2008年3月31日(月)「しんぶん赤旗」

学者・研究者党後援会交流集会開く

志位委員長が記念講演


 学者・研究者、大学教職員・院生の日本共産党後援会の全国交流集会が、三十日、日本共産党本部で開かれ、三十二都道府県から百六十人が参加しました。日本共産党の志位和夫委員長が「日本の情勢、世界の動きと綱領路線」と題して二時間余にわたって記念講演。情勢と綱領路線の響きあいの具体的な話に参加者は熱心に耳を傾けました。


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(写真)記念講演する志位和夫委員長=30日、党本部

 志位氏は日本共産党の綱領と情勢との響きあいが「日本でも、世界でも、こんなに感じられるときはない」と切り出し、内外の情勢とのかかわりで党の綱領路線を詳しく解明しました。

 日本については、自民党政治の行き詰まりを指摘。新自由主義政策など「大企業中心政治の暴走」と、海外派兵・改憲策動など「対米従属・軍事優先政治の暴走」が、誰が見ても行き過ぎとなり、そこからの根本的転換を求める日本共産党の主張が、各分野で国民と響きあう状況が生まれていることを力説しました。

 世界については、アメリカなど少数の国が世界を支配する時代から、すべての国が世界政治の担い手となる時代へと世界の力関係が大きく変化していることを解明しました。

 平和の問題では、イラク戦争を契機とした米国の失墜と変化、平和共同体の躍進、元米国防長官など従来の枠を超えて広がる核兵器廃絶を求める声を紹介しました。

 経済の問題では、先進国に代わり、新興国・発展途上国が世界経済の「新たな原動力」となり、「安定化要因」となった現状を示すとともに、投機マネーの暴走や地球環境問題など新自由主義の破たんを指摘しました。

 最後に資本主義から社会主義・共産主義への展望にかかわって、日本でも雑誌で志位氏のインタビューが「資本主義を叱る」という題で特集として掲載されるなど、資本主義が抱えるさまざまな矛盾の根本的解決は利潤第一主義の枠組みでは不可能だと多くの人々が感じ始めていると指摘。「日本共産党という党名を高く掲げて総選挙躍進に向けて頑張りたい」と述べました。

 志位さんの講演のあと、後期高齢者医療制度や小選挙区制問題の質問に答えて、志位さんは「後期高齢者医療制度は撤回させるしかない。差別医療やめろの声をいっそう広げていきたい」とのべ、共産党が宣伝と運動にいっそう力をそそぐ決意をのべました。また小選挙区制については、「制度を導入した当事者を含めて、広いところから小選挙区制廃止の声が広がっている」とのべるとともに、財界、マスコミなど制度を推進、協力してきた実態にもふれて、撤廃にむけたとりくみを積極的にすすめていくことを強調しました。

 参加者からは「日本と世界の現実を科学的に分析していて、問題意識を共有できた。志位さんがのべていたように沖縄では米軍の問題が切実になっており、基地の撤去は県民の要求になっている。全国民のみなさんとともに連帯していきたい」(沖縄の大学教員、六十七歳)、「非正規雇用をなくしていく運動で、企業をうごかして、大きな成果をあげてきた共産党の運動がよくわかりました。また日本経済を立て直すために財界人とも綱領路線で響きあっていることに、なるほどと思いました」(大阪の大学院生、二十七歳)、「志位さんのユーモアある話に希望が持てました。アメリカの行き詰まり、地球温暖化問題など大事な話を聞けました」(東京の大学院生、二十七歳)などの感想が聞かれました。

 日本共産党から、谷川智行衆院東京ブロック比例代表候補、足立正恒党学術・文化委員会責任者が、それぞれあいさつしました。

交流会では活発に討論

 交流会では「参院選後も選挙が相次ぐ中、一年間に二十四回会議を開くなどして活動を広げた」(大阪)、「若手研究者の雇用問題でシンポジウムを開催した。学習会を開き、地球温暖化問題を党の綱領はどうとらえているかなど学んだ」(茨城)、「事務局体制を確立し、機関紙やニュースの発行、駅頭・大学門前での宣伝などを活発に行った」(東京)、「市長選を政策で圧倒してたたかったら、現市政にも政策が一部反映された。大学人は地域の政策作りの中心に」(福岡)など、活発な討論が行われました。

 加藤幸三郎事務局長(専修大学名誉教授)が「後援会主催の『集い』開催など、『大運動』を党とともにすすめます」など五項目からなる申し合わせを提案、確認されました。