2008年2月26日(火)「しんぶん赤旗」

李大統領が就任

核放棄なら南北に新しい地平

韓国


 【ソウル=面川誠】韓国の李明博(イ・ミョンバク)第十七代大統領が二十五日、ソウルの国会議事堂前で行われた就任式で演説しました。北朝鮮に対して「核を放棄して開放の道を選ぶなら、南北協力に新しい地平が開かれる」と呼びかけ、南北首脳会談について「いつでも会って胸を開いて話し合うべきだ。その機会は開かれている」と強調しました。

 李大統領は「経済の再生が何よりも急がれる」と強調し、建国六十周年にあたる今年を「大韓民国の先進化元年」と宣言。「産業化と民主化の成果を大事に育てる」と述べ、「理念の時代を乗り越えて、実用主義の時代に進むべきだ」と強調しました。

 金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の十年間を「ときには挫折もあった」と批判。一方で、与野党や階層間の対立を克服して「経済を発展させ、社会を統合する」と語りました。

 対北朝鮮政策では、南北和解と交流を促進した過去十年間の「太陽政策」には言及せず、「これまでよりも生産的に発展させる」と指摘。「イデオロギーではなく、『実用』のものさしで解決していく」と述べました。

 南北首脳会談で重視する問題としては、北朝鮮国民の生活向上、南北の相互尊重に基づく統一への展望を指摘しました。

 米国との関係については、「伝統的な友好関係を未来志向的な同盟関係に発展させ、強化する」とし、「戦略的同盟関係を堅固にしていく」と強調。「アジア各国との連帯も重要だ」とし、「とりわけ日本、中国、ロシアとそれぞれ協力関係を強化し、東アジアの平和と共同繁栄を模索する」と語りました。


志位委員長が祝辞

 日本共産党の志位和夫委員長は二十五日、李明博氏の韓国新大統領就任にあたり、次の祝賀メッセージを送りました。

 李明博大統領

 大韓民国第十七代大統領への就任を、心からお祝い申し上げます。

 朝鮮半島の新しい平和構造創設に向けて、六カ国協議を通じた核問題の外交的解決に力を尽くすとのあなたの表明が実を結ぶことを願っています。

 日本が朝鮮半島とアジアをめぐる自らの歴史と責任を正しく認識し、東アジアと世界の平和と安定に貢献する二十一世紀の両国関係を発展させるよう、日本共産党として力を尽くすものです。