2008年10月8日付「しんぶん赤旗」に掲載

「不当」と認めるなら是正措置をおこなえ

首相の答弁志位氏感想


 日本共産党の志位和夫委員長は七日、衆院予算委員会での質問後、国会内で記者会見し、感想を述べました。

 今年二月の予算委に続いて、今回も雇用問題にしぼった質問を行った理由について、「事態の進展、前向きの変化が出る一方、不当な雇い止めなど許しがたい逆流も起き、大企業の許しがたい無法が明らかになったため」と説明しました。

 その上で、今回の質問への答弁について、全体として、政府は建前論を繰り返したが、偽装請負で違法を訴え救済を求めた労働者が職を失った日亜化学やキヤノンの実態を突き付けた結果、麻生太郎首相が「事実であれば、きわめて不当なことだ」と答弁したことに言及。「これは非常に重要だ。そうであれば、雇い止めなどといった不当なことを許さない措置をとることが政府の当然の責任になってくる」と強調しました。

 トヨタが行っている派遣労働者の“期間制限偽装”については、「こんな違法なことが許されたら大変だ」という認識もなければ、是正の意思も示さなかったと批判しました。

 また、具体的に事実を示して、トヨタへ調査に入るよう求めたのに対し、政府側が応じない姿勢を示したことについて、「キヤノンや日立グループをとりあげたときには違法があれば調査するといったが、トヨタとなると言えないのか。情けない限り、許しがたい態度だ」と批判しました。ただ、「現実にてらして対応する」(首相)と答弁したことは、今後、是正させていく足がかりになると述べました。

 志位氏は最後に、「首切り自由」の不安定雇用をなくし、派遣労働という究極の「使い捨て」労働を大本から正していく方向で抜本的な法改正を行うたたかいをさらに進めていく決意を述べました。