2007年3月23日付「しんぶん赤旗」に掲載

「くらし第一」へ「オール与党」と対決

いっせい地方選 13知事選が告示

共産党、すべてに推薦・公認候補


 いっせい地方選挙前半戦の十三都道県知事選挙が二十二日告示(四月八日投票)されました。福祉とくらしに冷たく、無駄な巨大開発には熱心な「逆立ち」政治をすすめる自民、公明、民主などの「オール与党」勢力の推す候補に対し、日本共産党だけが十三都道県すべてで公認・推薦候補をたてて、「逆立ち」政治の転換を訴えました。日本共産党の志位和夫委員長は東京、神奈川に、市田忠義書記局長が北海道、佐賀、福岡に入り応援。注目の東京都知事選では、政党党首のなかで応援演説にたつことができたのは志位委員長だけでした。


都知事選

福祉・憲法守る願い託せるのは吉田さん

新宿 志位委員長が訴え

 東京都知事選では、日本共産党推薦で革新無所属の吉田万三候補(59)=元足立区長=が新宿駅西口で第一声をあげ、約七千人が集まりました。吉田候補は「都政の私物化をやめる、大型開発にメスを入れる、憲法を守っていく、これこそ都政改革のカギだ」と訴え。元ボクシング日本ウエルター級チャンピオンの小林秀一氏が応援演説に立ちました。聴衆から「万三さん」「がんばれ」の声援が飛びました。

 志位和夫委員長は、都民の「三つの願い」を吉田候補に託してほしいと訴えました。

 第一は、福祉とくらしを良くする願いです。

 二期八年間、福祉の制度を根こそぎ破壊してきた石原都政を告発した志位氏。公約に「都民の目線による医療と福祉をすすめます」と書く石原慎太郎知事のごまかしを批判しました。浅野史郎前宮城県知事についても、知事時代に福祉を切り捨てながら、「私の本籍地は福祉です」と公約に書く不誠実ぶりを批判して、「本籍地は福祉切り捨てだ」と批判すると、「そうだ」の声が飛びました。

 志位氏は、吉田候補が、切り捨てられた福祉を取り戻し、時代が求める新たな福祉も充実すると公約していると紹介し、「吉田候補の勝利で『福祉の心』を取り戻そう」と呼びかけました。

 第二は、税金のムダづかいはストップという願いです。

 志位氏は、福祉を切り捨てながら、五輪誘致名目で八兆五千億円もの巨大プロジェクトに突入しようとしている石原知事を批判。浅野氏についても、「県知事時代に船の来ない港をつくって借金をつくった前歴の人に、巨大開発は止められない」とのべ、「五輪招致の白紙撤回、五輪名目の巨大開発をやめよと主張している吉田候補でこそ、この『逆立ち』政治をただせる」と訴えました。

 第三は憲法擁護と平和への願いです。

 志位氏は、安倍晋三首相と自公民勢力の憲法改悪をめぐる国会での重大な動きをあげ、「首都東京の知事候補が、どういう姿勢をとるかは大争点だ」と強調しました。石原知事は名うての改憲派で、毎年、靖国神社に参拝する「靖国」派、黒川紀章氏は改憲・右翼団体「日本会議」のメンバー、浅野氏は改憲論議に賛成で、イラクへの自衛隊派兵にも賛成の人物だとのべ、「憲法改悪反対、九条まもれの声をこぞって吉田候補に集中し、東京から世界に平和のメッセージを発信しよう」と呼びかけ、大きな拍手につつまれました。

 志位氏は、石原知事を支援する自民党も、浅野氏を支援する民主党も、都議会では「オール与党」勢力だと指摘。「真実の対決構図は、二つに分裂した自公民『オール与党』陣営か、日本共産党と無党派が共同して推す吉田候補かだ」と訴え、「吉田候補の支持を広げに広げ、『都民が主人公』の都政を取り戻そう」と力を込めました。