2007年7月11日(水)「しんぶん赤旗」

参院選どうたたかう

日本テレビ「ザ・ワイド」 志位委員長が語る


 日本共産党の志位和夫委員長は、十日放映の日本テレビ「ザ・ワイド」に出演し、参院選についてインタビューを受けました。志位氏の発言(放映された部分の大要)は次のとおりです。


無年金と低年金の解決へ緊急策と抜本策

写真

(写真)「ザ・ワイド」に出演する志位和夫委員長

 ――年金問題について。

 志位 (「消えた年金」問題では)政府の新対策として、ともかく「ねんきん特別便」を出そうということになりまして、これは一歩前進だと率直に評価しています。ただ時期が、来年の四月から十月となると遅すぎる。いますぐやるべきです。

 年金制度の問題でいいますと、日本の年金の問題は、無年金者が六十万人います。国民年金は、満期で掛けても六万六千円しかもらえない。平均四万四千円という非常に低年金です。無年金と低年金の二つが大きな問題としてあります。私たちは緊急策と抜本策と二つ考えています。

 緊急策でいいますと、年金受給資格が、今は二十五年かけないと一円ももらえない。こういう国はほかにありません。だいたい五年、十年で年金受給資格が出てくる。二十四年と半年だったら、掛け捨てになる。これは非常に年金に対する信頼を損なっているし、若い方からすると、「二十五年も払える見通しがないから、掛けない」ということになって、収納率の低下にもなっている。

 ですから、二十五年という枠をせめて十年に下げて、年金保険料を払ったら確実に給付が入るとした方が、収納率も上がる。緊急策として、まずこれをやります。

 抜本策としては、最低保障年金制度の導入にすすまないと、無年金、低年金の問題は解決できません。すべての国民に一定程度の最低保障年金を保障し、その上に保険料に応じた給付を二階建てでつくるという制度設計を提案しています。ここにいかないと、無年金、低年金は解決しませんし、このことによって国民年金、厚生年金全体の底上げをはかるという提案をしています。

弱いものいじめの消費税増税には絶対に反対

 ――消費税増税について。

 志位 消費税は庶民いじめ、弱いものいじめの税金で、所得の低い方ほど重くのしかかる税金です。いま貧困と格差がこれだけ大問題になっているときに、消費税の増税には絶対に反対です。政府に上げるという立場があるなら、国民に審判を仰ぐべきです。仰がないで選挙をやりすごして、終わった後に(増税を)コソコソと与党内で決め、秋に国会を通して決めてしまうことは絶対に許されません。

むだ遣いを圧縮し、大企業・大資産家に適正に課税すれば財源をつくれる

 ――年金財源はどこに求めるのか。

 志位 まず、むだづかいを削る。たとえば道路特定財源は、国と地方で六兆円規模のむだづかいの枠です。これがむだな道路をつくりつづける大きな仕掛けになっているので、一般財源化する。これでかなりの財源がつくられる。軍事費の問題もあります。米軍への「思いやり」予算は、条約上も出す必要がないものです。政党助成金も削る。そういうむだづかいを徹底的に圧縮し、これで何兆円かのおカネが出てくる。

 ただ、これだけでは足りない。とるべきところからとらなくてはいけない。空前の大もうけをあげている大企業、大資産家――だいたい大企業はバブルのときの一・八倍の経常利益です。大企業、大資産家への適正な課税で数兆円のお金が出てくる。むだづかいの圧縮と両方で、社会保障の財源はつくれます。

ストップ貧困――緊急福祉1兆円プランを提案

 ――参院選をどうたたかうか。

 志位 一つは、私たちは「ストップ貧困」といっています。これだけ経済大国といわれる日本で、「難民」といわれる方がたくさんうまれています。医療難民、介護難民、ネットカフェ難民――貧困が大問題になっている。

 社会保障の問題でも、国保料が高すぎる、介護保険料や利用料が高すぎる。これを国の責任で引き下げる必要があります。私たちは、国保料の値下げ、介護保険の利用料、保険料の値下げ、子どもの医療費の無料化、障害者自立支援法の負担増の撤回、生活保護の老齢加算、母子加算の復活、児童扶養手当の削減計画の中止、この五項目で、「緊急福祉1兆円プラン」を提案しています。本当に緊急のもので、一兆円ぐらいは全体のやりくりのなかで、当然、捻出(ねんしゅつ)できる額です。これを大いにやろうと提案しています。