2006年9月30日(土)「しんぶん赤旗」

安倍政権と正面対決 希望もてる政治の実現を

横浜市で 志位委員長迎え演説会


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(写真)横浜で開かれた全国遊説初の演説会で会場いっぱいの参加者に訴える志位和夫委員長=29日、横浜市の神奈川県民ホール

 日本共産党の志位和夫委員長を迎えた党演説会が二十九日、横浜市の神奈川県民ホールで開かれ、一階席から三階席までいっぱいの約三千人がつめかけました。志位氏は、安倍晋三首相が衆院本会議で同日おこなった所信表明演説について、「ゆきづまりへの自覚も、打開の方策もないことがはっきりした」と強調し、安倍政権の問題点を三点にわたって明らかにしました。

 第一は、安倍首相が所信表明で一言も語らなかった歴史問題への態度です。志位氏は、これまでは靖国参拝の是非が問題だったが、安倍氏はそれにとどまらず歴史認識そのものが問われるとのべ、「自存自衛の正しい戦争」という靖国史観にどういう態度をとるか、「植民地支配と侵略」を反省した「村山談話」を引き継ぐかどうかを明確にする必要があると指摘。「安倍首相の『歴史が判断するだろう』という無責任な態度はもはや通用しない」と訴えました。

 第二は、憲法と教育基本法改悪の問題です。憲法では、安倍首相が集団的自衛権について、解釈改憲と五年をめどにした明文改憲の「二本立て」の計画をはっきりしめしたうえ、所信表明演説では「日米同盟がより効果的に機能」するため「いかなる場合が憲法で禁止されている集団的自衛権に該当するか」を検討すると表明したことの重大性にふれました。

 志位氏は、「安倍氏は憲法改定の目的を『米国とともに海外で戦争をするため』とはっきり宣言した。大変危険だが、同時に事の真相も明白になった。正面から迎え撃とう」と呼びかけました。

 教育基本法問題では、東京地裁が「日の丸・君が代」強制は違憲・違法とした判決の意義を強調。そのうえで安倍政権のすすめる教育基本法改悪の目的が競争とふるいわけ、徹底的な国家統制、予算の差別化にあることを明らかにし、「国民運動と国会論戦で共同して廃案においこもう」と訴えました。

 第三は格差と暮らしの問題です。志位氏は、安倍首相が、「ワーキングプア」(働く貧困層)が大問題になるような状況をつくった反省もなしに、「再チャレンジ」というのは、「悪政の責任を国民の自己責任に転嫁する卑怯(ひきょう)、卑劣なやり方」と厳しく批判しました。

 志位氏はとくに税金問題を重視したいと表明。高齢者への住民税大増税や消費税増税の本格化の一方で、空前のもうけをあげている大企業には六千億円もの追加減税をおこなおうとしていることを告発し、大企業にたいする行き過ぎた税制をただす重要性を訴えました。

 安倍政権は「幅も奥行きもない、自民党のゆきづまりを象徴する政権だ」と指摘した志位氏が「日本の未来に責任をもつ政党として、時代錯誤の政権と正面から対決し、国会で大奮闘するとともに、国民運動の発展に力をつくす」と決意をのべると、満場の聴衆から大きな拍手がわきました。

 最後に、志位氏は、韓国とパキスタン訪問について報告しました。

 横浜市緑区の男性(33)は「志位さんの話に勇気をもらった。大企業へのさらなる大減税なんてとんでもない。今日の話をまわりに広げていきたい」と話しました。