2008年10月24日(金)「しんぶん赤旗」

貸し渋りやめさせる強力な指導を

金融危機対策で志位委員長


 日本共産党の志位和夫委員長は二十三日の会見で、政府が提出を予定している、地域金融機関などへ公的資金の注入を可能にする金融機能強化法改定案について問われ、「本当に中小企業の資金繰りの問題を考えるなら政府がやるべきことは次の二点だ」として、党の見解を表明しました。

 第一は、三大メガバンクに対して、貸し渋り、貸しはがしをやめるよう強力な行政指導を行うということです。

 志位氏は、三大メガバンクが去年一年間で中小企業向け貸し出しを二兆七千六百億円も減らすなど貸しはがしの先頭に立っていることを指摘。政府は貸し出し目標を設定させ、達成させるための強い指導を行うべきだと述べました。

 二つ目は、中小企業が金融機関から融資を受ける際の信用保証制度を「全額保証」に戻すということです。

 志位氏は、この五年間で、「頼みの綱」である政府系金融機関の中小企業むけ貸し出しも約五兆円落ちていることに加え、信用保証制度による融資の保証額を「全額」から「八割」に後退させ、二割を金融機関の負担にした昨年の制度改悪が、貸し渋り、貸しはがしを激しくしていると述べました。

 その上で、地方銀行などへの公的資金注入について、「仮に、自己資本などで問題のある地方銀行が出てきたとしても、銀行業界全体の責任で対応すべきだ。国民の税金をつかうべきではない」と強調しました。

 志位氏は、公的資金の問題について、三大メガバンクをはじめとする銀行に四十兆円以上をつかったが、十兆円以上が返ってこなかったと指摘。一方で、三菱UFJがこの間、米証券大手のモルガン・スタンレーに九千五百億円も出資したことにもふれながら「国内で中小企業から貸しはがしをおこないながら、海外での投機にそのお金をふりむける。これは銀行の公共的責任を全くなげすてたものだ。税金を注ぎ込んでもまともな銀行はつくれない。すでに米国で破たんが証明されたカジノ資本主義にどっぷりつかった体質を根本から改め、まともな金融業に立ち戻らせる改革こそ、いま強く求められている」と述べました。