2008年2月9日付「しんぶん赤旗」

キヤノン追及“よくぞ”

派遣労働の無法 志位質問に反響

「気持ち、すかっと」


 「よくいってくれた。気持ちがすかっとした」――。八日の衆院予算委員会で、派遣労働の実態をもとに政府を追及する日本共産党の志位委員長に「さすが共産党」と、国会で傍聴した人やテレビ中継をみていた労働者らから共感と信頼の声が寄せられました。


傍聴者の声

 「感動しました。若者の立場だけでなくすべての労働者の立場に立って追及してくれました。興奮しています」と語るのは千葉県松戸市からきた平田智美さん(23)。歯科助手、パチンコ店でのアルバイトなど、非正規の仕事で働いてきました。

 「時給は千百五十円。午前零時から午前五時までの深夜労働もあります。社会保険がなく、有給休暇もとれません。志位さんが示した日雇い派遣の実態にもビックリしました。ひとごとではありません。このまま非正規雇用を放置すれば日本の未来はない、というとおりです。非正規雇用をやめて正規雇用に切り替えるという主張に共感しました」と話します。

迫力があった

 都内に住む二十代の日雇い派遣労働者の男性は、地元の共産党員に誘われて、いっしょに国会に行き、傍聴しました。

 この男性は昨年、派遣先で、重い荷物を運ぶ作業を二カ月間やり、腰を痛めて通院中。

 「志位さんの質問は初めて聞いたけど、迫力があった。福田首相など政府の人の答弁は、大企業の利益を守ることばかり考えて逃げ腰だった」と論戦の印象を語ります。

 志位さんが質問の中で、冷凍倉庫で派遣労働者を凍傷にさせた事例を紹介したところは「モノのように派遣労働者を使っているのは、私の場合も同じです」と共感したといいます。

 「派遣労働は人間を交換部品のように使っている。私も同じような使われ方で、体を壊しました。だから、“派遣労働者の正社員化こそ、世の中をよくする道だ”という志位さんの主張が一番よかった」と話していました。

弱者の立場で

 「あれだけいろんな議員がいる中で志位さんは弱い人の立場に立って質問していると思いました。福田首相の答弁からは、どれくらい志位さんの思いが伝わっているのかなと思いました」というのは川崎市幸区からきた桜井響子さん(30)。

 保育士として私立保育園で働いていたという桜井さん。最初の職場が、人手が少なくて長時間過密労働の職場でした。ゆとりがなく、精神的にきつくなり、退職して三年ほどたったといいます。

 桜井さんはいいます。

 「私はこれまで外出することもあまりできませんでした。きょうは一人で初めて国会に来ることができました。そろそろ働きにいこうかと考えています。次に働きにいく職場は長く働き続けることができる、労働条件がいい職場であってほしい。それだけが心配です。そのためにも日本の職場全体の働き方をよくしてほしい。日雇い派遣をそのままに野放しにしたら、日本の将来がどうなっていくのか、福田首相の姿勢を変えさせるためにも、もっと追及してほしいと思いました」

テレビで

 グッドウィルの事業停止で仕事がなく、別の派遣会社でなんとか仕事をみつけて働いている都内在住の中年男性は、自宅のテレビで志位さんの質問をみました。

 「志位さんが強調したように、本当に、派遣法を労働者保護法にかえてほしい。いまの派遣法は、派遣先などの大企業を守る法律になっている。厚生労働省のグッドウィルへの処分で、派遣労働者は仕事がなくなり、困っています」

 男性は、派遣先の大企業の倉庫作業のほとんどをグッドウィルなどの日雇い派遣労働者が占めていたと指摘。「志位さんが具体的な例で追及したように、日雇い派遣労働者は大企業の正社員の代わりにさせられています」と怒ります。

 志位さんの追及でとくに感動したのはキヤノンの御手洗冨士夫会長の参考人招致を要求したところ。「私も都内のキヤノンの工場で、のべ二十日ぐらい、製品のこん包作業の派遣労働をしたことがある。御手洗会長を追及できるのは共産党しかいない。よくいってくれたと気持ちがすかっとした」と喜んでいました。