2009年8月20日付「しんぶん赤旗」

コメも9条も“共産党こそ守り手”

志位委員長訴えに聴衆

仙台・福島・横浜


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(写真)志位和夫委員長を迎えて開かれた街頭演説。聴衆がかかげた「米つくって飯食えねぇ」のむしろ旗=19日、福島駅前

 「歴史を切り開くたたかいです。平和を守ろうという願い、暮らしの安心と希望をとの願いはどうかこぞって日本共産党に託してください」―日本共産党の志位和夫委員長は19日、仙台・福島の両市で高橋ちづ子東北比例候補らと、横浜市で、はたの君枝南関東比例候補らと総選挙での日本共産党への支持をこん身の力を込めて呼びかけました。

 この日は、仙台・福島で、民主党の鳩山由紀夫代表と前後して演説するなど選挙戦は激しさを増しています。

 仙台駅前では、歩行者デッキの上に聴衆が鈴なりに広がり、中には、初めての投票のために期日前投票に向かう途中だった学生が志位氏の話に聞き入る姿もありました。

 志位氏は、自公政権を終わらせる審判を全力で呼びかけるとともに自公政権後の日本の進路として「ルールある経済社会」と「9条をいかした平和外交」を力説。新政権のもとで「建設的野党」が果たす役割を訴えました。

 この中で農業、とりわけコメに大打撃を与える日米FTA(自由貿易協定)の交渉促進の立場を変えようとしない民主党を批判。欧米諸国でも主食には高い関税をかけているのに「日本の主食のおコメまでもアメリカに差し出そうなどということは絶対にやってはならない」と訴えました。

 「食い止められるのはどの政党でしょう」。こう問いかけた志位氏は、自民党も牛肉・オレンジ、ミニマムアクセス米の輸入などで自給率を4割にまで落ち込ませてきたと告発。「日本農業再生の大黒柱になれるのは日本共産党だけです」と力を込めると、拍手とともに歓声があがりました。

 足をとめた別の男子大学生(21)も、「コメは共産党にしか守れないというのはそうですね。9条もそう。共産党が建設的野党の立場に立つのはいいことですね」と話しました。

 福島駅東口前通りでは、志位氏の演説の直前に鳩山氏が演説し、肝心のFTAにはふれないまま「第1次産業を絶対守る」などと発言しました。

 直後に始まった日本共産党の街頭演説には、「米つくって飯食えねぇ」「日米FTA反対」と大きく書かれた勢いのあるむしろ旗が登場。歩道にあふれんばかりの聴衆が志位氏の演説の節々で「そうだー!」という大声援をあげました。

 高橋候補は、どの党も見直しを主張する派遣労働の自由化や後期高齢者医療制度、児童扶養手当削減の問題点を当初から見抜き、国会でも反対してきた日本共産党の役割をのべ、「新しい国会でこの続きを行う推進力の一員として働かせてください」と訴えました。

 福島市の戸井田〓(のぼる=白に登)さん(62)は、「民主党は農業を守るといいながら、なんで自由化を進めるのか。高橋さんの訴えも吸い込まれるように聞いた」と共感を示しました。

 横浜駅西口前をぎっしりと埋めた聴衆の輪が歩道橋の階段にまで広がり、熱い拍手が繰り返しわき起こりました。日本共産党公認の岡田政彦横浜市長候補が決意を表明。はたの候補は、選挙中にも横須賀に米軍の新たな原子力空母が入港しようとしていると指摘。「複数の原子力空母が日常的に入港することになれば、危険はさらに高まる。許すわけにはいかない」と、「平和の党」の躍進を訴えました。

 川崎市からきた田中国雄さん(64)は「子どもと75歳以上の医療費無料化をいっているのは共産党だけ。政治の上で命よりも優先するものはない。頑張ってほしい」と話しました。