2007年4月6日付「しんぶん赤旗」に掲載

「オール与党」相手の大激戦

必ず勝利を 各地で党幹部訴え

千葉で志位委員長


 「『オール与党』では政治は変わりません。福祉と暮らしを守れの願いを、どうか日本共産党に託してください」

 日本共産党の志位和夫委員長は、いっせい地方選前半戦最終盤となった五日午後、一票を争う大激戦の千葉市花見川区、美浜区を駆け巡り、県議候補、市議候補とともに力の限り訴えました。

 花見川区では、県議定数三をめぐり、日本共産党の現職、小松実候補と、自民、民主の現職と市民ネット(推薦)の各候補がしのぎを削る激烈なたたかいとなっており、同定数二の美浜区では、日本共産党のゆうき房江候補が、自民、民主の現職、市民ネットの各候補を激しく追い上げています。

 公明は両選挙区とも、候補を出していませんが、花見川区では「創価学会の人から市民ネット推薦候補への支持を頼まれた」の声が多数あがるなど、共産党落としに躍起になっています。

 志位氏は、千葉県の児童福祉予算、老人福祉予算が全国四十七位と最低の実態を示し、「知事は『残念無念』といいましたが、これは成り立ちません。千葉県の一人あたりの住民税は全国五位で、財政力はあるのです。ないのは『福祉の心』です」とぴしゃり。最低の福祉の一方で、大型開発、大企業誘致補助金のばらまきに熱中する政治を厳しく告発しました。

 「どうして『逆立ち』政治になっているのか」と問いかけた志位氏は、千葉では自民、公明に加え、民主、市民ネットがみな「オール与党」仲間だからだと指摘。市民ネットが今回、県議会で予算に反対したことについて、「理由に大型開発を挙げているが、それならばなぜ、同じような予算にずっと賛成してきたのか。それへの反省もない『選挙野党』が、公明党と一体となって共産党の議席を奪おうとする。こんな『オール与党』勢力には絶対に負けるわけにはいきません」と訴えると、どこでも聴衆の大きな拍手がわき起こりました。

東京・新潟で市田書記局長

 日本共産党の市田忠義書記局長は五日、東京都大田区、江東区で吉田万三都知事候補(革新無所属、日本共産党推薦)と都議補選の渋谷要(大田区)、東ひろたか(江東区)の両候補=いずれも被選挙数一=を応援し、「政治の春を私たちのたたかいで呼ぼう」と訴えました。

 蒲田駅では東口で吉田候補が訴えていた同時刻に西口では石原慎太郎都知事が演説。聴衆からは「むこうもすごいけど、こっちの方がすごいね」という声も。

 「よっ、万三」の声援に迎えられた吉田都知事候補は「都政を私物化し、福祉・暮らしよりも大型開発を優先する石原都政を変えられるのは私しかいないのがますます明らかになった」と訴えました。

 市田書記局長は「悪には敢然と立ち向かい、額に汗して働く人、若者や女性、働こうにも働けないお年寄りや障害者に、どこまでも優しい万三さんこそ都知事に一番ふさわしい」と強調。暮らし・福祉、オリンピック東京招致を口実にした巨大開発、憲法改定など選挙戦の焦点について、どの問題でも都民の願いをかなえられるのは吉田氏だけだと指摘。「暮らしを守れ、巨大開発にお金を注ぎ込むぐらいだったら、障害者やお年寄りのために回してほしい、二度とあんな戦争はご免、憲法を守れと願っている方は、党派の違いを超えて、万三さんに託していただきたい」と訴えました。

 大田区の都議補選は、渋谷氏のほか、自民一人、民主一人、無所属三人が立候補、江東区は東氏のほか、自民一人、無所属二人が立候補し、大激戦となっています。

 市田氏は、石原知事自身の公約で「少しは反省してよね」と言わざるをえないところまで追い詰めたのは、日本共産党都議団の活躍だったことを指摘し、「ムダ遣いをやめさせ、暮らし・福祉第一の都政にかじを切るためには日本共産党都議団をもっと、もっと大きくしてただきたい」と支援を呼びかけました。

 日本共産党の市田忠義書記局長は五日、大激戦となっている新潟県議選と新潟市議選にかけつけ、「日本共産党への一票で新潟の政治に『福祉の心』を取り戻そう」と気迫の訴えをしました。平日の昼、寒いなかを新潟市の万代シティで六百人、東総合スポーツセンター前で五百人、長岡市民センター前で七百人が熱心に聞き入りました。

 県議選新潟市東区(定数二)では、現職のいがらし完二候補が自民、民主の現職と生き残りをかけて激しく競り合い、同中央区(定数三)では、のもと孝子候補(新)が追い上げています。長岡市・三島郡区(定数六)では、竹島良子候補(新)が現職六人と互角に競り合っています。政令市の新潟市議選では、九人の候補が各選挙区で当落線上の争い。

 市田氏は、企業誘致などでムダにムダを重ねる「オール与党」の県政を批判。一方、いがらし県議が二つのダム(合計三千百五十億円)を住民との共同で中止に追いこみ、中越大震災さなかの議員豪華海外旅行をやめさせるなどの実績を紹介しました。「保守の議員からも『県議会に不可欠』な『県議会の良識』といわれる」日本共産党の議席の値打ちを語り、「『オール与党』の独占を許してはならない」と強調しました。

和歌山・京都で穀田国対委員長

 日本共産党の穀田恵二国対委員長は五日、県議選和歌山市区(定数十六)で、おくむらのり子(55)=新=、ふじい健太郎(52)=現=両候補を応援しました。

 穀田氏は、住民税や国民健康保険料(税)、介護保険料が雪だるま式に値上げになった原因が公明党の年金政策にあることを紹介。また、選挙後に憲法改悪のため国民投票法案の成立がたくらまれ、県政では老人医療補助削減の一方、ムダな大型公共事業が続いていることを指摘。「くらし、平和、県政チェック、どの願いも日本共産党のおくむら候補、ふじい候補に託してください」と訴えました。

 同市鳴神では公園の花見に来ていた市民らも穀田氏の演説に大きな拍手を送り、平井のスーパー前では何人もの買い物客らが足を止めじっと聞き入っていました。

 穀田氏は五日早朝から京都市下京区の中央市場で西脇いく子府議候補とともに訴え、中京区で平井良人市議候補と、同日夜は、上京区の、さこ祐仁府議候補、くらた共子市議候補とともに有権者に訴えました。

 穀田氏は「自然現象で悪政が起こっているわけではない。住民の要求を阻害する勢力を選ぶのかが問われる。何回も粘り強く頑張り抜くのが日本共産党です。正規雇用促進条例は十二人の府議団の力で実現させ、高校生の奨学金の廃止を撤回させたのは二十人の市議団の力。府民、市民の運動があればこそです。府民、市民のみなさんがいるかぎり日本共産党はやっていけます」と訴えました。

鳥取で小池政策委員長

 日本共産党の小池晃政策委員長・参院議員は五日、鳥取県に入り、米子市で、にしこおり陽子県議候補、「明るい民主県政をつくる会」の山内あつ子知事候補と、鳥取市で市谷とも子県議候補とともに街頭から訴えました。

 鳥取市区(定数十三、立候補十四人)、米子市区(同九、同十一人)とも少数激戦。各候補が一票を争いしのぎを削っています。

 鳥取県政について小池氏は、米子空港滑走路延長や大企業への補助金、同和事業などに税金をつぎ込みながら、市町村への国保財政補助をせず、特別医療費助成の削減を狙っていることを紹介。党県議不在のこの四年で質問が激減する一方、海外「視察」には一人平均三回も参加するなど「県議が無駄遣いの先頭に立っている」ことを示し、「視察すべきは県民の暮らし、営業の現場」だと述べ、住民本位の県政への転換を訴えました。

 小池氏は、任期中の憲法改悪を掲げる安倍政権が県議選直後に改憲手続き法を通そうとしていると指摘。「日本を戦争する国に絶対させないという願いを日本共産党への一票に込めてほしい」と呼びかけました。