2007年6月16日(土)「しんぶん赤旗」

参院選での前進 必ず

志位委員長訴え 埼玉演説会に8000人超

今の「たしかな野党」は未来の「たしかな与党」


 日本共産党の志位和夫委員長は十五日、梅雨の晴れ間に、さいたま市の「さいたまスーパーアリーナ」で開かれた党演説会で、公示予定日まで三週間を切った参院選で、比例代表予定候補の紙智子参院議員はじめ五人全員の当選とあやべ澄子埼玉選挙区予定候補の議席獲得を訴えました。埼玉初の党員首長、頼高英雄蕨市長も歓声に包まれて登壇しあいさつ。県下各地から八千を超える人が参加し、盛り上がりました。

 志位氏は、くらしと憲法の二つの争点について力説し、「今度は共産党に」との国民の願いを前進につなげ、政治を転換しようと呼びかけました。


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(写真)さいたま市で開かれた日本共産党演説会。志位和夫委員長の訴えを聞く参加者= 15日、さいたまスーパーアリーナ

 さいたま市のさいたまスーパーアリーナで十五日、日本共産党の志位和夫委員長を迎えた演説会が開かれました。県下各地から百二十八台のバスや電車で八千人を超える人々が参加し、公示予定日まで三週間を切った参院選勝利への熱気がみなぎりました。比例代表予定候補の紙智子参院議員、あやべ澄子埼玉選挙区予定候補が党躍進を訴えました。

 党埼玉県委員会は演説会成功に向け、すべての党員、「しんぶん赤旗」読者、後援会員や知人などに幅広く参加を呼びかけ、さいたま市内の農協や医師会、労組などを訪問し、案内してきました。子どもを抱っこしたお父さんや作業着姿の労働者、おそろいのジャンパーを着た後援会の一団などが演説に聴き入りました。

 志位委員長は演説の冒頭、三日の選挙で見事初当選した、日本共産党員の頼高英雄・蕨市長の話題に触れ、「全国が喜んだこの勝利は、激動の時代を象徴するものです。参院選でこのチャンスを逃してなるものか」と訴えると、聴衆の笑顔と満場の拍手に包まれました。

 つづいて志位氏は、「消えた年金」、自衛隊の国民監視、そして参院選の二大争点である「貧困と格差」、改憲問題で事態の深刻さと、これを根本から打開する日本共産党の立場、展望を正面から語りました。

 貧困と格差の問題では、安倍政権による「棄民政策」を厳しく告発するとともに、税制、社会保障、雇用の三つの分野での転換を呼びかけました。とくに、この日発表した「日本共産党宣言」にある「緊急福祉一兆円プラン」を紹介し、日本共産党の前進で政治の姿勢を変え、高すぎる国民健康保険料の値下げ、国による介護保険料の減免制度や乳幼児医療費無料制度の就学前までの実施など国民的要求を実現しようと訴えると、聴衆は「うんうん」と聴き入ります。

 改憲問題では、安倍首相の狙いが、ずばり、イラクのような無法な戦争に、「米国と肩を並べて参戦する国」にすることにあると指摘。さらに、米高官が「九条は日米同盟の邪魔者」とのべていることに、「邪魔者というなら日米同盟こそ邪魔者だ」と喝破すると、会場はどっと沸き、拍手が響きました。

 志位氏は最後に、「いまほど『たしかな野党』が必要な時はない」とのべ、日本共産党が自公の暴走にストップをかける「たしかな」立場、信念、勇気を持ち、さらに民主党の「ふたしかさ」と対比したときにさらにそれが鮮明になると力説しました。

 同時に、「『たしかな』野党は、いつまでも野党でいることが『たしかな』党ではありません」とのべると、会場は爆笑の渦。志位氏が、「いまたしかな野党の役割を果たすことが、未来のたしかな与党につながります」と訴えると、笑顔の聴衆の顔がきゅっとひきしまりました。

 あやべ選挙区候補は、学生時代を広島で過ごした入党の原点を語り、紙参院議員は、中学の同窓会で入党の理由を聞かれて話したことを紹介。「一人ひとりが自分の言葉で心を込めて語り広げれば、勝ち抜くことができる」と強調しました。

 定数三の埼玉選挙区では、あやべ候補のほか自民一、民主二、公明一、社民一、国民新党一が出馬を予定しています。

 演説会では、頼高蕨市長が駆けつけ、あいさつしました。頼高市長は同日の市議会で、公約の下水道料金などの連続値上げ中止を表明したことをのべ「本気で取り組み訴えれば必ず市民の心に届き、大きな力となって政治を動かす。志をさらに大きくして活動を進め大きな前進をぜひ勝ち取ってください」と力を込め、拍手に包まれました。