初めてメッセージが届きました。

 志位氏は参院選について、退場の審判が下った自公政権に代わる政治の中身をどうするかが本格的に問われると強調。国民の期待を次つぎと裏切る民主、政治を後ろにひっぱるだけの自民と対比し、国民との共同で政治を前に動かす日本共産党の役割を説き明かしました。

 「異常な財界中心」をただして「ルールある経済社会」を築く課題。大企業の内部留保の国民への還元、労働者派遣法改定案の「二つの大穴」の抜本修正について「国民のたたかいをおこして、ぜひ実らせましょう」と呼びかけると、聴衆は大きな拍手で応えました。

 会場が熱気に包まれたのが、社会保障と税金の改革、「医療崩壊」を立て直すための緊急提案を紹介した場面です。鳩山政権が後期高齢者医療制度の廃止を先送りした上に「新しい制度」の名で「うばすて山」拡大を狙っていると告発すると会場は大きくどよめき、「共産党を伸ばしてきれいさっぱり撤廃しよう」との訴えに「そうだ」の声と割れるような拍手が起こりました。

 高すぎる窓口負担や国保料(税)の引き下げ、下がり続けた診療報酬の抜本的な増額も提案。「鳩山政権は公約を実行せよという大運動を起こそう」と呼びかけ、あたたかい拍手に包まれました。

 核密約、沖縄・米軍普天間基地問題など、「異常なアメリカいいなり」をただす重要性も力説した志位氏。

 最後に、いま保守的な層の中でも日本共産党への新たな期待が広がっているとし、千葉県医師連盟との懇談である医師が「患者のためという点で共産党とはまったく一緒で、一から十まで納得できます」と語ったことを紹介すると、会場はどっとわき、歓声に包まれました。

 さわやかな笑顔で登場した、かわえ明美比例候補は、東海北陸9県どこでも党への期待が寄せられていると述べ、「必ず国会に駆け上がり、参議院本会議で労働者派遣法の抜本改正を声を大にして訴えたい」と表明しました。山田かずお参院選挙区候補は、「人を人として大切にする政治に変えたい」と述べました。

 「前回は民主党に投票した」という女性(33)は、両親に誘われ初めて共産党の演説会に参加。「沖縄の普天間基地を、『国外・県外移設』だと調子のいいことを言ってたのに、結局は圧力に負けて県内に落ち着きそうでガッカリしました。沖縄の人は詐欺にあった気分だと思います。志位さんが言う、無条件撤去は当然だと思います。思いやり予算や軍事費を社会保障にまわせるという訴えにも納得しました。今度は共産党に入れます」と語りました。