2006年11月11日(土)「しんぶん赤旗」

韓国訪問、安倍政権論、野党論など

TBSのCS放送 志位委員長、縦横に語る


 日本共産党の志位和夫委員長は十日放送されたCS放送「TBSニュースバード」の番組「国会トーク フロントライン」に出演し、報道局政治部の川戸恵子特別解説委員と対談しました。国会記者会館のスタジオに「時々のキーパーソン」を招き、ホットな話題を語り合う番組。初の韓国訪問、安倍政権への姿勢、国会質問と話は尽きませんでした。


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(写真)川戸恵子キャスター(右)の質問に答える志位和夫委員長=9日、東京・国会記者会館

韓国訪問について

 川戸 さっそくですが、共産党委員長が韓国訪問と聞いてびっくりしました。なぜこんなことに?

 志位 直接のきっかけはソウルでのアジア政党国際会議へ招待されたことでしたが、この機会にと、韓国の五つの政党リーダーとの会談、延世大学での学生・院生などとの交流などをおこない、大変実り多い訪問となりました。

 志位氏は、「反共の壁」が崩れ、民主主義が進展してきた韓国社会の大きな変化を紹介。さらに今回の訪問で、戦前、朝鮮の植民地支配に反対した日本共産党という政党が日本にあったということが、韓国の人たちにとって「新たな発見」と受けとめられたことをのべると、川戸氏は「共産党のイメージが変わったでしょうね」。

安倍政権への対応

 川戸氏は、いま問題になっている中川昭一自民党政調会長らの「核武装発言」などに触れて、「北朝鮮の核実験などで、安倍政権の本質というのか、右にぶれる人がまた出てきた。厳しく追及するのでしょうね」。

 「当然追及します」と志位氏。さらに「これは世界の全体の動きのなかでよく見る必要があります」とのべました。

 北朝鮮の核実験をめぐって、非軍事的な枠組で対応する国連安保理決議が全会一致で採決されるなど、国際社会が平和的・外交的解決で一致して努力し、中国やアメリカが精力的な外交交渉を通じて六カ国協議再開に尽力しています。このことを指摘した志位氏は、「世界が外交的努力を求めている最中に、日本のなかの議論が、やれ『核保有』だとか『周辺事態法』だとかきな臭い話の一辺倒なんです。これはまったく異常です」と強調。この議論に「言論の自由だ」とブレーキをかけない安倍首相を批判しました。

対立軸示してこそ

 「国会のなかで議席の少ない共産党の立場は大変では?」と川戸氏。

 志位氏は「国民世論と与党の国会議席との間に大きな開きがあります」とのべ、教育基本法改悪案をめぐる世論調査では、反対が多数であり、地方公聴会でも慎重論が出たことを紹介しながら次のように語りました。

 「『郵政解散』という一点突破の白黒つけるやり方でフィーバー(熱狂)をつくって、いわば砂上の楼閣が与党の議席です。憲法問題でも教育基本法問題でも国民多数の声を集めて、事態を打開するたたかいをすすめるのが大事だと思います」

 八日の安倍首相と民主党の小沢一郎代表との党首討論に話が移り―。

 川戸 党首討論をご覧になっていて、ここは攻めたかった、出たかったのではありませんか。

 志位 共産党が出ないと、やはり対立軸が出てきませんね。

 川戸 対立軸といいますと?

 志位氏は、憲法、教育基本法、税金のあり方――消費税増税を計画する一方で空前のもうけをあげる大企業はなぜさらに減税をするのか――など国の進路をめぐる大きな問題の対立軸はたくさんあるのに、自民党と民主党の間では議論になっていないと批判。「対立軸がどこにあり、どちらを選択すれば日本の国はよくなるかということを明確に示す論戦は、自民党と共産党がぶつかってこそできます」と語りました。

 川戸氏は「共産党はいま地方選挙で伸びているようですが、これは?」などと質問。志位氏が、地方切り捨ての国の政治にたいして保守的な人たちとの共同がすすむ姿を紹介し、話が弾みました。