2007年7月25日付「しんぶん赤旗」

平和の願い、沖縄の心を共産党と糸数さんに

那覇市で 志位委員長が訴え


 日本共産党の志位和夫委員長は二十四日、愛媛、沖縄とかけめぐり、大激戦の参院選で「たしかな野党」・日本共産党の押し上げをと終盤の訴えをおこないました。

 沖縄県では、大接戦の参院沖縄選挙区で革新無所属・糸数けいこ候補の押し上げと、大激戦の比例代表選挙で日本共産党の五議席絶対勝利を呼びかけました。夕刻の那覇市沖縄県庁前には八百人の聴衆が詰めかけ、年金、増税、平和の問題など重大争点について、「どの問題でも、日本共産党への一票こそが安倍・自公政権への一番の痛打となります」と解き明かす志位氏の訴えに聞き入りました。

 伊波洋一宜野湾市長が応援のマイクを握り、「沖縄から基地をなくす、一人ひとりを大事にする『たしかな野党』・日本共産党が比例代表で躍進することが本当に必要です」と訴えました。

 平和の問題を訴えたなかで志位氏は、自身が同日、南風原の「九条の碑」や陸軍病院跡を視察したことにふれ、「沖縄はたくさんの方が犠牲となった。その県民からみて、この間の自公政権のやり方はがまんがならないのではないでしょうか」と語りかけました。名護沖の新基地建設問題では、「安倍・自公政権は、アメとムチで押さえ込む米軍再編法を強行採決で押し通した。こんなに沖縄県民をばかにした話はない」と力説。海上自衛隊の掃海母艦を出動させて「環境現地調査」を強行したことも、「法的根拠が一つもない。こんなやり方に絶対屈するわけにはいかない」と力を込め、「そうだ」の声が飛びました。

 高校歴史教科書から沖縄戦「集団自決」に関する日本軍関与の記述が、「強制は断定できない」などとして削除された問題でも、県議会と県内四十一市町村が検定撤回を求める意見書を可決したことをあげ、「軍の関与に根拠がないなど、愚かな発言だ。軍の命令なしに“命こそ宝”という沖縄の人々が、どうして愛する人を殺したりするのか。こんなことすら分からない自民、公明に政権をあずかる資格はない。沖縄を語る資格はない。糸数候補、共産党への一票できびしい審判をくだしてほしい」と呼びかけ、大きな拍手と指笛の音につつまれました。

 憲法問題で志位氏は、「海外で戦争する国」づくりに向けて改憲に暴走する安倍・自公政権を批判。沖縄の本土復帰闘争は憲法九条に復帰することだったとのべる一方、これは日本共産党の結党の精神でもあると強調。戦前、苛烈(かれつ)な弾圧のなかで、反戦平和をつらぬいた日本共産党の故・宮本顕治元議長のたたかいに言及し、評論家の加藤周一氏が「宮本顕治さんは反戦によって日本人の名誉を救った」とコメントを寄せていることも紹介しながら、「憲法九条がかかった選挙。どうしても負けるわけにいかない。先人の苦闘、沖縄の犠牲のうえに築いた憲法九条を守る願いは、糸数候補と、党をつくって八十五年、反戦平和をつらぬいた日本共産党へ」と力強く呼びかけました。さかんに拍手をおくる聴衆のなかには、目頭を押さえる人の姿もありました。

 糸数候補は「暴走する安倍・自公政権をストップさせ、沖縄から暮らしと平和を守る議席、なんとしても勝ち取らせてください」と訴えました。

 日本共産党の春名なおあき比例候補は「九条を守るために体をはってがんばる日本共産党を伸ばして、沖縄の心を国政にぶつけましょう」と力説。前田ふみ子比例候補も訴えました。