2007年3月29日(木)「しんぶん赤旗」

危険で無駄なダム中止を

志位委員長 浅川ダム予定地視察


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(写真)浅川ダム建設予定地を視察する志位和 夫委員長と石坂ちほ候補(その左)、和 田あき子候補(右端)=28日、長野市

 日本共産党の志位和夫委員長は二十八日、長野市入りし、千曲川支流の浅川(長野市―小布施町)の治水を目的に計画されている浅川ダム建設予定地とその流域を視察しました。

 石坂ちほ県議、和田あき子県議候補、中野さなえ参院選挙区候補、山口典久衆院比例候補のほか長野市議団が同行。中流域の河川改修状況や千曲川との合流地点を調査し、地元の住民団体から説明を受けました。

 浅川ダム計画について浅川・千曲川等治水対策会議の市村治男事務局長らは、浅川で発生した主な水害は、本流の千曲川が増水したために流入できずに起こる「内水被害」であり、ダムを建設しても治水効果は期待できないとして、内水対策や千曲川の抜本的改修を訴えました。建設予定地周辺は、危険な地滑り地帯であり近くに活断層の存在も指摘されています。

 志位委員長は視察後、「ダムは危険で無駄であり、治水とは無関係だということがよく分かりました。計画は中止すべきです。ダムは県議選の大きな争点であり、『脱ダム』の流れを後戻りさせないよう、県議選での共産党の躍進を目指したい」と述べました。

 浅川ダム計画は二〇〇一年、「脱ダム」宣言で中止になり、ダムによらない治水対策が進められていました。しかし、昨年就任した村井仁知事は今年二月、増水時に水をためる治水専用の「穴あきダム」を軸に建設する計画を発表。二〇〇八年度の着手を目指し、本体事業費だけで約百億円に上ります。福祉切り捨てなどが条件の「行革推進債」を充てる方針です。

 ダム計画の一方的決定について、共産党長野県議団は、流域住民が参加する流域協議会との事前の協議がないなど、今まで築き上げた「県民参加」に逆行すると指摘。厳しい財政事情からも無駄遣いになると反対を表明し、計画の中止を申し入れてきました。