2006年8月1日(火)「しんぶん赤旗」

米軍再編 全国的連帯でストップを

岩国演説会 志位委員長が訴え

会場いっぱい千三百人


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(写真)志位委員長を迎え開かれた日本共産党演説会=31日、山口・岩国市、シンフォニア岩国

 日本共産党の志位和夫委員長は七月三十一日、八月一日の日程で、山口県岩国市の米軍基地調査や、基地関係自治体の首長などとの懇談のため現地入りしています。三十一日には、岩国市で開催された党演説会で、岩国基地を中心とした米軍基地強化問題とたたかいの展望について訴えました。演説会には、「一度、志位さんから基地問題についてじっくり聞きたかった」と足を運んだ無党派や保守層を含む会場いっぱい、立ち見も出た千三百人が参加。春名なおあき参院比例候補と、久米けいすけ県議候補(岩国市区)が来年の二つの選挙での必勝の決意を語りました。

 志位委員長は、今年三月の住民投票、四月の市長選挙で、岩国市民が二度にわたり基地強化反対の民意を下したことは「歴史的な意義」を持つとのべたうえで、基地強化の問題点をさまざまな角度から解明しました。

 志位氏は、基地が強化されれば、岩国が米軍の海外展開の航空基地では最大規模になり、海兵隊と空母打撃群の二つの「殴り込み」部隊が一体化すると指摘。さらにこの許しがたい計画が、三つの「だまし討ち」によって強行されようとしていると告発しました。

 第一は、「騒音の解決」を口実に建設した沖合滑走路に、空母艦載機を移転させ騒音を増加させようとしていることです。

 第二は、空母艦載機に加え、五月の米軍再編「最終報告」により突如、十二機の空中給油機の移転計画が押し付けられようとしていることです。

 第三は、やらないとしていたNLP(夜間離着陸訓練)の実施の危険性が高まっていることです。

 志位氏はまた、岩国基地強化は、同市だけでなく、中国、四国、瀬戸内海全体にかかわる大問題だとのべ、米軍機の低空飛行訓練の増加と原子力空母寄港という二つの危険性を強調しました。

 最後に志位氏は、米軍再編にもとづく基地強化では、全国各地で矛盾がふきだすとともに、とりわけ首都圏、岩国、沖縄が三つの焦点となっているが、「その一部がすすまなければ、全体が頓挫する恐れがある」と自衛隊元幹部ものべていることを紹介しながら、つぎのように訴えました。

 「基地強化反対運動の分断を狙う政府のくわだてを、全国的連帯でストップさせようではありませんか」

 志位氏の訴えに、参加者は大きな共感の拍手で応えました。

 岩国市在住の主婦(29)は、「岩国だけでなく、全国の連帯が大事だという意味がよくわかる話でした。過去のNLPの時は昼夜を問わず本当にうるさかった。それが恒常的になったら本当に困ります」と感想を語っていました。