2008年11月14日(金)「しんぶん赤旗」

11・13総決起集会での

志位委員長のあいさつ


 十三日、「なくせ貧困!守れ雇用!生活危機突破!11・13中央行動」総決起集会(東京・日比谷野外音楽堂)で、日本共産党の志位和夫委員長がおこなった連帯あいさつは次のとおりです。


暮らしを守るたたかいと、歴史的政治戦で勝利をめざすたたかいを一体に

写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=13日、東京・日比谷野外音楽堂

 全国各地から集会に集まられたみなさん、こんにちは(「こんにちは」の声)。私は、日本共産党を代表して熱い連帯のあいさつをおくるものです。(拍手)

 麻生首相は、国民の批判に追いつめられて、解散をずるずると決断できないできました。しかし解散を先に延ばせば延ばすほど“じり貧”になってきます。二兆円の給付金のばらまきの迷走――ばらまき先も決められないで右往左往したという事態が示すように、はやくも政権末期の状態に陥っています。ですから、これから先も、政局は、解散・総選挙ぶくみで展開すると思います。

 こうしたもとで私たちは、みなさんとともに、「なくせ貧困!生活危機を突破しよう!」を掲げ、暮らしを守るたたかいを全国津々浦々で発展させるとともに、「総選挙で国民本位の政治を実現しよう!」を掲げ、論戦とたたかいで自公政権を追いつめて解散を迫り、歴史的政治戦で勝利をかちとるために全力をあげて奮闘する決意をまず申し上げるものです。(拍手)

「ばくち経済」の失敗のツケを国民にまわすな

 この間、アメリカ発の金融危機が世界を覆い、景気悪化がいよいよひどくなっています。アメリカで何が起こったか。一言でいえば、「ばくち経済」――「カジノ資本主義」が破たんしたということであります。極端な金融自由化・規制緩和をすすめ、サブプライムローンのような詐欺・ペテンを横行させたあげく、それが大破たんに陥りました。

 問題は、こういうもとで政治がどういう責任を果たすべきかにあります。私が訴えたいのは、「ばくちの失敗のツケを国民にまわすな」(「そうだ」の声、拍手)、このことを訴えたいのであります。(拍手)

 一つは、大失業の危険から雇用を守ることです。トヨタ自動車とそのグループ企業では七千八百人におよぶ期間社員、派遣社員の「首切り」をすすめています。日産、マツダ、スズキなどが、あいついで「首切り」計画を発表しています。しかし「首切り」の引き金を引いたトヨタは、大幅減益といっても、なお年間六千億円もの利益を見込んでいるではありませんか。まだまだもうかっており、体力も十分にある巨大企業が、大失業の引き金を引くなどということは、絶対に許せない話ではありませんか(「そうだ」の声、拍手)。私は、大企業による無法な「首切り」「雇い止め」から雇用を守る国民的大闘争をおこそうではないかということを、心からよびかけるものであります。(拍手)

 いま一つは、大倒産の危険から中小零細企業を守ることです。貸し渋り・貸しはがしによる倒産が深刻です。その先頭にたっているのは誰ですか。三大メガバンクとよばれる巨大銀行ではありませんか(「そうだ」の声)。三大メガバンクは、この一年間で二兆七千六百億円も中小企業むけの貸し出しを減らしました。その一方で、三菱UFJは、アメリカの投資銀行・モルガン・スタンレーに九千億円もの出資をおこないました。国内の中小企業からお金を貸しはがし、そのお金を海外でのバクチ的な投機にふりむける。大銀行は、このような金融業の本分を忘れた横暴勝手をやめ、中小零細企業への資金供給という社会的責任を果たせ――このことを、力をあわせて求めていこうではありませんか。(拍手)

各分野での国民生活擁護のすべてが最良の景気対策にもなる

 みなさん、それにしても、なぜアメリカ経済が悪化すると、こうも日本経済がぺしゃんこになってしまうんでしょうか。それは日本経済が、異常な「外需頼み、内需ないがしろ」のもろい経済になっているからであります。

 私たちは、このゆがみをただし、「外需頼みから内需主導の経済に」と訴えてきました。そうしましたら最近では、政府・与党も「内需主導」が大切だと言い出しました。しかしそれなら私は問いたい。「外需頼み」のゆがんだ経済をつくってしまったのはいったい誰なのか。「構造改革」の掛け声で一部の輸出大企業だけを応援し、家計をふみつけにしてきた自公政権の責任ではありませんか(「そうだ」の声、拍手)。本気で「内需主導」というなら、大企業から家計へと経済政策の軸足を変え、日本経済の体質改善をはかる政策転換がいまこそ必要ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 それは具体的にはどういうことか。私が強調したいのは、私たちが「なくせ貧困、生活危機打開」を合言葉に取り組んでいる国民生活擁護のたたかいのすべてが、最大・最良の景気対策にもなるということであります。

 派遣労働など人間をモノのように「使い捨て」にする働かせ方をあらため人間らしい労働のルールをつくること、後期高齢者医療制度というお年寄りを「うばすて山」に追いやる差別医療を撤廃し、社会保障費削減路線をやめさせて拡充への転換をはかること、農林漁業の応援・中小企業の振興で地域経済の再生をはかること、いま私たちが取り組んでいる国民生活擁護のたたかいのすべてが、国民の家計を温め、内需を活発にし、土台から日本経済を良くしていく大道にもなります。みなさん、ここに確信をもって、国民的に連帯した生活擁護闘争を大きく発展させようではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

消費税増税やめよ、大企業へのゆきすぎた減税をただせ

 麻生内閣が発表した「経済対策」には、景気悪化から国民の暮らしを守る施策も、「内需拡大」のための抜本的方策も、何もありません。

 最大の「目玉」にしているのは一年こっきりの二兆円の給付金のばらまきです。しかしみなさん、小泉内閣以来、自公政権は、庶民に対して、十三兆円もの増税と社会保障の負担増を押し付けてきたではありませんか(「そうだ」の声)。十三兆円もの負担増をつづけたまま、一回こっきりの二兆円のばらまきで「勘弁してくれ」といわれても「勘弁ならん」というのが国民のみなさんの気持ちではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 さらに麻生首相は、「三年後には消費税を引き上げさせていただく」とのべました。「ばらまき一瞬、増税一生」でどうして景気が良くなるか(「そうだ」の声、拍手)。消費税増税をやめよ、大企業・大資産家へのゆきすぎた減税をただせ――この旗印を高く掲げ、頑張ろうではありませんか。

 最後までともにたたかう決意をのべまして、連帯のあいさつといたします。頑張りましょう。(「そうだ」の声、長く続く拍手)