2008年1月3日(木)「しんぶん赤旗」

「構造改革」路線、米国いいなり

大転換させる年に

CS放送 志位委員長が主張


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(写真)「各党はいま―新春スペシャル」で質問にこたえる志位和夫委員長

 日本共産党の志位和夫委員長は、一日放送のCS放送・朝日ニュースターの番組「各党はいま―新春スペシャル」に出席し、昨年一年がどういう年だったか、福田政権三カ月をどうみるかなどについて、朝日新聞の坪井ゆづる論説委員のインタビューにこたえました。

 志位氏は昨年を振り返り「一言でいうと、国民の声で政治が動き始めた年だったといえます」と述べました。とくに、自民、公明両党が参院選で少数に転落したことは非常に大きな出来事で、与党が数の力でごり押しすることはできなくなったと指摘。「動き始めた」例として、海上自衛隊艦船のインド洋からの撤収、住宅本体の再建に対する公的支援が実現した改正被災者生活再建支援法などをあげました。

 同時に志位氏は、「古い政治の大枠が変わったわけではない。相変わらず弱肉強食の『構造改革』路線を続け、アメリカいいなりの海外派兵を続けようとしている。これは変わっていませんから、これを大転換させるというのが今年の大事な仕事になってきます」と強調しました。

支持率下落の根っこにあるものは

 福田内閣支持率の下落についても、貧困を拡大させる「構造改革」路線の継続、アメリカいいなり政治が根っこにあり、それに「消えた年金」問題や軍事利権問題にたいする無責任な対応が加わり、下落を生んでいると指摘しました。

 福田内閣初の予算案について志位氏は、社会保障費の二千二百億円圧縮を続ける一方で、大企業・大資産家には研究開発減税を拡大し証券優遇税制も一部継続したと指摘。「税を払うべきところからお金をとらないで、庶民に負担を強いるというやり方がいよいよすすんだ。財政破たんといいながら大企業にはさらに減税のばらまきを行うというのは到底国民の理解は得られない」と述べました。

「大連立」の危険性を常に見る必要がある

 志位氏は、参院で野党が多数を占める国会の状況を語る中で自民と民主の「大連立」に言及しました。

 民主党の小沢一郎代表が“「大連立」の方向は正しい”とし、民主党自身も自民党との連立政権を選択肢としていることを指摘し、「これはいつでも(「大連立」が)スタンバイの状況だ」と述べました。「こういう状況が底流にあることをよく見ておく必要がある」と述べ、自衛隊海外派兵の恒久法、消費税増税、憲法改定を自民、民主が一体になってすすめる危険を警告しました。

 具体例として民主が出した新テロ特措法案の対案が、恒久法の整備、アフガン本土への陸上自衛隊派兵、国連決議があればインド洋での「海上阻止活動」への参加にも道を開くものとなっていることを紹介し、「憲法違反の海外派兵では同じ土俵のものを出してきた。これはたいへん危険なものです」と指摘しました。

比例に力集中し前進を

 最後に志位氏は、「私たちは、昨年の参院選の結果をふまえ、『二大政党』の動きをはね返して前進するためには実力が足りないという教訓を引き出しました。なんとしても党の実力をつけて勝利をつかみたい。広い保守・無党派の方々とも大いに共同して新しい日本の前途を開いていけるような、そういう力量をもった党をつくっていきたい」と力を込めました。来る総選挙について「党の持っている力を比例選挙に集中し、ぜひ比例での前進をかちとりたい」と決意を述べました。