2008年5月4日(日)「しんぶん赤旗」

憲法守る運動さらに

施行61周年 全国で行動

東京 4300人が集会・パレード


 「憲法守れ」の世論の大きな広がりのもと、憲法施行六十一周年を迎えた三日、「憲法を生かそう」「海外派兵恒久法やめよ」と全国で行動がくり広げられました。


 東京では、日比谷公会堂で「5・3憲法集会」(憲法会議、許すな!憲法改悪・市民連絡会など八団体で構成する実行委員会主催)が開かれ、四千三百人が参加。小雨のなか、開場二時間前から参加者が列をなし、会場からあふれた参加者が場外に設置された大型スクリーンの前を幾重にも囲みました。

 「毎月の宣伝で、最近はビラの受け取りがいい。署名も増えている」というのは東京土建本部の瀬田宗市さん(60)。「福祉を削って軍事費に回すような悪政に国民のがまんは限界。これからも燃えて駅頭に立つ」。けさ、地元で宣伝してきたという集会初参加の女性。地元の若者に誘われ、二月から活動を始めたばかりです。「私の家の近くにも平和を守ろうとする同年代がいると知ってうれしかった」

 集会では、女性の憲法年連絡会の堀江ゆりさんが、改憲を掲げた安倍政権を退陣に追い込むなどこの一年間の変化をのべ、「憲法九条を守ろうという世論の高まりのなかで開かれた集会。もっともっと運動を強めよう」と主催者あいさつ。日本共産党の志位和夫委員長、音楽評論家・作詞家の湯川れい子さんら四氏がスピーチしました。

 元米陸軍大佐・元外交官のアン・ライトさんは、「憲法九条をもつ日本は平和な世界のモデル。九条を世界に」と語りました。

 社民党の福島瑞穂党首は、憲法二五条を守れとたちあがった若者など「この数年の国民の力を実感する」とのべ、「人間を尊重する幸福の社会をつくろう」と訴えました。

 集会後、うちわや風船を手に銀座パレードが行われ、志位氏、笠井亮衆院議員、福島氏らも参加しました。

志位委員長が発言

 志位和夫委員長は発言で、憲法をめぐる国民世論の前向きの変化をつくりだした「九条の会」の草の根の組識の成長をあげ、改憲派の新たな巻き返しの危険を軽視せず、彼らが何より恐れる国民世論と草の根の運動で包囲し「ゆるぎない国民的多数派をつくりあげよう」と力を込めました。

 「憲法を平和に生かし、暮らしに生かすための攻めのたたかいを、あらゆる分野で発展させよう」とよびかけた志位さんは、平和に生かす点で、名古屋高裁判決は自衛隊イラク派兵に真正面から憲法違反と断じた歴史的・画期的なものと指摘。

 暮らしに生かし、貧困と格差をただす点では、日本国憲法が三十条におよぶ人権条項をもつ世界で最も豊かな人権憲法だとのべました。

 志位さんの発言に、随所で「そうだ」の声援と拍手が送られ、「憲法の輝く値打ちを国民が体験をつうじてつかむことが、憲法改悪のたくらみを阻止する一番の力となります。ともにがんばりましょう」と結びました。