2007年2月18日(日)「大阪民主新報」に掲載

日本共産党の前進こそ日本の政治をよくする道

大阪城ホール2・5日本共産党大演説会

志位委員長の訴え(大要)


 2月5日、大阪城ホールで開かれた日本共産党大演説会(同党府委員会主催)での志位和夫委員長の演説大要を紹介します。

 みなさん、こんばんは。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫でございます。(拍手)

 今日はこんなに広い会場にたくさんのみなさんが足をお運びくださいまして、まことにありがとうございます。さきほど亀田美佐子さんには、初めての前座をしていただきまして(笑い)恐縮しております。あわせて感謝の気持ちをのべたいと思います。(拍手)

「産む機械」発言徹底審議で柳沢大臣は罷免に

 いっせい地方選挙、参議院選挙が目前に迫ってきました。

 柳沢伯夫厚生労働大臣の発言がいま大問題になっています。「女性は子どもを産む機械」という発言が、女性の人格と尊厳を否定する、最低・最悪の発言であることは論をまちません。くわえて重大なのは、柳沢大臣が、その言葉に続けてこう言ったことです。「あとは産む役目の人が一人頭でがんばってもらうしかない」。

 この発言には、女性を国家の人口政策の道具としてしか考えない思想があらわれているのではないでしょうか。ドイツの「ウェルト」という新聞が、柳沢発言を痛烈に批判した日本のコラムニストのつぎの言葉を紹介しています。「女性は、人口問題を解決するために子どもを産むのではない。幸せのためだ」。(拍手)

 子どもを生み、育てることに、幸せと安心を感じられるような社会をつくることが政治の役割のはずであります。その責任を果たさないで、国家の都合のために、「一人頭でがんばってもらう」、これは考えが全く逆立ちしていると言わなければなりません。

 私は、1月30日の代表質問で柳沢大臣の罷免を要求しました。安倍首相は「厳重注意をする」と言いながら居座りをつづけさせ、与党単独で補正予算案の審議をおこない、単独で採決を強行するというルール無視の暴走をつづけています。これは罪に罪をかさねるものです。

 日本共産党は、今日(2月5日)自民・公明にたいして、ルール無視の暴走をやめ、ただちに与野党の国会対策委員長会談を開いて、国会の正常化に向けた協議をやろうではないかと申し入れました。自民党はそれを受けて、与野党の国会対策委員長会談を呼びかけました。ここは与野党が話し合いで正常化に持っていくべき局面です。

 みなさん、国会は議論する場所です。ですから私たちは一刻も早く国会を正常化し、柳沢大臣の発言問題を、徹底審議を通じて、その問題点をはっきりさせ、罷免に追い込む。このために力をつくしたい。このことをここでお約束したいと思います。(拍手)

貧困と格差をどうやってただしていくか

 さて、日本の政治の争点はどこにあるのでしょうか。私は先日の代表質問で、安倍総理にいくつか正面からただした問題があります。

 まず、暮らしの問題です。

 首相の施政方針演説は40分もかかる長いものでしたが、その中に、「貧困」という言葉も、「格差」という言葉も一言も出てきません。これだけ大問題なのに一言も触れられません。そこで私は、代表質問で、3つの角度からこの問題をただしました。

貧困と格差の実態をどう認識しているのか

 第一は、いったい安倍首相はいまの日本の貧困と格差の実態をどう認識しているのかという問題です。

 この間、NHKテレビが、「ワーキングプア」(働く貧困層)と銘打った特集番組を連続して放映しました。「ワーキングプア」というのは、懸命に働いても生活保護水準以下の暮らししかできない世帯をさすそうですが、10世帯に1世帯以上、4百万世帯以上と言われています。

 番組を見ていて胸が詰まったのは、母子家庭のお母さんの姿でした。2人の子どもさんを育てながら、昼と夜2つのパートを掛け持ちして働いている。昼のパートだけだと、時給が650円しかえられない。手取りが7万円程度にしかならず、とても暮らせない。そこで夜も働いています。家に帰るのは、真夜中の2時。睡眠時間は毎日4〜5時間という話でした。そのお母さんが、「あと10年がんばれば、自分の体がぼろぼろになっても、子どもたちは巣立つ」。こう語っていたのが本当に胸にささりました。

 みなさん、シングルマザーがわが身を犠牲にしなければ、子どもが育てられないような社会を、まともな社会と呼べるでしょうか。私はけっして呼べない、こう言わなければならないと思います。(拍手)

 私は、安倍首相に聞きました。「首相の基本認識を聞きたい。いまや貧困は、一部の国民の問題ではありません。病気、失業、老いなど、身近なことをきっかけに、だれにでも起こりうる問題になっている。そしていったん貧困に落ち込んだら、多くの場合は、どんなに努力しても、そこからは容易に抜け出せない現状になっている。総理はそういう認識を持っていますか」。

 安倍首相の答弁はひどいものでした。「国民が、容易に貧困に陥ることのないようにしたい」「国民が、貧困から容易に抜け出せないことにならないようにしたい」というのです。しかし、私は、首相が「したい」かどうかを聞いたのではないのです。貧困の深刻な現状をどう認識しているのか、このことを聞いたのです。ところが首相にはその認識がまったくありません。この一事をとっても、こういう人物が内閣総理大臣をやっているということは、日本の大問題だと私は感じるものであります。(拍手)

 私は、もう一つ聞きました。「『ワーキングプア』ということが問題になっているが、政府は実態の調査さえしていないじゃないですか。実態の調査をして国としての抜本的な対策を立てるべきではありませんか」。

 これに対する首相の答弁はもっとひどいものでした。「調査をしなくても、だいたいの把握はできる」。調査をしようともしないんですね。私は、なんと心ない答弁だと、情けない思いで聞きました。

 みなさん、貧困と格差がこれだけ大きな社会問題になっているのに、その実態も知らない、調査もしないで、「再チャレンジ」と言ったところで、これは虚しいだけの話になるではありませんか。(拍手)

予算のあり方所得の再配分の役目こそ

 第二に、私は、そういうなかで国の予算のあり方はこれでいいのかということをただしました。貧困と格差が広がったら、税金と社会保障によって所得の再配分をおこなう。つまり大金持ちの方から、貧しい方へ所得を移す。それが予算の役割のはずです。

 ところが、来年度の政府予算案は、庶民には大増税と社会保障の切り捨てです。定率減税を廃止して、さらに1兆7千億円の増税をかぶせようとしています。生活保護の母子家庭への母子加算の廃止までやろうとしています。他方、空前の大儲けをあげている大企業や大金持ちには、1兆円の減税で大盤振る舞いをしようとしています。

 これはまったく「逆立ち」しています。「この逆立ちをただせ」と私は要求しました。首相の答弁は、ここでも心ない答弁でした。「大企業を応援して経済成長が続けば、いずれは国民の家計も豊かになります」というのです。

 しかしみなさん、事実はその反対ですね。この5年間のデータを見ますと、大企業は、19兆円から29兆円に10兆円も利益が増えました。

 ところが、この10兆円。国民のみなさんに還元されていますか。反対にみなさんから吸い上げて儲けたお金じゃないですか。同じ期間に、大企業で働く人の給与の総額は2兆円も減りました。

 パート、アルバイト、派遣、請負など、不安定雇用に置き換え、働く人の賃金を削りに削って大儲けした大企業に、これ以上の減税をする理由などどこにもない。私は、そのことを言いたいと思います。(拍手)

 そして私は、生活保護の母子家庭のみなさんへの母子加算の廃止をやめよということを訴えました。それに対して首相はなんと答えたか。

 「生活保護を受けている母子家庭と、受けていない母子家庭を比べると、生活保護を受けているほうが、収入が多くなっている。だから公平のために削る」というのです。

 しかし、生活保護の母子家庭の実態は、ほんとうに大変です。私は、広島の、あるお母さんからこういう訴えを聞きました。病気で働けないお母さんです。

 「怖いことが三つある」というのです。まず、第一は食費です。子どもたちがどんどん大きくなって食べ盛りになる。食費がかかるのが怖い。第二は、着るものです。どんどん大きくなれば、新しい服が必要になります。そして第三は、夏休みです。遊びにも連れていけない。海水浴にも連れていってやれない。

 こういう生活を強いられているのが、生活保護を受けている母子家庭の実態です。

 みなさん、「公平」と言うのだったら、こういうきびしい暮らしをしいられている生活保護の母子家庭から母子加算をとりあげるのではなくて、生活保護を受けていない母子家庭の暮らしの水準を、いかにして引き上げていくかということに責任を持つのが、政治のつとめではありませんか。(拍手)

人間らしい労働のルールを

 私が、第三にただしたのは、人間らしい労働のルールをつくる必要があるということです。いまの貧困と格差の広がり根本には、人間らしい労働のルールが日本では異常なまでに貧しいという問題があります。私は、三つの問題を提起しました。

 一つは、「サービス残業」ただ働きと、「偽装請負」派遣なのに請負を装うという、二つの無法を職場から一掃すべきだという要求です。

 二つ目は、「ホワイトカラー・エグゼンプション」ホワイトカラー労働者の残業代を取り上げてしまうとんでもない法案、いわば「残業代取上げ、過労死促進法」は断念しなさいという要求です。

 三つ目は、最低賃金を抜本的に引き上げて全国一律の制度にすべきだという提案です。日本の最低賃金は都道府県ごとに決まっていますが、その平均は時給673円です。労働者の平均的所得のわずか32%です。年間3千時間働いても、2百万円しか収入が得られない。3千時間といったら過労死ラインをこえるような働き方です。これはあまりにも低すぎる。全労連や連合も、当面、時給1千円を目標にすべきだと要求していますが、わが党は、これを支持するということを表明しました。

 これは労働者全体の平均的所得の5割を目標にしようということであり、道理ある要求です。国際水準では労働者の平均的所得の5割を下回ったら貧困世帯になります。つまり、懸命に働いても貧困から抜け出せないような社会から脱出しようというのが、せめてまず1千円をという要求ですから、これはしごくもっともな要求ではないでしょうか。(拍手)

 首相の答弁は、「サービス残業」と「偽装請負」の二つの無法については、「厳格な対応」を徹底し、取り締まると言いました。

 ところが「残業代取り上げ法案」については、撤回すると言わないんです。「国民の理解を得る」と言います。しかしみなさん、「サービス残業」をなくすというのだったら、どうしてそれを合法化する法律がすすめられるでしょうか。まったく矛盾しているではありませんか。

 そして、最低賃金の抜本的引き上げについては、「中小企業を圧迫するので非現実的」だと拒否しました。私は、この答弁を聞いて、自分の都合にあわせて中小企業をもちだすのは卑怯だと思いました。

 だいたい自民党に中小企業のことを言う資格があるでしょうか。単価の買いたたきなど、下請いじめを放置してきたのはだれでしょうか。大型店を野放しにして地元商店街を苦しめてきたのはだれでしょうか。中小企業いじめをやめさせる、そういう施策と一体に最低賃金を引き上げる。これをしっかりやれば業者のみなさんの営業と生活を守りながら、労働者の賃金を引き上げることはできる、この道が開かれてくると思います。(拍手)

 みなさん、日本共産党は、格差と貧困の打開のために、全国の草の根から現状を一歩でも二歩でも改善するためにがんばっている政党です。「困ったときには日本共産党に生活相談を」といわれることは、私たちの最大の誇りです。民主的な団体と協力して、草の根から貧困と格差をなくすためにがんばっている政党が日本共産党であり、同時に、予算の使い方、労働のルールという、根源にある問題にメスを入れて、抜本的な解決をめざしているのが日本共産党だということを、ぜひ知っていただきたいと思います。(大きな拍手)

憲法問題時代の変化にあわなくなったのは九条か、自民党か

 憲法と平和の問題も、いまの国の政治の大問題です。

 安倍首相は、いまの憲法は、二一世紀の「時代の大きな変化にあわなくなった」、「時代にそぐわない典型が憲法九条だ」と言って、これを変え、アメリカとともに「海外で戦争をする国」をつくろうとしています。

 私は、代表質問で聞きました。「時代の大きな変化にあわなくなったのは、憲法九条か、それとも自民党政治か」。

 イラクを見ればはっきりします。アメリカが引き起こした侵略戦争と占領支配が大破たんをとげています。こんなときに、いまだに「アメリカの戦争は正しかった」などと、のんきなことを言っているのは日本の政府くらいのものです。

 私は、イラクの現実は、どんな超大国であっても軍事力では世界を動かせない時代となった、紛争が起こったら国連憲章に基づいて平和的・外交的に解決するのが当たり前の時代になった、つまり、「軍事」から「平和と外交」の時代になった。「時代の大きな変化」というなら、この変化をこそ見るべきではないかと考えるものであります。(拍手)

 こうしてみると時代の変化のさきがけを行くのが憲法九条です。変化についていけなくなった絶滅した恐竜のような存在が自民党政治です。

 私は、昨年9月に、韓国を初めて訪問しました。そこでさまざまな方々と対話をおこないましたが、共通して出されたのが、「日本の右傾化」への不安と、「平和憲法を守ってほしい」という願いでした。私は、韓国の友人のみなさんに、あるいはメディアの取材にたいして、「たしかに危険な状況はあるけれども、『9条の会』が全国に大きく広がるなど、日本では平和と良心の勢力の運動が大きく発展しています」という話を必ずしました。そうしますと、先方からも、「それならば、もっとがんばってほしい」。こういう反応がかえってまいります。

 韓国に行ったときに、ソウルの延世大学で、学生のみなさんに講演と質疑をする機会がありました。質疑もぶっつけ本番でありまして、どこかの国の「やらせ質問」とは違います(笑い)。韓国の学生のみなさんが、いろいろな感想をよせてくれました。

 「平和憲法九条を守ってください」という感想も寄せられました。「憲法九条を持っている日本が、私にはうらやましい。特別講義で日本共産党の党首が、『平和憲法は必ず守ります』ときっぱりおっしゃったとき、喉がかわいた鹿が井戸にであったように、私の体の中から感激がおこりました。日本の平和憲法守護運動に賛同します」。たいへんうれしい感想であります。(拍手)

 今日は、民団の代表の方もおみえになっているとうかがいました。心からの歓迎を申し上げたいと思います。(拍手)

 この感想に接しまして、憲法九条というのは、日本の宝だけではない。アジアの共通の宝です。これを守ることは、アジアの国に対する私たち日本国民の責任だと自覚して、がんばりぬきたい。この決意を申し上げたいと思います。(大きな拍手)

「政治とカネ」感覚マヒの根源にあるもの

 国政の問題ではもう一つ、「政治とカネ」についても、この間、重大な問題がもちあがりました。「事務所費」問題が大問題になっています。

 家賃のいらない国会議員会館を「主たる事務所」にしながら、年間1千万円以上の「事務所費」を収支報告書に記載していた政治家が、自民党と民主党で18人いる。ウソの記載をしていたのではないか。表に出せない金があるのではないか。こういう疑いがかけられるのは当然です。

 そこで、私は、国会で二つのことを求めました。

 第一は、疑惑を指摘された政治家・政党は、この領収書と帳簿を公開したらどうですかということです。やましいところがなかったら、公開すればいいじゃないですか。とくに大臣の伊吹さん、松岡さん、何千万円もの「事務所費」、やましいところがなかったら、公開する意思はありますかと聞きました。

 第二は、安倍首相は、他人事のようなことを言っているけれど、自分が任命した閣僚の疑惑が指摘されているわけですから、自ら解明するイニシアティブを発揮したらどうですか。この二つを聞きました。

 これに対してもひどい答弁です。伊吹大臣、松岡大臣とも、いろいろと言い訳を言い、やましくないと言うのですが、公開はしないと言うのです。やましくなかったら公開したらいい。公開できないというところに、やましさが現れているといわれても仕方がないではありませんか。(拍手)

 安倍首相も、真相解明の意思を一言ものべませんでした。

 私は、国会で言いました。企業献金をもらうだけもらって、そのうえ、国民のみなさんの税金政党助成金をもらっている。自民党の収入の6割は、政党助成金です。「官から民へ」とか言いながら、立派な「国営政党」です。こんなことをやっているから、感覚マヒに陥るのではないですか。国民のみなさんの税金を、ガッポガッポと平気でもらって、額に汗して募金を集めるという努力をやらないから、お金の感覚マヒに陥っているのではないですか。

 私が、総理に聞きましたら、こういう答弁でした。「感覚マヒにつながっているとのご指摘は、まったくあたりません」。やっぱり感覚マヒに陥っているから、感覚マヒがわからないんだなと痛感したしだいです。(笑い、拍手)

 みなさん、この問題でも、企業献金を受け取らない、政党助成金を受け取らない、この立場にたっている日本共産党こそ、政治腐敗、堕落を一掃する本当の力を持っている。このことをみなさんに訴えたいと思います。(拍手)

国政の大問題根源からただせる党は日本共産党

 みなさん、三つの国政の大問題貧困と格差の問題、憲法と平和の問題、政治とカネの問題、どの問題でも、正面から問題の根源を追及し、ただす立場をもっている政党は、日本共産党だけであります。

 民主党は、「格差是正」ということを口では言います。しかし中身はありません。なぜなら、派遣労働の拡大など労働法制を悪くする「構造改革」の旗振りをやってきた政党だからです。憲法問題でも、民主党は、こんどの国会では、いまのところだんまりです。口にしたら、九条改定では、自民党と民主党に違いがないことがわかってしまうから、口にできません。「事務所費」問題も、衆議院と参議院の代表質問で、二人の大臣の疑惑を二人に直接聞いたのは、私一人です。あとの野党は、ただの一人も聞きませんでした。民主党は質問できません。なぜなら代表や政調会長が疑惑の対象となりながら、すすんで明らかにしようとしていませんから。伊吹大臣や松岡大臣に聞いたら、「それではあなたはどうするのか」。こういわれるでしょう。

 みなさん、どの問題でも、いまこそ「たしかな野党」が必要ではないでしょうか。この党を伸ばしていこうではありませんか。よろしくお願いします。(大きな拍手)

地方政治の争点は、自公民「オール与党」か日本共産党か

 さて、地方政治の問題ですが、地方政治にいきますと、府議会でも、大阪市議会でも、堺市議会でも、日本共産党以外の政党自民、公明、民主などは、すべて文字通りの与党です。すなわち知事や市長の出す予算案や議案に、なんでも賛成する。文字通りの与党です。ですから、地方政治の争点は、簡単明瞭です。自公民「オール与党」を選ぶのか、日本共産党を選ぶのか。これがズバリ争点です。

 こちらにうかがうさいに、「オール与党」の府政・市政について調べてきましたが、三つの特徴があると思います。

自治体に「福祉の心」をとりもどそう

 第一の特徴は、「福祉の心」がないという問題です。

 自治体というのは、「住民福祉のための機関」です。ですから国が悪い政治をやったら、そこから住民の福祉と暮らしを守ってこそ、自治体と言えます。

 ところが自公民「オール与党」の府政・市政を見てください。国が冷酷な政治をやったら、それに追い打ちをかける冷酷な政治をやっているではありませんか。

異常な負担増の押し付け

 たとえば異常な負担増の押しつけです。昨年6月、定率減税が半減され、お年寄りへの増税が強行され、連動して国民健康保険料や介護保険料が値上げされるという、「雪だるま式負担増」ともいうべきひどい負担増が押しつけられました。「住民税が数倍から10倍になった」という怒りが沸騰しました。今年は定率減税の廃止によって、二度目の「雪だるま式負担増」が押しつけられようとしています。これらはすべて国がやっていることです。

 ただ、そのときに大阪市は何をやっているのか。これをよく見ていただきたい。国がこういう負担増の大波をかぶせているときに、大阪市は、独自に介護保険料と国民健康保険料の大幅値上げという追い打ちをやっているではありませんか。ですから大阪市にきますと、「スーパー雪だるま式負担増」ともいうべき状態になっている。ほんとうにひどい負担増です。

 たとえば、年金月額20万円を受け取っているお年寄りの場合、04年の税金と保険料負担は9万3千円でした。それが昨年06年には、22万3千円まで膨らみました。ところがこれで終わりではありません。来年08年には35万2千円になろうとしています。つまり負担増だけでも25万9千円。1・3カ月分の年金が召し上げられてしまう。こんなひどい「スーパー雪だるま式負担増」をやっているのは、全国の中でも、とりわけ大阪市はひどいということを言わなければなりません。

 国保料と介護保険料を調べて驚きました。全国には15の政令市がありますが、国保料の高さは堺市が第2位、大阪市は第4位。介護保険料は堺市が1位、大阪市は3位です。こんな金メダルと銅メダルは(笑い)、ちっともありがたくありません。

 国が大増税の波をかぶせてきたら、そこから住民を守るのが自治体の役目でしょう。ところが反対に、自治体独自の負担増で追い打ちをかける、これが自公民「オール与党」です。選挙できびしい審判を下そうじゃありませんか。(大きな拍手)

冷酷無情な国保証のとりあげ

 それから怒りをおさえられないのは、国民健康保険証の取り上げ問題です。国保料が高すぎて払えない。容赦なく保険証の取り上げをおこなっています。大阪府の資格証明書の発行は5年間で6・4倍、2万2866世帯にもなります。資格証明書に置き換えられますと、お医者さんの窓口で10割全額負担になります。

 朝日新聞の昨年8月4日付『国保滞納の困窮に追い打ち、あえぐ企業城下町、大阪門真市』という記事が載りました。門真市でプラスチック加工工場を営んでいる業者の方で、受注が減って国保料を滞納せざるを得なくなった。そうしたら、医療保険証を取り上げられた。その業者の方は、切々とこう訴えています。

 「『この証で診察を受けるときには、診療費用の全額を支払ってください』と記された資格証を手にしたとき、『家族丸ごと、ついに国に切り捨てられたか』との思いがこみあげた。……長女は慢性的な頭痛に悩み、ぜんそくの持病もある。『でも気をつかってか、病院に行ったことがない。父親として申し訳ない』」。

 しかしみなさん、「申し訳ない」のはお父さんじゃありません。政府であり、府であり、市の責任が問われているのではないでしょうか。(拍手)

 国保証の取り上げは、国が号令をかけてやっているものです。全国では32万世帯が資格証明書に置き換えられ、そのため、お医者さんに行くのが遅れて、手遅れで亡くなった方が、この数年で少なくとも21件。でもこれは氷山の一角です。

 資格証明書というのは、こんなにむごいやり方はないと思います。だいたい払いたくても払えない人がやむなく滞納しているわけです。そういう方から保険証を取り上げて、病院の窓口に行ったら全額負担せよと。これは、国民すべてに健康を保障するということが目的のはずの国民健康保険の目的に、真っ向から反するやり方ではないでしょうか。(拍手)

 私は、具体例もあげながら、代表質問で首相に、「こういう取り上げはやめるべきだ」と迫りました。首相は、ここでも心ない答弁をしました。「負担能力があるにもかかわらず保険料を納めていない方からの取り上げは当然です」。「負担能力がある」というが、払いたくても払えないという人の実態が見えないのか。私は、強い憤りをもって、この答弁を聞きました。

 みなさん、国がこういう姿勢ですから、自治体の姿勢が問われますね。自治体によっては資格証明書への置き換えを抑制したり、やっていない自治体もあります。さすがにこれはやってはならないことだと、やっていないところも少なくない。

 しかし大阪市は、国言いなりの取り上げをやっている。けしかけているのは自公民「オール与党」です。私は、議事録をずっと読みました。自民党の議員は、滞納世帯には「差し押さえをやれ」とまで言っています。民主党の議員は、「まだまだ十分な対応ではない」と取り立てを迫っています。市議会は取り立て屋ではない(拍手)。そんなことが市議会の仕事ではない。市民のみなさんの暮らしを守ることが仕事ではありませんか。(大きな拍手)

 日本共産党を勝利させて、保険証の取り上げをやめさせ、保険料の減免をかちとろうではありませんか。(拍手)

生活保護世帯への見舞金廃止

 生活保護世帯への見舞金の廃止というのもひどいと思います。国ではいま、生活保護の切り縮めをすすめています。まずお年寄りの世帯への加算をなくし、つぎに母子世帯への加算をなくそうとしています。

 そのときに大阪府は何をやっているか。05年度から府独自の夏期と歳末に出ていた見舞金制度を廃止してしまいました。この見舞金制度というのは、1963年以来、40年以上の歴史を持つ制度で、大阪府自身が、こう説明していました。「国の生活保護の改善がなされるまでの間、府として一定の役割を果たす必要がある」。こういって、ささやかだけれども夏と暮れに上乗せをしてきたのが、この制度でした。それをバッサリ切りました。

 生活保護というのは、憲法25条の生存権のぎりぎりを守っている制度です。ここにまで、国は手をつけだしました。そのときに府が追い打ちをかける。これでは、何のための自治体かということになるではありませんか。(拍手)

「オール与党」自治体ないのはお金でなく「福祉の心」

 日本共産党の地方議員団のみなさんは、府民の運動と力をあわせ、こういうなかで一歩でも二歩でも、府民のみなさんの暮らしを良くするためにがんばってきました。

 大阪では、障害児・乳幼児・母子家庭への医療費自己負担制度は導入されましたが、そのさいにも、自己負担の軽減策をとらせました。

 少人数学級実現のために、府民のみなさんが毎年百万筆もの署名を集め、日本共産党と力をあわせて、昨年小学校1年生、今年2年生から、とうとう実現したことも、みんなでかちとったうれしい成果と言えるのではないでしょうか。(拍手)

 みなさん、自公民「オール与党」の府政・市政にないのは、お金じゃありません。「福祉の心」です(拍手)。日本共産党を伸ばして、自治体に「福祉の心」を取り戻そうではありませんか。どうか、よろしくお願いいたします。(拍手)

ケタ外れのムダづかいをただそう

 第二に、無駄づかいの方はケタ外れなんですね。大阪に来ますと、関空2期工事とか、りんくうタウンなど、見通しのない巨大開発にあぜんとすることばかりですが、今日こちらにくるさいに、いろいろ調べて、さらにあぜんとしたことがあります。

使われない夢舞大橋

 たとえば、夢舞大橋というのをご存じでしょうか。朝日新聞が、『大型開発はとまるか』という記事を出しました。そこで痛烈な批判をやっています。大阪湾の2つの人工島夢洲、舞洲を結ぶ橋が夢舞大橋です。この橋は大型船が通過する際にタグボートで橋を動かして航路を開くという旋回式の橋だそうです。これは世界になかなかないということで、自慢しているそうです。総事業費を635億円もかけて、2001年に完成しましたが、残念ながら大型船が通らないんですよ(笑い)。これまで橋を開閉しようとしたことが何回あるかと思って調べましたら、5回ありますが、5回とも訓練なのです(笑い)。その5回のうち2回は橋が開かなくて、訓練が失敗している(笑い)。大型船は1回も通ったことがないのです。

 この記事は最後にこう結んでいます。「自慢の機能が宝の持ち腐れになって、市幹部は『巨額の税金を使ったガラクタと批判されかねない』と嘆く」。

 こんなもののために、635億円というのは、まさに道楽的な無駄づかいと言うしかないではありませんか。(拍手)

ゴミと化した廃棄物収集システム

 それからりんくうタウンがありますね。6954億円という巨額の事業費をつぎ込みました。17年たちましたが、分譲率は45%。最終赤字は、1800億円と言われております。去年の5月8日の毎日新聞ですが、「りんくうタウンに58億円。ゴミと化す、廃棄物収集システム廃止」という記事をだしました。りんくうタウンでは、進出した企業のために地下に廃棄物収集システムが作られているというのですが、これを使われないまま廃止したというのです。

 このシステムは、ゴミを空気の圧力でタウンにある収集センターに集めるというもので、総延長2・7キロ、58億円をかけて作りました。当初の計画では、1日160トンのゴミが発生するはずでしたが、その1%の1・6トンしかゴミが出ない。りんくうタウンは、ゴミにも見放されたというわけです(笑い)。

 そしてこのシステムは廃止され、ゴミ収集システムがゴミになったというのが(笑い)、この記事の痛烈な批判です。こういう無駄づかいもやっています。

 このりんくうタウンなどに、何とか進出企業を誘致しようというので、最近、府がとんでもないことを決めたのをご存知でしょうか。誘致企業には、補助金を150億円も出すというんです。いままでは30億円だったものを、それを5倍にして、150億円です。1社あたりですよ。

 みなさんの国保証を取り上げ、生活保護まで縮めるようなことをやっている人たちが、1社に150億円をポンと出す。「オール与党」は、自らの失政の尻拭いのために、これ以上の府民の税金を無駄遣いするべきではない、ということを私は訴えたいと思います。(拍手)

“水くみあげ、緑破壊の浪費都市”

 それから、ニュータウンづくりが問題になっていますね。箕面・止々呂美(とどろみ)地域の山を切り開いて、ニュータウンを開発するという「水と緑の健康都市」計画というものです。これは、いったん中断に追い込まれましたが、知事と「オール与党」が復活させました。総事業費が985億円で、計画通りにいっても750億円の赤字になるそうです。

 しかも、このニュータウンにアクセスする道路として、813億円をかけて「箕面グリーンロード」というのを作りました。そのトンネルが、とんでもないことをしでかしました。環境被害であります。

 昨年12月の大阪毎日放送『VOICE』というニュース番組で、「衝撃の真相、箕面の滝は人口滝だった」というのをやりました。大評判だと聞きました。トンネル工事で地下水の水系が壊されて、江戸時代から摂津の名所として年間200万人が訪れる箕面の滝の水が減ってしまった。そこで電気ポンプで地下水をくみあげていたのだというのです。

 この前、私どもは全国都道府県・地区委員長会議をやりまして、そこで大阪の方が、この番組が話題になったと言っていました。「12分間も放送され、府議の堀田文一さんが何度も登場して、視聴率は14%。関西の『冬のソナタ』の視聴率が16%ですから、ブームになりました」(笑い)。

 みなさん、「水と緑の健康都市」というよりも、水くみあげ、緑破壊の浪費都市と言った方がピッタリではないでしょうか(笑い、拍手)。これはいまからでも大本から見直すべきだと私は言いたいと思います。(拍手)

不公正な同和行政の完全終結を

 第三は、同和行政の不正・腐敗は根絶すべきだということです。この間、大阪の同和行政の闇の深さをまざまざと示す二つの事件が起こりました。

 一つは、「解同」系の「芦原病院」事件です。この民間病院が、大阪府と市から出されていた総額320億円という巨額の貸付金・補助金を不正に流用していた。これを糾明したのは日本共産党の市議団です。報告書をもとに、病院が4年間続けて補助金をぴったり1円も残さず使っている、これはどう考えても不自然だと追及しました。病院で買ったという医療機器の製造元に問い合わせました。すると、「納品していません、売っていません」という返事でした。そこから不正が明るみになり、とうとうメスが入りました。共産党の長年の追及が不正をあばきました。

 もう一つは、飛鳥会事件です。「解同」飛鳥支部長の小西という人物が、市から運営を委託された駐車場の収益を過少に申告し、総額1億3120万円もの駐車料金を横領していた事件が明るみに出ました。小西被告は「暴力団より金儲けがしやすいと考え、解同飛鳥支部長に就任した」といいました。横領した金で、自分用に500万円の棺おけ(笑い)、妻に980万円のカルティエの指輪を買ったそうです。この豪華な棺おけを買う心というのは、はかりしれません(笑い)。いずれにせよ、「解同」が暴力団まがいの集団にほかならないことを自ら認める事件となりました。

 この問題も発端は日本共産党の追及です。市営駐車場の疑惑について、「これは怪しい」と、1975年以来、いっかんして日本共産党の議員団が追及してきた問題でしたが、ついにお縄となりました。

 みなさん、日本共産党の勇気ある追及が、いま「解同」の横暴を打ち破ろうとしています(拍手)。この仕事ができるのは、日本共産党しかありません。(拍手)

 「オール与党」は、不公正な同和予算に賛成し、温存してきただけではありません。「解同」と癒着の関係にあります。4年前の府会議員選挙で、民主党19人、公明党8人が「解同」の推薦・応援を受けているじゃありませんか。自民党大阪府連は、牛肉偽装事件で有罪となった、「解同」の役員が会長をつとめていたハンナンに、パーティー券を買ってもらっていた。こんな人たちに府政や市政を任せられない。

 みなさん、「オール与党」へのきびしい審判と、不公正な同和行政の完全終結を求めていこうではありませんか。(大きな拍手)

韓国、パキスタン、ベトナム訪問84年の歴史のもつ重み

 私は、昨年9月に韓国とパキスタン、今年1月にベトナムを訪問する機会がありました。いろいろなことを感じて帰ってきましたが、どこでも共通して感じたのは、日本共産党の84年の歴史の持つ重みであります。

韓国植民地支配に命がけで反対を貫いた党として

 韓国では、植民地支配に命がけで反対を貫いた党だということが、心通う友好の土台になりました。

 私は、最初に西大門(ソデムン)刑務所という、かつて日本帝国主義が朝鮮の愛国者たちを弾圧した刑務所の跡を訪れ、追悼の献花を行いました。そこで韓国のメディアに、そこを訪問した理由を問われ、「日本共産党は1922年に党をつくった最初から、植民地支配に反対し、朝鮮独立の闘争に連帯してたたかってきた歴史を持っています。そういう党として、歴史的同志への敬意と哀悼を捧げるためにここに来ました。そして未来に向けた日韓の本当の友好のために、ここに来ました」とのべました。こういうことをのべることができる政党の一員であることを、私はたいへん誇りに思うものであります。(拍手)

 つぎの日、韓国の国会を訪れ、韓国の林采正(イム・チェジョン)国会議長と会談したら、西大門を訪れて献花したことについて、「韓国国民を代表して感謝します」と言われました。私はこの言葉に胸が熱くなる思いでした。

パキスタン旧ソ連のアフガン侵略に反対した自主独立の党として

 つづいて私はパキスタンを訪問しました。パキスタンの政界のみなさんとの交流で、信頼の根本になったのは、日本共産党が、旧ソ連のアフガニスタン侵略に反対し、自主独立を貫いた政党だということです。アフガン侵攻で、パキスタンは、難民、銃、麻薬が流れ込み、たいへんな被害をこうむりました。それに勇気をもって反対を貫いた日本共産党という政党が日本にある、それが信頼の土台となりました。

 スムロ上院議長と会談したときに、私が日本共産党の自己紹介をしようとすると、先方から、こう言ってくるのです。

 「私は日本共産党について研究しました。1922年に党を創立されて以来、戦前の困難な時期、戦後の党内部分裂などをくぐりぬけ、二つの大きな共産党の干渉にもかかわらず、自主独立を維持してきました。チェコ、アフガン侵略に反対し、自分の頭で考え、路線を定めてきた政党だということを知っています。私は、あなたの党に最大の敬意をもっています」。(拍手)

 こうなってしまうと、私は、自己紹介をする必要がなくなりました(笑い)。この歴史が信頼の源となりました。

ベトナムアメリカによる侵略戦争に反対してたたかった党として

 私は、この1月にベトナムを訪問しました。

 ベトナムでは、アメリカによる侵略戦争に反対してたたかった日本共産党や民主団体の連帯のたたかいが、どこでも生々しい記憶となって残っています。これがベトナムの人たちの、私たちへの信頼の絆(きずな)となりました。

 私は、ベトナム共産党のマイン書記長、ズン首相とも会談しましたが、どの会談でも、「かつての抗米救国闘争に連帯してくれたことは、決して忘れない」と、その感謝から始まりました。

 若い人との交流でも、そのことへの信頼が寄せられました。ハノイ大学で講演をする機会がありました。そこで私たちが青年だった時代に、ベトナム反戦闘争に参加した思い出を話し、「『自由ベトナム行進曲』をよく歌ったものです」というと、今でも若い人はみんなこの歌を知っているのです。私が不覚にも、「いまでも歌詞を暗唱しています」と言ってしまったために、「だったら志位さん歌ってください」といわれ(笑い)、私が300名の学生を前に、一節を歌いましたら、若いみなさんから拍手喝采となりました。(拍手)

 ベトナムでは、ホーチミン市サイゴン市の郊外にあるクチという土地にあるトンネルを訪問しました。これはかつて南ベトナム解放民族戦線が地下にトンネルを掘って戦った跡です。当時米軍は、枯葉剤をまきました。クチの地を、緑を根こそぎにして、死の地にかえようとしました。

 しかし、クチの人々は負けませんでした。トンネルを手掘りで掘って、なんと250キロにわたるトンネル網を作りました。このトンネルに行きますと、なんでもあります。休むところもある、寝るところもある、食堂もある、怪我の手当てをする医療所もある。地下にもぐって戦った。

 私は聞きました。「水はどうしたのですか?」。そうしますと、「水はトンネルのなかに、さらに深い井戸をほって、くみ上げて飲んだ」とのことでした。「食料はどうしたのですか?」と聞くと、自給と周辺の農民がもってきてくれた。「武器はどうしたのですか?」と聞くと、「アメリカ軍から奪ってたたかった」、「アメリカ軍がこないと困った」(笑い)とのことでした。

 しかしここでは、1万8千人の兵士のうち、1万2千人が命を落としたと聞きました。私は、それを聞いて、案内してくれた方に、「ベトナム人民の不屈の闘争に心からの敬意を申し上げたい」とのべました。

 そうしましたら相手からどういう言葉が返ってきたかといいますと、「その言葉に、心から感謝します。しかし同志たちも、同じ立場だったら、私たちと同じようにたたかっていたでしょう」。私は、この言葉に、胸が熱くなりました。これは私たち日本共産党への最大級の信頼の言葉ではないでしょうか。

 韓国でも、パキスタンでも、ベトナムでも、私たちの歴史と綱領が生きて力を発揮しています。

大阪から日本共産党躍進の新しいうねりを

 日本共産党は84年の歴史をもっていますが、この歴史は一言で言えば、苦難の歴史です。一時だってらくらくと前進したときはありません。しかし、その時はたいへんでも、大義に立ったたたかいは、必ず未来に生きるということを、私は、この三つの国の訪問をつうじて強く感じました。

 みなさん、この党の歴史に誇りをもち、綱領に確信をもち、そして、国政と地方政治で果たしている役割に自信をもって、二つの選挙戦での連続勝利を、党の歴史に刻もうではありませんか。(大きな拍手)

 みなさんは「大阪が変われば日本が変わる」というすばらしいスローガンをもっておられます。どうかこの大阪から、日本共産党躍進の新しいうねりを、必ずおこしていただきたい。このことを最後にお願いいたしまして、私の訴えを終わらせていだきます。ご清聴ありがとうございました。(長く続く拍手)