2009年3月15日(日)「しんぶん赤旗」

総選挙勝利へ全国遊説

志位委員長 宮城・多賀城市で演説

高橋議員訴え


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(写真)志位和夫委員長の話に聞き入る会場いっぱいの参加者=14日、宮城県多賀城市

 「日本共産党を伸ばしてこそ、国民が希望のもてる新しい日本への道が開かれます」。政局の流動化で早ければ四月、五月にも解散・総選挙がおこなわれる可能性があるなか、日本共産党の志位和夫委員長は十四日、昨年春、秋につぐ総選挙に向けた全国遊説“第三波”のスタートを、宮城県多賀城市で切りました。

 演説会場となった市文化センターには、「政治が混迷するなか、志位さんの話をどうしても聞きたかった」「自民も民主も同じ。共産党はどういう政党かを知りたくて初めて参加した」などの思いを胸に、医療関係者、元町内会長、スポーツ団体会長ら多彩な顔ぶれが来場。第二会場までいっぱいになりました。

 志位氏は、「『自民か民主か』という狭い枠組みの中でどちらが政権をとっても政治は変わらない」と力説。「政治とカネ」「くらし」「外交」という三つの問題で、自民・民主両党と日本共産党の立場との決定的な違いを縦横に語り、総選挙で日本共産党を伸ばし、「『国民が主人公』の民主的政権への第一歩を」と訴えると、会場いっぱいの拍手が応えました。

 高橋ちづ子衆院議員・比例東北ブロック候補は、雇用や福祉を守るために与野党間でのより良い法案づくりに尽力していることを報告。「この国会の議席を必ず守り抜く」と決意を表明しました。


日本共産党の勝利で希望ある新しい日本への道開こう

 日本共産党の志位和夫委員長が十四日、宮城県多賀城市で行った演説。同県では仙台市以外ではじめての志位氏の演説に、熱心にメモをとる人、第二会場のモニターに盛んに拍手を送る人の姿も多く見られました。

 志位氏は、第一に、「政治とカネ」の問題で、西松建設にかかわる疑惑で、民主党の小沢一郎代表と自民党の二階俊博経済産業相は、「構図も言い訳も同じだ」と強調。自民・民主両党に自浄努力を求めるとともに「腐敗の根源は企業・団体献金。企業献金も政党助成金も受け取らない日本共産党を伸ばして日本の政治の大掃除を」と正面から訴えました。

 第二に、くらしの問題では、まず、「派遣切り」などの雇用破壊を止めさせ、人間らしい労働のルールをつくるたたかいの意義を力説。大企業の横暴に泣き寝入りせず若い人が続々といま立ち上がっていることを紹介すると、割れるような拍手が起こりました。この問題での政党の役割について、「雇用破壊を止めよと、財界・大企業にモノを言える党か、モノを言われる党かで日本の政党はふたつに分かれる」と述べ、日本共産党は「派遣切り」をやめよと日本経団連と会談するなど、「本来政府がやるべきことをやっている」と話すと会場は沸き返りました。

 また、社会保障の切り捨てから拡充への転換を、憲法二五条の「生存権」の保障という立場から提起。「一番弱い立場の人を排除したら社会保障とはいえない」とのべ、社会保障の原則を「応益負担」から「応能負担」に転換すべきだと力を込めると、「そうだ」の声と拍手がこれに応えました。

 志位氏は、くらしの問題での政党の真価は「財源問題で問われる」として、結局は消費税頼みの自民、民主両党を批判。五兆円の軍事費の削減や、「思いやり予算」と政党助成金の撤廃にふれつつ、大企業に相応の負担をという主張は「企業献金を受け取らない党でしか言えない」と強調しました。

 さらに志位氏は、東北地方でとりわけ深刻な地域経済の衰退の根源に、農業の衰退があると指摘。「農業生産の拡大は、食品、サービス業、製造業などを活発にし、三倍もの規模で地域経済を元気にさせる」と述べ、農産物の価格保障や所得補償の重要性を訴えました。

 ここでの政党の真価は、歯止めない輸入自由化にストップをかけるかどうかではかられることを明らかにし、自由化促進の自民・民主両党と、それをただす日本共産党との違いを鮮明にしました。

 志位氏は、第三に、外交問題を取り上げ、覇権主義が過去のものとなりつつあり、「世界のすべての国が国際政治の主人公」となる時代が始まりつつあるのに、自民党も民主党も「日米同盟」を絶対化していることを指摘。アメリカいいなりから脱却し、日米安保条約に代えて、日米友好条約を結ぶ展望を大いに語りました。

 最後に志位氏は、日本共産党が内外のメディアから注目されていることにふれました。韓国・ハンギョレ紙が「社会的弱者のための安全網の役割を果たしている」と評した日本共産党の草の根での活動とともに、日本共産党という党名に込められた未来社会への展望を語り、「今度の総選挙でこの党を大いに伸ばしていただきたい」と訴えると、参加者は大きな拍手と歓声で応えました。

 共産党の演説会は初めてという仙台市の専門学校に通う二十三歳の女性は、「ルールなき資本主義をルールあるものにするという話が印象に残りました。政治も経済もアメリカや大企業いいなりでなく、自分の頭で考える日本にしていきたいと思います」と話しました。医療事務の仕事をしている女性(25)は、「日本の政治をどうすればよくできるかわかりやすく説明してくれて、テレビやニュースで報じられた事件が奥深く理解できました」と語りました。