2007年3月29日(木)「しんぶん赤旗」

県政の後戻り許さず改革の前進を

長野で志位委員長 共産党への支持訴え


 二十八日、長野入りした日本共産党の志位和夫委員長は、市内二カ所で演説し、長野市区での二議席奪還を訴えました。あわせて七百五十人が聞き入りました。

 志位氏は、村井仁県政のもと、争点は自民、公明、民主、社民の「オール与党」か、唯一の野党・日本共産党かだと強調。県民の三つの願い(1)県政の「後戻り」を許さず、県政改革を前進させる(2)国の悪政のもちこみを許さず、福祉とくらしを守る(3)憲法擁護と平和への願い―を日本共産党に託してくださいと訴え、日本共産党の議席の値打ちを浮き彫りにしました。

 このなかで志位氏は、日本共産党は田中康夫県政時代に真の是々非々の立場を貫き、県民の運動と力をあわせて県政に前向きの変化をつくってきたと指摘。それを三つの点で後戻りさせようと企てる「オール与党」勢力に審判をくだそうと呼びかけました。

 第一は「脱ダム」の後戻りです。浅川の穴あきダム建設計画は「オール与党」がこぞって「高く評価」し、県民の批判を浴びています。志位氏は、建設予定地は有数の地滑り地帯で活断層が走り、事業費も膨張すると批判。穴あきダムの構造上、上流に砂防ダムが必要となり、際限のないダムづくりの危険性まであるとのべ、「危険でムダ、百害あって一利なしの穴あきダム、脱ダムの『後戻り』にストップを」と訴えました。

 第二は、「逆立ち」県政への後戻りです。志位氏は、前知事のもとで、長野県が予算の主役を交代させ、一九九〇年代には「公共事業に四千億円、社会保障に千二百億円」だった予算を、二〇〇六年度は「公共事業に千三百四十億円、社会保障に千四百億円」にまで改善してきたことを評価。村井県政が穴あきダムなど大型開発のために「行革推進債」という五百億円の新たな借金に踏み出したことを批判し、「『逆立ち』県政への後戻りを許すな」と呼びかけました。

 第三は、同和利権復活への後戻りです。志位氏は、日本共産党議員団の奮闘で、県の同和行政は終結したものの、村井知事が「同和をふくめた審議会の設置条例」をつくろうとしていることを批判。「三つの後戻りを許さず、県政改革をすすめるたしかな力―日本共産党をのばしてほしい」と呼びかけ、大きな拍手につつまれました。

 和田あき子県議予定候補は「憲法を守って平和な未来を」と訴え、石坂ちほ県議は「みなさんの願いを実現させるため、共産党を大きくしてください」と呼びかけました。

 志位氏は、時間が許す限り、聴衆に声をかけ、握手でエールにこたえました。千曲市からきた女性(56)は、「ダムや憲法の問題をわかりやすく話してくれた。一人でも多くの人に伝えたい」と話していました。