2009年4月9日付「しんぶん赤旗」

“大企業にモノいえる 党に期待”

茨城・水戸 志位委員長演説で参加者


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(写真)志位和夫委員長を迎えて開かれた日本共産党演説会=8日、水戸市

 日本共産党の志位和夫委員長は八日、茨城県水戸市の市民会館で演説を行いました。桜が咲きほこる中、県内各地から参加者を乗せてきた貸し切りバスは二十台。入学式を終えてから来た大学生や、老人会長、近隣自治体の保守系議員、漁協の組合長など幅広い参加者で、会場はホールから第二会場、第三会場までぎっしりと埋め尽くされ、熱気に包まれました。

 冒頭から割れるような拍手に迎えられた志位氏は、まず、北朝鮮ロケット問題での党の立場を表明。その上で日本共産党を伸ばしてこそ新しい日本への道が開かれることを「政治とカネ」「くらし」「外交」などの問題で縦横に語りました。ユーモアを交えた話に笑い声がたえません。

 志位氏が、トヨタ車体で「派遣切り」にあった労働者の悲痛な訴えを紹介すると会場は一転して息をのみ、どよめきます。「人間らしい労働のルールをつくろう」と呼びかけると、会場では「そうだ。働くことは人間の権利だ」と思わず口に出す男性も。水戸市に住む七十一歳の男性は、「自民も民主もどっちもどっち。大企業とわたりあっている共産党は貴重な存在だ」と期待を寄せました。

 また、志位氏が、「社会保障の支えを一番必要とする人を排除したら、社会保障といえない」と自公政権の社会保障切り捨てを告発すると、「ほんとだな」の声が。社会保障拡充への転換を訴えると「そうだ」の声や拍手がわき起こりました。

 また、志位氏は、とりわけ地方では、農業の衰退が地域経済の衰退をもたらし、六十五歳以上の割合が50%以上で冠婚葬祭や地域の共同作業などが維持できなくなっている「限界集落」が集落人口の15%に達していると告発。農産物の価格保障などで、農業生産を拡大すれば、それ自体の三倍もの経済的波及効果を地域経済にもたらせることを力説しました。

 演説に先立ち、取手革新懇代表の寳利内(さこがわ・りだい)さん(元東邦生命保険社長)が、「こんな政治ではだめだと思ったときに、革新懇があった。日本共産党にもさらに頑張ってほしい」とあいさつ。霞ケ浦導水事業によって引き起こされる環境問題に取り組んできた浜田篤信・元茨城県内水面試験場長は、この問題での日本共産党の尽力に感謝していると述べ、「みなさんのますますのご活躍を」と期待を寄せました。

 衆院比例北関東ブロックから立候補する塩川てつや衆院議員、あやべ澄子候補、田谷たけお候補(茨城1区と重複)が決意を表明。塩川氏は「北関東のいまの一議席を必ず増やして政治を変える力を発揮したい」と訴え、割れるような拍手に包まれました。

 自宅のポストに入っていた案内ビラをみて初めて日本共産党の演説会に来たという水戸市の男子学生(21)は「前から共産党のポスターを見て気になっていた」といいます。「演説では特に雇用のところがよかった。いま自分も就職活動中でかなり厳しい。大企業には内部留保があるのに首切りとかはありえない。何とか変えてほしい」と話しました。