2007年10月17日(水)「しんぶん赤旗」

「集団自決」教科書問題

沖縄代表団に志位委員長

“本土と沖縄の連帯で検定意見の撤回を”


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(写真)沖縄代表団との懇談であいさつする志位和夫委員長=16日、国会内

 沖縄戦「集団自決」検定意見の撤回、記述回復を求め、9・29沖縄県民大会実行委員会の代表が十六日、国会を訪れ、日本共産党の志位和夫委員長に要請書を手渡し、懇談しました。この日、代表団は手分けして各政党代表をはじめ、全国会議員への要請をおこないました。志位氏との懇談には、伊波常洋県議(自民)や島袋宗康元参院議員ら十一人が参加。日本共産党からは石井郁子、穀田恵二、赤嶺政賢の各衆院議員、仁比聡平参院議員が同席しました。

 志位氏は冒頭、「教科書検定問題での沖縄県民の島ぐるみのたたかいに心から敬意を表したい」とあいさつしました。

 政府が「県民の声を重く受け止める」としながら、検定意見の撤回は「政治的介入になる」と回避していることが一番の問題と指摘。一方で、赤嶺議員の予算委員会(十一日)の質問の中で、教科書検定に最初に“不当な政治的介入”をおこなったのが文科省の教科書調査官の意見書であったことが明白になった、と強調しました。

 志位氏は、検定意見が文科省の教科書調査官の個人の見解で出され、教科書審議会でまともな議論もなしにまとめられたことを指摘し、「超党派の沖縄県民の要求は政府の不当な介入を取り消し、歴史的事実に直せ、という至極まっとうなもの」と激励しました。

 代表団メンバーの県老人クラブ連合会の知花徳盛事務局長は、沖縄戦当時、二歳半の妹の泣き声がうるさいと、壕(ごう)の外に出るようにいわれ、家族で壕を出た後に祖父を艦砲射撃で亡くした自身の体験を語りながら、検定意見の撤回を求めました。

 県遺族連合会の仲宗根義尚会長も、沖縄戦当時十歳だった体験を交えながら、「二十一世紀をつくる高校生に沖縄戦の悲惨さをありのままに伝えたい。歴史的事実を伝えて平和を希求する運動につなげたい」と思いを語りました。

 また、沖縄弁護士会の新垣剛会長は「(日本共産党は)検定意見をつきつけて記述を修正したこと自体が政治的介入だとおっしゃっておられた。政治的な介入自体を取り消していただく、そういう方針でやっていただきたい」と訴えました。

 最後に志位氏は、教科書問題では「内に対しては沖縄戦の記述問題があり、外に対しては『従軍慰安婦』の問題がある」と指摘。「いずれも戦争を美化するという点では一つの流れのなかの出来事」だとして、「本土と沖縄が連帯して歴史のわい曲を許さないためがんばりたい」と強調しました。

 志位氏は懇談が終わった後も、「この問題では私たちの間に垣根はありません」と述べ、代表団を激励しました。