2008年10月6日(月)「しんぶん赤旗」

希望集め 青年4600人

人間らしい労働ルール 団結の力で

東京・明治公園


 東京・明治公園に五日、四千六百人の青年が全国から集まりました。「若者の貧困と『使い捨て』をゆるさない」「労働者派遣法の抜本改正を」などの要求をかかげた「全国青年大集会2008」(同実行委員会主催)。青年の力を合わせ、職場を、社会を、政治を変えようとアピールしました。


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(写真)風船を飛ばし集会成功を喜びあう会場をうめた4600人の参加者=5日、東京・明治公園

 ミカンをかたどった色紙に「人の使い捨て許さん権」と一文字ずつ記されたのぼり。「怒」の文字を入れたイカ形の帽子。スペイン語、中国語、ヒンディー語など約十カ国の言葉で「安定した仕事がしたい」などと思いを書いたプラカード…。会場はそれぞれの願いを書いた手作りのプラカード、横断幕、のぼりであふれました。

 「未来を変えたい」と都内の大学の二部(夜間)に通う男性(22)。昼は障害者施設で働いています。「痛みだけを押し付け、弱い人だけをつくった自民・公明党の政治はあきあきです。次の世代にも同じ思いをさせたくない」

 派遣でシステム管理の仕事をしている静岡県の男性(31)は現在の仕事に就くまで七社の面接を受けましたが、雇用されず、派遣会社に行くしかなかったと言います。「前は労働運動があることも知らなかった。集会から、まともな働き方を求める世論が広がると思う」

 実行委員会を代表して日本民主青年同盟の田中悠委員長は昨年の集会からの運動の広がりを述べ、「私たちの声は無力ではない。一人ひとりの声と若者の連帯が社会や政治を動かす大きな力をつくり出している」とあいさつしました。

 労働組合をつくって未払い残業代を払わせたり、タイムカードを導入させたたたかい、最低賃金の時給千円を求める運動など、青年たちが次々と発言しました。「若い私たちも社会にものを申すことをしなければ何も変わらない」との訴えに「そうだ」と応える声、大きな拍手が起こりました。

 集会後、繁華街をアピールウオークしました。

 主催の実行委員会は全労連青年部、首都圏青年ユニオン、民青同盟などで構成されています。


志位委員長あいさつ

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(写真)あいさつをする志位和夫委員長

 日本共産党の志位和夫委員長が連帯のあいさつをし、青年のたたかいが「現実の政治を動かし、社会を変える力を発揮しつつある」と述べ、今後重要になる四つの問題を提起しました。参加者からはたびたび「そうだ」のかけ声と拍手がわき起こりました。(全文

 第一は、違法行為をただそうと立ち上がった若者が逆に職を奪われることを、絶対に許してはならないということです。日亜化学やキヤノン宇都宮光学機器などを例に訴えました。

 第二は労働者派遣法の抜本改正です。政府・与党は「日雇い派遣の原則禁止」はいうものの、「使い捨て」労働の大本にある「登録型派遣」は野放しにする姿勢だと述べ、一九九九年の派遣労働の原則自由化前に戻すべきだと求めました。

 第三は、“派遣解消”を約束したキヤノンなどが、今度は期間社員などへの置き換えをすすめている問題です。「どんな形であれ、『首切り自由の使い捨て労働』はなくせ。正社員にしろ。この声を一つにしてつきつけていこう」と訴えました。

 第四に、正社員もまた「過労死」を生み出す長時間・過密労働や成果主義などに苦しんでいると述べ、非正社員と正社員が連帯し、人間らしい労働のルールを団結の力でつくりあげていこうと呼びかけました。

 最後に志位氏は、連帯して立ち上がることに希望を見いだす若者が広がりつつあることこそ、日本の希望だと述べ、若者と連帯してたたかう決意を表明しました。