2007年10月19日(金)「しんぶん赤旗」

岩国市庁舎

削った補助金 交付を

米機移駐で超党派議員 志位委員長に要請


 在日米軍再編に基づく米軍艦載機部隊の移駐計画に岩国市(山口県)が反対したために、政府が市庁舎建設への補助金をカットした問題で、移駐計画に反対する同市の超党派の議員十人が十八日、国会内で日本共産党の志位和夫委員長に、補助金の速やかな交付のための尽力を要請しました。

 市庁舎建設への補助金は、沖縄に配備されている米軍空中給油機部隊の岩国基地への移駐を同市が一九九七年に受け入れたことから始まったもの。ところが政府は、同市が今回の在日米軍再編計画に反対したため、市庁舎の建設中にもかかわらず、二〇〇七年度予算から、補助金を打ち切りました。

 代表して重岡邦昭市議が、補助金を出すことは国が約束していたことだと強調し、それにもかかわらず、今回打ち切ったことについて、「地方自治、民主主義を崩壊させるものだ」と述べ、要望書を手渡しました。

 志位氏は、政府が本来、別問題である艦載機移駐計画と補助金をリンクさせていることを批判し、「いったん約束した補助金まで打ち切るというのは、本当に無法なやり方。憲法とのかかわりからみても、地方自治への乱暴な介入です」と述べました。

 政府・与党が先の通常国会で成立を強行した在日米軍再編促進法が、再編計画を受け入れた自治体には交付金=アメを出す仕組みになっていることを挙げ、「こういうやり方は、地方自治を破壊するもの。党派をこえて許せないと声をあげたみなさんの行動は当然です」と述べ、政府に対し補助金を交付するよう求めていく立場を表明し、激励しました。

 さらに、昨年夏にみずから岩国基地を視察し、移駐計画に強く反対している市民の思いに触れたことを紹介しながら、移駐計画に反対する日本共産党の立場を説明。「(政府のやり方は)市民の反対の気持ちをくじき、力でねじ伏せようとするもの。ここで退くわけにはいきません。艦載機移駐の問題でも、岩国市民の意向を尊重するよう政府に求め、たたかっていきたい」と述べました。

 会談後、志位氏は、参加者一人ひとりと握手を交わしました。

 要請には、日本共産党からは、大西明子市議団長をはじめ、四人の岩国市議団全員が参加。仁比聡平参院議員、柳浦敏彦自治体局長が同席しました。


 岩国市庁舎補助金問題 同補助金は、日米両政府の合意(一九九六年)で、沖縄の米軍普天間基地に配備されているKC130空中給油機部隊を岩国基地に移駐することを同市が受け入れたことを受け、政府が約束したもの。

 二〇〇五年の日米両政府の合意で、空母艦載機部隊移駐計画が盛り込まれたことに対し、市民は〇六年の住民投票で、反対の意思を示しました。井原勝介市長も計画反対の立場を表明。これを受け政府は、補助金について、〇五年度と〇六年度の二年間交付したものの、最終年度の〇七年度予算から三十五億円を打ち切りました。

 市民のなかでは、市庁舎建設のための募金運動が広がり、すでに千六百万円が集まっています。