2008年6月22日(日)「しんぶん赤旗」

自給率向上が急務

千葉のシンポ パネリスト5氏発言

2市長からメッセージ


 千葉県北部に位置し、利根川をはさんで茨城県と接する香取市。コメとサツマイモの産出が千葉県下一位を誇るなど首都圏への農産物供給地でもあります。香取市佐原文化会館で二十一日、日本共産党千葉県委員会と香取市委員会が主催するシンポジウム「日本農業の再生と食の安全を考える」が開かれました。

 志位和夫委員長が五人のパネリストの一人として三月に発表した党の「農業再生プラン」の中心点について発言しました。

 シンポジウムには佐藤晴彦横芝光町長など自治体関係者をはじめ、近隣の農協、農業委員、兼業農家、消費者など九百七十人が参加。会場に入りきれず、ロビーのモニターで見る人もいました。

 パネリストのJAかとり組合長・菅谷貞雄さん、石井内科医院看護師長・石井禎子さん、北総東部用水理事長・斎藤豊さん、専業農家・林縫右衛門さんが発言しました。

 菅谷さんは自立営農に必要な農産物価格の試算を紹介し、「営農と安心・安全な農畜産物を作り、食べていただくために、みなさんの理解を求めたい」と述べました。

 石井さんは、「身土不二」という言葉を紹介。地元産の農産物が健康につながるとして「香取に暮らす私たちは、銚子でとれた魚と地元の野菜でこそ健康でいられます」とよびかけました。

 旧栗源町元町長でもある斎藤さんは、「これまでの政治家は都市ばかりに目を向けてきたのではないか。環境からも、食料からも農業を政治の重要課題に位置づけてほしい」と要望しました。

 「食料自給率を50%、60%へとあげていくことは急務」と述べた林さんは「農業は地球を冷やす」と温暖化問題に果たす役割を紹介。「消費者と手を取りあい、農業を守る政治を作っていきたい」と決意を述べました。

 志位委員長は北総地域(千葉県北部)は日本有数のコメどころで農業地帯であることにふれ、コメの減反強制の中止、増産にふれるなど農業・食料問題の抜本的打開の方向について解明しました。

 パネリストの報告ののち、香取市農業委員会の本宮幹男会長、千葉農民連の大木伝一郎会長があいさつ。宇井成一香取市長、江波戸辰夫匝瑳(そうさ)市長はじめ各界からのメッセージが紹介されました。

 会場からは「畑作農家をしているが、農機具すら購入できない。価格保障が必要だ」「国の無駄遣いをやめれば、価格保障の財源は出てくるのでは」など七人から活発に意見・質問が飛び出し、そのたびに会場から拍手が起こりました。

 最後に質問を踏まえながら、パネリスト五人が感想を述べ、志位委員長が出された一つひとつの質問にていねいにこたえました。

 芝山町で稲作と切り花栽培をしているという木内昭博さん(61)は「今日のシンポは政治的立場の違う人たちがたくさん参加しているようだが、農業再生では共通認識に立てたと思う。志位さんの話は今後のたたかいに展望を開く内容でした」と話しました。