2007年3月6日(火)「しんぶん赤旗」

農家切り捨て政策と日豪EPA

「農業壊す重大問題」

札幌市で 志位委員長が記者会見


 日本共産党の志位和夫委員長は五日、遊説先の札幌市で記者会見し、日本と北海道農業の命運を左右する二つの重大問題を明らかにし、「政治的立場、思想・信条の違いを超えた共同を広げ、悪政推進勢力に厳しい審判を下そう」と表明しました。


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(写真)記者会見する志位和夫委員長=5日、札幌市

 重大問題の第一は、今年四月から実施される品目横断的経営安定対策。米、麦、大豆、テンサイ、原料用バレイショを対象に、これまでの品目ごとの価格政策を廃止し、都府県では四ヘクタール以上、北海道では十ヘクタール以上の経営に限って一定の所得補償をおこなうというものです。

 志位氏は、「全国では九割以上、北海道では四割が切り捨てられることになる」と批判。「『北海道のため』という鳴り物入りで導入されたが、具体化にあたり三つの大問題が明りょうになった」とのべ、(1)認定対象を限定し、四割は「農業者にあらず」となる、(2)支援対象になっても再生産を保証する価格の下支えの保障はいっさいない、(3)「過去の生産実績」による支払いのため、作付けを増やし、収穫を増やしても支払いは増えないことを明らかにしました。

 「『やる気のある農家を応援する』というが、まさにやる気を奪うもので許されない。農家の選別をやめ、続けたい人、やりたい人、すべての農家を応援すべき」とのべ、生産コストをつぐなう価格保障に所得補償を組み合わせ、安心して再生産できる農業を築くべきだと、日本共産党の立場を表明しました。

 第二は、日豪EPA(経済連携協定)をめぐる動きで、「導入されれば日本の農業にあまりにも甚大な被害を与え、道経済を崩壊させかねない」と強調しました。

 志位氏は、オーストラリア農業の平均規模は日本の千八百倍で、農産物貿易を自由化すれば、日本の家族経営は根本から破壊され、全国では三兆円の生産が減少し、北海道では、一・三兆円の生産が減少すると指摘。「安倍内閣は、財界の要求に迎合して交渉入りを決めたが、日本農業、北海道農業の存廃にかかわる交渉には入るべきではないと強く主張したい。歯止めない輸入自由化路線のストップに力を尽くす」とのべました。