2007年7月26日(木)「しんぶん赤旗」

「朝はニッポン 一番ノリ!」

志位委員長が語る

ラジオ番組


 日本共産党の志位和夫委員長は二十五日朝放送されたニッポン放送のラジオ番組「森永卓郎と垣花正の朝はニッポン一番ノリ!」に出演し、電話で森永氏や高橋和夫放送大学准教授の質問に答えました。インタビューの大要を紹介します。


増税・改憲…安倍内閣の“暴走”、“ハンドルは右”

 森永 志位さん、おはようございます。

 志位 おはようございます。

 森永 志位さん、選挙戦の第一声で、「安倍内閣は暴走内閣だ。ハンドルは右にしか切れない」といいましたが、具体的に、この暴走というのは何を指していらっしゃるんでしょうか。

 志位 暴走という点では、たとえば国民の暮らしとの関係では、六月に住民税の増税が実施されましたでしょう。これは大変な国民の怒りを広げています。それに加えて、秋の「税制改革」では、消費税の値上げもやろうとしている。暮らしを壊す暴走という点ではひどいものがある。

 「ハンドルは右」という点では、憲法九条の問題で、自民党の「マニフェスト」の「155の約束」のトップに、「三年後の国会で、憲法改定案を発議する」と、本格的に日本の政治を大きく変えて、「海外で戦争する国」をつくろうという動きをしている。そういう点で、これを許さない、と訴えています。

 高橋 志位さん、おはようございます。放送大学の高橋です。今回、日本共産党の議席獲得目標は本音のところ何議席でしょうか。

 志位 私たちは比例でいま四つですけれど、五議席を必ず確保したい。選挙区は、東京が現職区ですから、必ずこれを確保して、さらにプラスアルファで、できるだけ伸ばしたいと思っています。

 高橋 選挙後、共産党としては、他の野党、共産党の認識ではあまりしっかりしない野党と、どういう関係を模索なさるんでしょうか。

 志位 いま大変、安倍・自公政治への怒りが強いと思うんですよ。年金でも、税金でも、「政治とカネ」の問題でも、憲法と平和の問題でも、怒りが沸騰していると思います。おそらく選挙で厳しい審判が下ると思います。ですから新しい国会では、野党共闘を可能な限り追求したいと思います。

“生まれも育ちも審判なし”の消費税

 森永 共産党のマニフェストでは、貧困と格差をただす三つの転換ということで、税、社会保障、雇用ということでそれぞれおっしゃってるんですが、まず、税とか財政については、どういうことをメーンに考えていますか。

 志位 税の問題は、いまの住民税増税への怒り、大変強いものがあります。お年寄りの世帯で二―四倍、サラリーマンで二倍という大変な増税がかぶっている。これはいまからでも中止すべきだと。

 同時に、自民党が秋の「税制改革」のなかで、消費税を含む税制の「抜本改革」ということを言っている。この問題、私はずいぶん安倍さんにただしたんですけれど、消費税を上げるとも上げないとも言わないで(森永 「うん」)選挙が終わった後、上げることもふくめて検討すると。これを許さないで、事前に国民の審判を仰ぐこと。消費税は生まれも育ちも、事前に国民の審判を仰ぐことなしにつくられてきた税金ですから、もし上げるというなら、私たちは絶対反対ですけれど、今度の選挙で審判を仰ぐべきだと、それなしに増税することは絶対許さないと強く訴えています。

 森永 社会保障の面では、国保料を一人一万円下げるといってますが、これも含めて、財源をどうお考えですか。

 志位 財源は、まず、消費税には頼らない。その上で、無駄遣いに大きくメスを入れる必要があると考えています。とくに道路特定財源は国と地方で約六兆円ありますが、道路にしか使えない。無駄な道路をつくる仕掛けになっているんですが、これを福祉にも使えるようにする。軍事費でも、米軍への「思いやり予算」とか、グアムへの基地移転などに三兆円出してやるとか、こういうやり方をストップする。同時に取るべきところから取りませんと、財政が成り立ちませんから、その点では、大企業と大資産家ですね。もうけ相応の負担を求める。

政治の変化求める国民の期待にこたえる

 森永 庶民の立場に立ってということだと思うんですけど、ただ世論調査を見ると、必ずしも共産党に追い風が吹いてるというわけではない。この状況をどう分析されてますか。

 志位 私自身も北海道から沖縄までずっと訴えてきましたけれども、これまでになく多くのみなさんが足を止めて聞いてくれますし、熱い反応が返ってきます。安倍政権への怒りは非常に沸騰している。政治の変化を痛切に求めていると思います。ですから、そのなかで日本共産党が、この間違った政治に一番正面から対決できる政党なんだということを伝えきれば、残り五日間、広げきれば、いい結果につながると思っています。ぜひ頑張りぬいて、国民のみなさんの期待にこたえる結果を出したいと思っています。

 森永 志位さん、ありがとうございました。