2010年2月23日(火)「しんぶん赤旗」

志位委員長、EU大使会議で講演


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(写真)EU大使会議で講演する志位和夫委員長=22日、都内

 日本共産党の志位和夫委員長は22日、都内で開かれた欧州連合(EU、加盟27カ国)各国の駐日大使が集まるEU大使会議に「ゲストスピーカー」として招待され、「日本の新しい情勢と日本共産党」というテーマで講演し、参加した各国の大使と意見交換しました。

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 「草の根に強い組織を持ち、日本の現実政治に影響力を持つ政党のリーダー」と紹介された志位委員長は、1月の党大会が明らかにした「過渡的な情勢」について説明した後、「ルールなき資本主義」と「異常な対米従属」という、他の発達した資本主義国に例のない日本政治の異常なゆがみを欧州との対比で明らかにし、このゆがみを改革する党の政策について述べました。

 志位氏はまず、世界経済危機の影響が最悪の形で表れている日本の現状と、その背景にある経済危機に先立つ10年間の日本経済の実態を、国会質問で使った図表も示しながら説明。大企業の横暴な利潤追求が野放しにされている「ルールなき資本主義」が、いかに家計・内需をやせ細らせ、成長力のない、外的ショックにきわめて脆弱(ぜいじゃく)な日本経済にしてしまったかを指摘。日本経済の健全な発展のためには、大企業がため込んだ内部留保と利益を国民に還元する、そのための社会的ルールをつくることが必要であり、「ルールある経済社会」という点で「欧州の到達点」を参考にしていると述べました。

 志位氏は次いで、世界にいくつか残っている軍事同盟の中でも日米軍事同盟には他に類のない異常な対米従属性があると述べ、海兵遠征軍や空母打撃群など海外遠征専門の米軍部隊を常駐させている唯一の国であること、沖縄では、占領した米軍が住民を強制収容所に入れ、その居住地のうえに勝手に、国際法を踏みにじって基地を建設したという歴史的事実を指摘しました。

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 志位氏はこの後、民主党中心の連立政権に対する日本共産党の立場、米国の「核の傘」がなくなった場合の安全保障、日本と中国との関係など会場からの質問に、一つ一つ丁寧に答えました。

 志位氏は最後に、日本のマスコミが掲載した「日本列島が世界地図から消えてしまった。欧州のレーダーには日本が映っていない。中国やインド、ブラジルの姿は見えているのに」との欧州ビジネス協会会長の発言を引き、「日本が“欧州のレーダー”に再び登場するように、日本経済の健全な発展のために努力したい」と発言。司会者は、「欧州にこれほど関心をもっていただいている日本の政治家は初めて」と志位氏の出席に感謝しました。

 これには、日本共産党から緒方靖夫副委員長・国際委員会責任者と森原公敏国際委員会事務局長が同行しました。