2007年1月14日(日)「しんぶん赤旗」

志位委員長、枯れ葉剤被害視察

ドクさんとトゥエンさんの結婚を祝福

ベトナム


ツズー病院

 【ホーチミン市=鈴木勝比古】ベトナムを訪問中の日本共産党の志位和夫委員長は十三日午前、ホーチミン市のツズー病院を訪れ、米軍がベトナム戦争中に散布した枯れ葉剤被害の実態を視察。枯れ葉剤による結合性双生児で、分離手術の成功で自立し、昨年十二月に結婚したばかりのグエン・ドクさんとタイン・トゥエンさんを祝福しました。

 ツズー病院はベトナム南部の枯れ葉剤被害の調査と被害児救援センターとなっています。病院の玄関で出迎えたドクさんは、志位委員長の祝いのことばに、はにかみながら、日本語で「ありがとうございます」と答えました。

 長年ドクさんを治療し、被害の現地調査に取り組んできた女医のグエン・ティ・ゴク・フオン前院長(枯れ葉剤被害者の会副会長)は志位委員長に「日本共産党と日本国民のこれまでのあたたかい援助に感謝します」と話しかけ、志位委員長と握手を交わしました。

 志位委員長は病院関係者や枯れ葉剤被害による障害児を前に「日本でもお二人の結婚がテレビで紹介されました。日本国民が二人を祝福しています」とあいさつ。「米軍が残酷非道な枯れ葉剤をベトナムに大量に散布したことは絶対に許されません。その被害は大きく、長期にわたります。被害の実態とどのような援助を必要としているかを教えてください」とのべました。

 ファム・ビエト・タイン院長がスライドを使い、病院が行った調査にもとづいて、枯れ葉剤と死産や障害児の因果関係をくわしく説明。ついでゴク・フオン前院長が「枯れ葉剤被害児三千人を対象に障害児自立センターをつくりたい。そのための援助を必要としています」と答えました。

 志位委員長は「枯れ葉剤と被害発生との因果関係は、みなさんのくわしい研究でも明らかです。米国政府はすでに退役米兵への被害補償を実施しており、医学的な因果関係は米国みずからも認めています。これまで援助活動をしてきた日本の市民団体や日本政府とも相談し、支援にとりくんでいきたい」と答えました。

 志位委員長はこのあと、病院内の枯れ葉剤被害児の治療・訓練施設「平和村」を訪れました。真っ赤なブーゲンビリアが平和村の病棟を包んでいます。志位委員長は病室に入って、障害児を抱き上げました。志位委員長はドクさんの兄のベトさんに話しかけましたが、脳症の影響で意識がなく、体をうごかすだけです。「ベトさんは体が丈夫で、ドクさんより体重が重いのですよ」と医師のフオン・タンさんが伝えました。