2008年9月11日(木)「しんぶん赤旗」

自民総裁選

5人とも小泉内閣の閣僚

貧困・格差拡大に共同責任

志位委員長が指摘


 志位委員長は十日、東京・巣鴨で、街頭から訴えたあと、記者団の質問にこたえて、次のようにのべました。


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(写真)記者の質問に答える志位和夫委員長

 ――(街頭演説で)巣鴨という地域を選んだのは、どういう狙いか。

 志位 後期高齢者医療制度の問題は、今度の総選挙にとっても、この希代の高齢者差別法を撤廃するのか、それとも、小手先の「見直し」で、あくまでしがみつくのかということは、大争点だと考えています。

 この前の京都の市議補選(七日)でも、この問題が大争点になり、共産党候補が勝利しましたが、国政選挙においては、いっそう重大な争点になると考えています。

 この問題で一貫して反対の論陣を張ってきた日本共産党を伸ばして、この制度を撤廃させるということを訴えたいと、こちらに参りました。

 ――自民党総裁選が告示されたが五候補の顔ぶれ、総裁選の様相をどうみるか。

 志位 五人に共通しているのは、五人が五人とも小泉内閣の大臣・閣僚だったということです。小泉内閣がすすめた「構造改革」、すなわち、国民の貧困と格差を広げに広げた、お年寄りに差別医療を押し付けた、若者に「使い捨て」労働を押し付けた、こういう政治に“共同責任”を負っている方々です。ですからこのどなたが当選しても日本の政治に明るい展望は開けてきません。財界のもうけは応援するけれど国民の暮らしはそっちのけという政治の根本を転換する必要があるということをいいたい。

 ――改めて解散・総選挙を要求するということですか。

 志位 新しい首相が選ばれれば解散・総選挙を求めていくのは当然です。ただそのさい、私たちはまず国会で代表質問だけでなく予算委員会も含めて、徹底的に国政の基本問題を議論した上で信を仰ぐ、争点をはっきりさせた上で信を仰ぐ、これが民主主義の常道だということを主張していきたい。

 ――総裁選をショーアップして支持率を上昇させるという自民党の戦略についてはどう思いますか。

 志位 そういう思惑はあるんでしょうが、いまの国民の暮らしの深刻さ、昨日は渋谷で若者に訴えましたが、若者は派遣労働をはじめとする「使い捨て」労働で本当に苦しめられている、お年寄りは後期高齢者医療制度という差別医療制度に本当に怒っています。そういう国民の暮らしの深刻なところにまったく正面から向かい合おうとしないで、ただにぎやかにやれば人気が出るというのは全くの思い違いだといいたい。