2007年4月6日付「しんぶん赤旗」に掲載

参院補選 福島・沖縄で告示

格差ただし、憲法守る一票を日本共産党へ

福島と郡山で志位委員長訴え


 参院福島、沖縄選挙区の補欠選挙が五日告示(二十二日投票)されました。昨年十一月の両県知事選への参院議員出馬に伴うもの。いっせい地方選と同時におこなわれ、夏の参院選の前哨戦として各党が力を入れています。福島選挙区は、日本共産党の宮本しづえ氏(54)=新、前福島市議=と自民、民主の各公認候補との争い。沖縄選挙区では日本共産党などが推薦する、かりまた吉正氏(57)=新、元連合沖縄会長=と自民、公明両党推薦候補との事実上の一騎打ちです。日本共産党の志位和夫委員長は、福島市内で第一声をあげ、県議選ともあわせて支持を訴えました。


 「参院補選、県議選のダブルの勝利をかちとらせてください」。志位委員長は福島駅前で、日本共産党への一票の値打ちを縦横に語り、集まった八百人の大きな拍手につつまれました。

 この日は、自民党の片山虎之助参院幹事長、民主党の鳩山由紀夫幹事長が福島入りし、総力戦の様相。日本共産党の宮本しづえ候補は「大企業優先、国民いじめの政治をただすため全力でたたかいます」とのべました。藤川しゅく子(福島市区)、あべ裕美子(伊達市・伊達郡区)両県議候補も訴えました。志位委員長は、県議選が大激戦となっている郡山市にも急きょかけつけ、神山えつこ県議団長の必勝を訴えました。

 「貧困と格差をただす一票」――志位氏は貧困と格差の大本に「構造改革」の名ですすめられた弱肉強食の自民党政治があると指摘。三つの提案――(1)大企業には減税、庶民には増税の税金の「逆立ち」をただす(2)最低賃金の抜本的引き上げなど人間らしい労働のルールを確立する(3)農業切り捨て政治を許さない――を示しました。

 このなかで志位氏は、庶民負担増の根源にある定率減税の半減・廃止は公明党が「言い出しっぺ」だったと指摘。「東京新聞は公明党を『増税戦犯』と書いた。『戦犯』の公明党、『共犯』の自民党に審判をくだし、増税実施を中止させよう」と呼びかけました。

 農政にふれた志位氏は、政府は「品目横断対策」と称して家族経営を切り捨て、日豪経済連携協定で畜産農家は大打撃を被るとのべ、「無制限の自由化にストップをかけ、家族経営を守る価格保障・所得補償をすべきだ」と訴えました。

 「憲法と平和をまもりぬく一票」――志位氏は「憲法九条を守るかどうかを政党選択のモノサシにしてほしい」と訴え。安倍晋三首相が改憲手続き法案の強行に向けて暴走を始めるなか、「侵略戦争に反省のない勢力が、憲法をかえて海外で戦争をする国にしようとしていることが重大だ」と指摘。「従軍慰安婦」問題をめぐる首相らの歴史をゆがめる発言を批判し、「憲法九条を守る一票は、党をつくって八十五年、平和を貫いてきた日本共産党へ」と力を込めました。

 「自治体に『福祉の心』をとりもどす一票」――志位氏は、最終盤の福島県議選にふれ、対決構図は、自民、公明、民主、社民の「オール与党」対日本共産党だと指摘。汚職で辞任した佐藤栄佐久前知事から民主党出身の佐藤雄平知事になっても、「知事の姓も変わらなかったが、『オール与党』による『逆立ち』県政も変わらない」とのべると、「そうだ」の声が飛びました。

 志位氏は、首都機能移転をあてこんだ「あぶくま高原道路」に千三百億円、小名浜港沖合の巨大人工島や巨大ふ頭に七百三十億円のムダづかいを批判。他方で国保証のとりあげは四年間で三倍の六千七十世帯になり、県の市町村国保会計への援助もゼロなど福祉の切り捨てぶりを告発し、「共産党を伸ばして、自治体に『福祉の心』をとりもどそう」と訴えました。

 また、福島第一原発の事故が隠蔽(いんぺい)されていたことを取り上げ、「それでも危険なプルサーマル方式をやろうとしている。とんでもない計画に自民党は賛成、民主党も反対といわない。共産党への一票で危険な計画は絶対にやめさせよう」と呼びかけ、拍手につつまれました。

 志位氏は、自民と民主の間に「対決」の中身はないと指摘。「貧困と格差を大本からただし、憲法と平和をまもりぬく『たしかな野党』――日本共産党の勝利でこそ、希望ある日本の未来はひらけます」と力を込め、大きな拍手につつまれました。