2007年7月18日(水)「しんぶん赤旗」

中越沖地震 避難1万2000人

雨 余震 募る不安

共産党が募金活動


死者9人不明1人

 震度6強を記録した新潟県中越沖地震で、被害の大きかった柏崎市などでは地震から一夜明けた十七日もライフラインが寸断されたまま、市民は雨にもたたられ、余震への不安を抱えながら不便な生活が続きました。

 地震による死者は計九人、一人が行方不明となっています。重軽傷者は新潟県が千九十人、長野県が二十八人、富山県が一人の計千百十九人となり、時間の経過とともに被害の深刻さが浮き彫りになるなか、支援の輪が広がりました。

 日本共産党は志位和夫委員長を先頭に各地で救援・募金にとりくみました。

 新潟県内の住宅被害は、全壊が三百四十二棟、半壊を含む一部損壊が八百三十四棟。長野県でも半壊が百三十七棟に。新潟県の八市町村で約一万二千人が避難しました。

 東北電力によると、十七日午後九時現在、柏崎市などを中心に約二万四千戸が停電しています。同市内の水道は同日午前四時現在、約三万九千世帯で断水が続き、各地から集まった給水車百台近くが小中学校などで水を供給しました。

 各地から支援物資が到着し、各避難所にも仮設トイレを設置、被災家屋の危険度判定も始まりました。

共産党が募金活動

志位委員長先頭に東京で呼びかけ

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(写真)党員とともに、新潟県中越沖地震の救援募金を訴える志位和夫委員長(中央)=17日、東京・新宿駅西口

 東京・新宿駅西口の街頭では、小雨のなか、志位和夫委員長を先頭に、「被災者救援募金にご協力ください」と横断幕、プラスターをかかげて訴えました。募金箱をもって呼びかける志位氏に、「がんばってください」と募金に応える通行人の姿が後をたちませんでした。

 志位氏は、「中越地方は三年前にも地震がありました。再建途上のみなさんが、また困難に直面しています。また、柏崎刈羽原発の放射能漏れも起こりました。政府が万全の対策をとることはもちろんですが、私たちは野党であっても、お役に立つことをと、全国で救援募金を呼びかけています」と訴え。自身も十八日に現地入りすることものべ、「ご協力をお願いします」と呼びかけました。

 若い二人づれの女性から初老の男性まで年齢を問わず、硬貨、紙幣で募金に応じる人々が相次ぎ、志位氏に握手を求めて募金する若い男性もいました。

 通りがかりで募金をした男性(70)は「中越地方には身内がいる。人ごととは思えない。わずかなお金でも励ましになると思い、募金した。こういう役に立つことをするのが大事だ。共産党もなかなかやるなと思った」と話していました。

井上党対策副本部長らが現地調査

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(写真)納屋がつぶれた家の前で、住民から被害の様子を聞く井上さとし参院議員・党中越沖地震対策副本部長(左端)ら=17日、新潟県長岡市寺泊

 日本共産党の井上さとし党対策副本部長(参院議員・比例候補)らが十七日、被災地の長岡市大積地区、同寺泊地区で現地調査し、被災者を訪ねて激励しました。

 一行は長岡市大積・千本地区の、長岡と柏崎を結ぶメーンルート、国道8号が激しく破壊された現場を調査しました。山がのしかかり、約二百メートルにわたって道路が二十メートル近くずり落ちています。

 現場近くに住む、女性(59)は、通所作業所に通う息子がいますが、8号が使えなくなり、う回路は時間が三倍もかかるため、作業所に通えなくなっています。

 寺泊敦ケ曽根地区の女性(83)宅は、屋根がわらが半分近く地面に滑り落ち、二階まで貫く通し柱が二本折れました。二階は物が散乱。「どこから手をつけたら…」と力なく語りました。

 区長をしているという男性が、渋る行政を説得して避難所を設けさせ、二十六人を移動させたと話しながら、「国や自治体は実態をよくつかみ、敏速に対応してほしい」と訴えました。

 出雲崎町では、小林忠敏副町長と懇談。小林副町長は「激甚災指定を申請した。一刻も早く指定されるよう協力をお願いしたい」と語りました。井上副本部長は「党としても実現に尽力したい。要望があればすぐに伝えてほしい」と救援への協力を約束しました。

 調査には、山岸やすお参院比例候補、たけだ勝利同新潟選挙区候補、山口典久党長野県委員会書記長、竹島良子県議、五十嵐完二前県議、長岡市議団、柏崎市議団が加わりました。


救援募金受け付け 共産党

 日本共産党中央委員会は、「新潟県中越沖地震救援募金」を受け付けています。募金の送付先は、次の通りです。なお、救援物資の受け付けはしておりませんので、ご了解ください。

 【郵便振替口座】00170―7―98422

 【口座名義】日本共産党中央委員会

 送金する際は、振替用紙の通信欄に、必ず「地震救援募金」であることを明記してください。